何年前だったか、私が富士山五合目で外国人登山客相手の登山指導のアルバイトをしたときのこと、その時の同僚達の間でなんとも評判の悪かった方が、20日に癌で他界した女性登山家、田部井淳子さん(77歳)であった。
何もなくなられた方を悪く言うつもりはないが、ニュースを見て自然に当時のことを思い出してしまった。
登山家、田部井淳子さん、77歳
ニュースによると、『田部井さんは山岳環境の保護団体の代表を務めるなど、環境保護の大切さを訴える活動にも取り組んできたほか、本の執筆やテレビ出演などを通じて山登りの魅力を伝え続け・・』たそうだ。
しかし、当時我々が目にした田部井さんは、数十人の高齢者登山客を率いて富士登山をするために富士宮口の五合目にいた。
高齢者の方たちは、みな素人の方たちのようで、それは服装や真新しい登山靴を見れば一目瞭然であった。私は疎かったのだが、当時一緒にいた同僚達の一人が、あれはエベレストに女性で初めて登頂した、田部井淳子だよ、と教えてくれたのだった。
次の日だったと思うが、富士登山を終えて下山してきた田部井さん一行は、五合目にある展望広場に集合して、田部井さんは一行に向かって何かを話していた。
その時、同僚がその話を横で聞いてきて、我々に教えてくれた。彼によると、田部井さん御一行は、どうも通販会社の顧客達のようで、田部井さんはその通販会社が企画した高齢者達の富士登山をガイドするとともに、その通販会社が扱う登山用具や登山ウエアの販売促進に一役買っているようだった。
盛んに通販で扱う登山用品購入を高齢者達に勧めていたようだった。
その後、御一行は現地解散となったようで、高齢者達はゾロゾロとシャトルバスの発着所の方に歩いていった。
そして、ガイドした田部井さんは、多分通販会社の女性だろうが、その女性について五合目登山口のすぐ近くに駐車してあった車に向かい、下山していったのだった。
その光景をぼんやりと眺めていた私は、「おやっ?」と思ったのだが、隣にいた同僚もそう感じたようで、「ガイドさんはお勤めを終えたら、お迎えの車でご帰宅なんね。」と呟いた。
別の同僚は、「以前、彼女と山小屋で一緒になったことがあり、みんなで彼女の話を聞いたことがあるけど、自慢話ばっかりだったよ。」と笑っていた。
以来、このことが先入観となって、私の彼女に対する印象は、あまりいいものではなくなっていた。
強靭な体力と精神力を持ち合わせていた女性登山家も、癌細胞にはかなわなかったようで、どうも病院のベッドで息を引き取られたようだ。
ともあれ、ご冥福をお祈りします。
何もなくなられた方を悪く言うつもりはないが、ニュースを見て自然に当時のことを思い出してしまった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/4d/304c70a995c62d2359a7eef597a7553f.jpg)
ニュースによると、『田部井さんは山岳環境の保護団体の代表を務めるなど、環境保護の大切さを訴える活動にも取り組んできたほか、本の執筆やテレビ出演などを通じて山登りの魅力を伝え続け・・』たそうだ。
しかし、当時我々が目にした田部井さんは、数十人の高齢者登山客を率いて富士登山をするために富士宮口の五合目にいた。
高齢者の方たちは、みな素人の方たちのようで、それは服装や真新しい登山靴を見れば一目瞭然であった。私は疎かったのだが、当時一緒にいた同僚達の一人が、あれはエベレストに女性で初めて登頂した、田部井淳子だよ、と教えてくれたのだった。
次の日だったと思うが、富士登山を終えて下山してきた田部井さん一行は、五合目にある展望広場に集合して、田部井さんは一行に向かって何かを話していた。
その時、同僚がその話を横で聞いてきて、我々に教えてくれた。彼によると、田部井さん御一行は、どうも通販会社の顧客達のようで、田部井さんはその通販会社が企画した高齢者達の富士登山をガイドするとともに、その通販会社が扱う登山用具や登山ウエアの販売促進に一役買っているようだった。
盛んに通販で扱う登山用品購入を高齢者達に勧めていたようだった。
その後、御一行は現地解散となったようで、高齢者達はゾロゾロとシャトルバスの発着所の方に歩いていった。
そして、ガイドした田部井さんは、多分通販会社の女性だろうが、その女性について五合目登山口のすぐ近くに駐車してあった車に向かい、下山していったのだった。
その光景をぼんやりと眺めていた私は、「おやっ?」と思ったのだが、隣にいた同僚もそう感じたようで、「ガイドさんはお勤めを終えたら、お迎えの車でご帰宅なんね。」と呟いた。
別の同僚は、「以前、彼女と山小屋で一緒になったことがあり、みんなで彼女の話を聞いたことがあるけど、自慢話ばっかりだったよ。」と笑っていた。
以来、このことが先入観となって、私の彼女に対する印象は、あまりいいものではなくなっていた。
強靭な体力と精神力を持ち合わせていた女性登山家も、癌細胞にはかなわなかったようで、どうも病院のベッドで息を引き取られたようだ。
ともあれ、ご冥福をお祈りします。