晴れ間の彗星

楽しく生きよう!

[25~31]ブッダ8巻~14巻

2011年07月14日 | 手塚治虫全集
やっと、ブッダを読み終わりました。

あとがきで本人も書いているように、これはもう一つの「火の鳥」なのでしょう。

生きるとは、死ぬとは、そして宇宙をつつむ大きな生命のエネルギー。

「火の鳥」で火の鳥自身が話すことを、ブッダは一つ一つの出来事の中から見つけ出していきます。

読んでいて気になったのが、ブッダが大集団となった教団の後継者を決めたとき

教団という組織に固執して「人が増えればお布施がふえる、土地を寄進してくれる人がいればその管理も必要だ、そもそも大伽藍が必要だ。」

としてそれを仕切ることの出来る俺が後継者になるべきだ。というダイバダッタに

「われわれの仕事は、神々の教えたもう道を人に説くだけだ
寺院とか 献上物とかそんな物質的なものをどうこうすると
考えること自体下劣きわまる!」

と、叱咤するシーンだ。

前も書いたが、この作品、某宗教団体関係の出版社の雑誌に載ったんですよね。

この、ブッダの叱咤を彼らはなんと読んだのだろうか。

信徒からお金を巻き上げ、大きな寺院・会館を建ててその覇をきそっている

(オームと変わらないじゃないか…)

自らの行いを恥じたりはしないのだろうか。

ブッダの教えに戻ろうよって、言う見識のある指導者がいないのだろう。

不幸なことだ。

そこで、名言を二つ

「そもそも宗教というのは、権力者にとっては便利なものさ。
人民の味わうすべての不幸が、政治制度や権力悪のためではなくて、
彼ら自身の不信心のせいだと思いこませれば、
彼らは革命をおこそうなどと考えないだろうからな。」
                  ボリス・コーネフ(銀英伝6/140P)


宗教組織が権力を欲するのは絶対に否定されねばならない。
それは人間の外面のみならず内面をも支配する、
最悪の全体主義となるだろう。
ユリアン・ミンツ(銀英伝6/142P)

銀河英雄伝説の一説です。