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《10・11》夢幻の軍艦大和ⅦⅧ

2011年07月21日 | 読書録
太平洋戦争物を見たり読んだりすると。

神国日本は負けない。負けるはずがない。

と当たり前のように言い。疑問を挟む者を非国民として犯罪者扱いするシーンがよく出てくる。

暴走族やヤクザから足を洗いたいと言う者に対するリンチとかわらない。


元寇の際のカミカゼがあった。

そして、当然負けるだろうと世界が見ていた日清・日露戦争にも勝った。

その危うい勝利が、本当の実力だと思っていたのだろうか。


 大航海時代の植民地ラッシュによって、アジアの国々は西洋列国の植民地とされ搾取されていた。

だいたい西洋人はひどい。

コロンブスがカリブの島に着いたとき。海岸に集まった原住民の前で、

この島をスペイン・イザベル女王陛下に捧げる、みたいなことを宣言し、

言葉がわからなくてポカンとしている彼らの前で勝手に決定し

体格の酔い彼らを見て「よい奴隷になる」とほくそ笑んだ。

インカ帝国のジェノサイド。アメリカ・インディアンの虐殺。

東洋での搾取と、アヘンなどを持ち込んでの貿易。

それを、解放、独立させていった日本の東南アジアでの行動はすてたものではない。

それまで中国の属国だけであった朝鮮も日清戦争後独立させている。

関東軍の行動は良しとしないが、列強の手を引かせる大きな成果はあげたのだろう。

太平洋戦争のどこまでが正しくて、何処がいけなかったのか。

なぜ、ちゃんとした検証をしないのだろう。

「日本は侵略した悪い国です。」と自己反省したって、それ以前にアジアを植民地とし

略奪をし、アヘンを売りつけ、好き勝手やってた列強は正しかったのか?

非戦闘員への無差別絨毯爆撃や原爆使用は、やってよかったんですよと言うのか?

一つのことをちゃんと終わらせないから、いつもどこかにゆがみがのこってしまうのです。

 今回の福島原発事故だって、収束し何が悪かったのか検証しなければ、次へ進めないでしょう。

チェルノブイリも福島も人間のミスから起こっています。

今回だって一年も前から故障箇所を指摘されておきながら、小銭の支出を渋ったためにひどい結果を招いた「東電」。

その東電のミスの検証もないまま、家を失い放射能で汚染された農地に途方に暮れる国民を尻目に

私達の老後がありますからと、当然のように多額の退職金を手にして一線を退いた東電役員。

東電のミスはほっといて、国民に増税で対処しようとする政府。

どんどん、日本の未来が暗くなってくる。

 技術大国日本が、専門家を雇わなくなり、派遣社員でもOKなんて状態にした、小泉内閣が事の発端だった。彼の口車とパフォーマンスにごまかされてしまった。
 おかげで、田中角栄が目指した「国民総中流社会」が小泉マジックでいつのまにか、富める人とワーキングプアにわかれさせられてしまった。

 そして今…政治家は自らの保身・党利党略しかみえていない。

「天誅!」と、あばれんぼう将軍のように切り捨てられたらどんなに気持ちのよいことだろう。