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Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

外道

2006-02-27 | 想い・雑感
 漢方の流れでは、医を上、中、下に分けているようだ。「上医はいまだ病まざるものの病を治し,中医は病まんとするものの病を治し,下医はすでに病みたる病を治す」としている。この分類でいくと、現在行われている医療の多くは、下医ということになる。

 また中世ヨーロッパにおいて、人体にメスを入れることは医師たるものやってはならないことだったらしい。外科の外は外道に通じるという話しを聞いたこともある。体を傷つけると言うことは、本来あってはならないことなのだろう。

 では体を傷つける所業を医療たらしめるものは何なのだろうか。

 それは、artとknowledgeであり、それを支えるhearだと思う。

Artというと芸術と考えがちだが、当然手術は人に見せることを目的としたものではない。この場合のartは繊細で正確な技術である。その技を磨くために外科医は多くの時間を費やす。

Knowledgeは自分の中で体系づけられたものにする必要がある。そして、新たな知識を常に吸収していく情熱と努力が必要である。

 Heartはもちろん心である。優しさ、倫理観、冷静さ、剛胆さ、決断力、想像力などさまざまな要素の総合力である。

 理想を言えば以上のようなことになる。外科医はこれを目指しているが、やはり人間。100%これを満たすことが出来れば、すでに神の領域なのかもしれない。逆に言えば神でないからこそ、努力が必要なのであろう。

 さあ、いくつになるまで、その気力を維持できるだろうか。