December 27, 2017
2017年も残すところ数日になった。師走の忙しい時期に映画を見るなんてと思われがちだが、これが独り身ののんきなところ、そのうえ最近はどんどん間口が狭くなってきた。年越しそばと雑煮以外、改まって正月料理は作らないし、ことさら大掃除をするような広い住まいに住んでいるわけでもない。世の中がクリスマスや歳末でにぎわっているとき、現実逃避は映画に限る、というわけである。今日見てきた映画について書こう。
映画は、フィンランド映画「希望のかなた」、監督はアキ・カウリスマキ、2017年ベルリン国際映画祭・銀熊賞(監督賞)をはじめ数々の賞を受けている。いつものように、パンフレッドから大筋を紹介しよう。「シリア難民の青年カーリドは、北欧フィンランドの首都ヘルシンキに流れつく。彼の思いは”いい人々のいい国”だと聞いたここフィンランドで、生き別れた妹を見つけて暮らすこと。しかし難民申請は却下され、街中では理不尽な差別と暴力にさらされてしまう。そんな彼にしがないレストランのオーナーは救いの手を差しのべ、自分のレストランにカーリドを雇い入れる。レストランの店員たちにも受け入れ始めたころ、妹が見たかったという知らせが入るのだった・・・」とある。こうして読んでみると、特にミステリアスなところもない話の運びだが、主人公がシリア難民だという点にひかれて見た映画だった。シリア問題が騒がれているころ、日本人の女性記者が銃弾に打たれて亡くなった都市アレッポもたびたび出てくる。政情が不安なヨーロッパの片隅で繰り返される人々の苦悩、しかしそこには優しい心を持つ人々もたくさんいる、これが、監督が描きたかった「希望」なのだろう。歌詞が字幕で出される音楽が、ノスタルジックで心に響き素晴らしかった。CDを購入したいと思って調べてみたが、少量しか作ってないとのことで、入手できなかった。音楽を聴くためにもう1度見てもいいと思うほどだ。
2017年は、ブログの更新が滞ってしまった。にもかかわらず、私の代り映えしない日常を覗いてくださった方々に感謝したい。新しい年が皆様にとっていい年でありますように。
画像は、妹のメールから「イイギリ(飯桐)」。