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晴れ間の彗星

楽しく生きよう!

[4] シュマリ 4

2010年01月26日 | 手塚治虫全集
 結論的には、これは「愛」の話なのだろうか?

間男を作って逃げた妻を追って蝦夷地へやってきたシュマリ。

相手の男を殺すも、妻は許し自分の元へ帰るように諭す。

しかし、自らの元に返る気のない妻を残し、去ってしまうシュマリ。

だが、時に触れて生活を助けてやる。

妻はその後、華族と再婚し(重婚?)、その華族の事業を助けるために、代償にその身を使い、

不貞を働いたと華族に撃ち殺されてしまう。

逃げた妻が生きている事が自分の生きがいとしていたシュマリは、大陸に渡りどこえともなく消えていく。

 しかし、この話に明治の初期から、だんだんと日本が蝦夷地を北海道として、アイヌの土地を自然を奪っていく話が重なっていく。

最後には、死んだアイヌ女の子 ポン・ションを育て、農学校にやり、蝦夷地の牧場経営を考えるが、

その子も「日本人」として日清戦争にかり出されてしまう。

土地を奪い「アイヌ」として蔑みながらも、「おまえは日本人だ!日本のために闘え!」という理不尽さ。

「アメリカ」という大陸を原住民から奪ったアメリカ人。

「オーストラリア」という大陸を奪ったイギリス人。

「中国」という大陸の多くを原住民から奪った漢民族。

 人間の愚かさを、マンガという武器であらわにしていった手塚治虫。

「W3(ワンダースリー)」の最初で、銀河連邦は

地球は良い星か、悪い星かと話し合いをしていた。

私だったら‥‥「悪い星」に1票いれてしまうかもしれない。

〔3〕 シュマリ 3

2010年01月24日 | 手塚治虫全集
 3巻。あの新撰組の「土方歳三」が登場。

五稜郭では死なないで、隠れ住んでいるが、

シュマリとともにアイヌを守るための戦いに出て討ち死にする。

北海道の歴史は、アイヌの地を侵略した日本の記録として描かれている。

西部劇で西部を目指す幌馬車隊が、住みやすい土地を見つけ自分のモノにしてしまう、

原住民のインディアンは獣のように追い出され、殺される。

法律を破っても、権力さえあれば、どうにでもなる。

と、子ども達に身をもって教えている、誰かさんのように、

白人以外は人間じゃあない!

和人以外人間じゃあない!

権力者に法律は適用されない…

こんな想いが

「必殺仕事人」を「ワイルド7」を「ゴルゴ13」を望むのだろう。

ちょっと、話は「シュマリ」とそれましたが、

「鉄腕アトム」でロボットが人権宣言に到達するように

勝手な明治政府の政策を批判しています。

〔2〕 シュマリ2

2010年01月23日 | 手塚治虫全集
「シュマリ」ビックコミック連載だから、読んでいてもいいはずなんですが、

ラストをのぞいてみると昭和49年6月~51年4月の連載になっています。

私の個人史でいえば、就職してから婚約途中までという、忙しい期間です。

小説の方も、毎年50~60冊読んでいたのこの間30冊ほどになり

長男が生まれた年からは、読書録さえつけていません。

 そんな期間中の「シュマリ」も2巻、まだ西部劇がつづいています


〔1〕シュマリ1

2010年01月21日 | 手塚治虫全集
 昨年は映画はたくさん見ましたが、本はあまり手をつけませんでした。

読んだ小説も7冊という有様。マンガは記録がありません。

リストを作っていて、読みたい作品がいっぱいあります。

漫画だけでおよそ三千冊、「読まずに死ねるか」という内藤陳の言葉が身にしみます。

当然読みたい小説も5~6千冊はあるはずで…

いったい、1年何冊の本を読めばいいのだろうか?

とりあえず、新・手塚全集を手にしました。

30年ぐらい前に出た、全集400巻を、今回は、文庫化し前の2冊分を1冊にして200巻というコンパクトにまとめたものです。

当然、この新しい全集にも揃えていますが、今回読んでみて読めないことが判りました。

視力1.5の私は、どうも老眼が早いようで近くの小さい文字が読めません。

そもそも、最初の400巻の全集を出した折、まだお元気だった手塚氏が

B6サイズより小さくしてはいけない。と、行っていたそうです、

雑誌サイズで読むことを考えて描いた絵を、縮小すれば読む感覚も迫力もセリフも伝わらなくなります。

ということで、基本に戻り、30年前の方を読むことにしました。

「シュマリ」、ビックコミックに連載されたこの作品も、手塚治虫が思うように自由に描くことのできなかった作品のようです。

後書きでアイヌ問題を扱うことの難しさを嘆いています。自由に描かせてあげたかったなと思います。

この第1巻では、自分の妻をつれて逃げた男を追って北海道までやってきた男という設定だったので、

その男捜しの旅が続くのか、とおもいしや、第2話で簡単にけっちゃくしてしまいます。

と、次は榎本武揚の隠し軍用金を巡っての…と、思えば、それも直ぐに見つけていまいます。

結局は、インディアン」の国であったアメリカ大陸を、英国人が侵略したというような話を、

日本人もアイヌの国であった蝦夷地を明治政府が侵略したと進んでいくのだろうか。

ちょっと話の進行がギクシャクしています。まだ彷徨が定まっていないような感じです。

話は違いますが、政府が都合でバンバン出している国民栄誉賞を手塚治虫に出さないのは

手塚治虫が「戦争」「侵略」「平和」等、一部権力者に都合の悪いことを堂々と描き、

一部権力者に嫌われていたからではないかという話をどこかで読んだ覚えがあります。



MW ③

2009年07月09日 | 手塚治虫全集
「MW」を読み終わった。
すごい作品です。
これを手塚氏に描かせた物はなんだったんだろうか?
と、考えてしまいます。
政治への怒り、あきらめ、…
政権交代をして、これまでの膿を出し切らなければ日本は滅亡に向かっている。
とでもいいたいような。作品です。