私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

映画『大いなる沈黙へ』

2014-10-21 14:25:51 | 日記
October 21, 2014

「アルテリア・シネマ」に足を運んだ。映画は『大いなる沈黙へ』、岩波ホールから降りてきたものだ。今見逃すと永遠に見れない映画のようなので、小雨降る中出かけた。パンフレットの解説がよくできているので、まずは、これを引用させてもらおう。「フランスアルプス山脈に立つグランド・シャトル―ズ修道院は、カトリック教会の中でも厳しい戒律で知られるカルトジオ会の男子修道院である。修道士たちは、毎日を祈りにささげ、一生を清貧のうちに生きる。自給自足、藁のベッドとストーブのある小さい房で過ごし、小さなブリキ箱が唯一の持ちものだ。会話は日曜の昼食後、散歩の時間にだけ許され、俗世間から完全に隔絶された孤独の中、何世紀にもわたって変わらない決められた生活を送る。」ドイツ人監督フィリップ・グレー二ングが、修道会との約束に従い、礼拝の聖歌のほかに音楽をつけず、ナレーションもつけず、照明も使わず、ただ一人カメラを携えて6ヶ月間を修道士と共に暮らして作り上げという。かずかずのドキュメンタリー映画賞を受賞している。

2時間49分という上映時間、久しぶりで見る映画、もう少し娯楽性のある映画を選べばよかったかとか、この映画は私にとって何なのだろうと考えながら見ていたが、だんだん引き込まれていったのは確かである。静謐な祈りだけの生活の中に響く教会の鐘の音、アルプスから吹き下ろす風、雪、雨の音、言葉には表せない感動があった。「主よ、あなたは私を誘惑し、私は身を委ねました」という字幕が何度も出てきた。この言葉の意味するところはよく分らないが、神に身を委ねることが出来た人の幸せは、理解できたように思う。礼拝の聖歌がまだ耳に残っている。いろいろな修道会があり、この修道院とは違うが、以前読んで感銘を受けた山形孝夫『砂漠の修道院』(平凡社)が頭に浮かんだ。この本も読み直してみよう。

まだ眼鏡を作れないので、前から3番目の席で見た。字幕がやっと見れる状態だった。照明を使わずに撮っているので、画面が暗く、もちろんこれがこの映画を意義あるものにしているのだが、少し疲れた。近くのスーパーで、日本産のレモンを1個買って帰宅した。料理本に出ていた「レモンカスタード」なるものを作ってみたら、なかなか美味だった。もう少し作ってみよう。表面をすり下ろすので、外国産は避けた。しかしレモン汁は足りないので、ポッカレモンで代用した。

画像は、『大いなる沈黙へ』のパンフから。