私はすぐに手が届くところに置いてある本が何冊かある。もう何度も読んだ本だが、それでも時々目にしたいので、わざと近くに積んである。その中の一冊が、渡辺京二著『逝きし世の面影』だ。幕末から明治にかけて来日した外国人の見聞記をまとめた本で、当時の日本の様子を彼らの目を通して知ることが出来る名著だ。私はこの本を、小学生高学年から中学生たち全員に是非読んで欲しいと思っている。
私はこの本を、小学生高学年から中学生たち全員に是非読んで欲しいと思っている。外交官や旅行家、兵士や通訳など、様々な職業の外国人たちが、日本のあちこちで見聞した事を書き残してあり、彼らの驚きや感動が素直な表現で伝わってくるばかりでなく、当時の地方に住んでいる日本人の生活や暮らしぶりが分かり、大変興味深くて最良の歴史の資料でもある。
ここに紹介されている外国人たちは、日本に着く前に、インドやマラッカや中国、フィリピンなどに立ち寄っていたはずで、その後に見た日本の様子を書き残していることを考えながら読み進めると、行間に漂う彼らの驚きや表現がまた違った味わいを見せてくれる。
当時の欧米の庶民の様子をもっと知り、それと併せて読むと、益々面白い感動を味わえるのではないかと思う。それというのも、あまりにもありきたりの些細な日常や田舎の情景にも、彼らのペンは大袈裟ではないかと思えるほど、細かいタッチでその様子を書き残しているからだ。
「ダーツの旅」という、日本地図に向って投げたダーツの矢が当たった所を訪れ、その町や村の様子をレポートするという、面白い番組がある。東京から車ではるばる来たと知った老人が、スタッフを自分の家に呼び込んでお茶を振舞ったりする、あの番組だ。
幕末の日本にも、同じような場面が出てくるのが面白い。ちょっとした親切に対して謝礼を渡そうとしても、頑なに辞退されて困ってしまう場面など、何の変哲も無いのだが、その場面を書き残すということは、日本以外の彼が訪れたところではそんなことを経験しなかったからであろう。
日ごろ、日本や日本人のことを悪口で罵るだけの、隣国の観光客たちは、実は日本を後にして自国に戻ると、たちまち日本がすばらしい国だったと、その違いを再認識し、日本ファンになってしまうらしい。電車に乗るときに整然と列を作って待つ日本人を見て、その光景を「美しかった」と表現する隣国の観光客が多いそうだ。
以前、テレビで新幹線の車内清掃をする女性たちをレポートしている外国のテレビスタッフたちを伝えていた。確かに整然と、短時間でテキパキと清掃する姿は、我々が見ても驚く光景だが、外国の人の目にはその何十倍もの感動が味わえるのだろう。
朝から、ユネスコの世界遺産の話題で盛り上がっているようだが、ユネスコのお墨付きなど無くても、日本中にネタはいくらでも転がっている。
私はこの本を、小学生高学年から中学生たち全員に是非読んで欲しいと思っている。外交官や旅行家、兵士や通訳など、様々な職業の外国人たちが、日本のあちこちで見聞した事を書き残してあり、彼らの驚きや感動が素直な表現で伝わってくるばかりでなく、当時の地方に住んでいる日本人の生活や暮らしぶりが分かり、大変興味深くて最良の歴史の資料でもある。
ここに紹介されている外国人たちは、日本に着く前に、インドやマラッカや中国、フィリピンなどに立ち寄っていたはずで、その後に見た日本の様子を書き残していることを考えながら読み進めると、行間に漂う彼らの驚きや表現がまた違った味わいを見せてくれる。
当時の欧米の庶民の様子をもっと知り、それと併せて読むと、益々面白い感動を味わえるのではないかと思う。それというのも、あまりにもありきたりの些細な日常や田舎の情景にも、彼らのペンは大袈裟ではないかと思えるほど、細かいタッチでその様子を書き残しているからだ。
「ダーツの旅」という、日本地図に向って投げたダーツの矢が当たった所を訪れ、その町や村の様子をレポートするという、面白い番組がある。東京から車ではるばる来たと知った老人が、スタッフを自分の家に呼び込んでお茶を振舞ったりする、あの番組だ。
幕末の日本にも、同じような場面が出てくるのが面白い。ちょっとした親切に対して謝礼を渡そうとしても、頑なに辞退されて困ってしまう場面など、何の変哲も無いのだが、その場面を書き残すということは、日本以外の彼が訪れたところではそんなことを経験しなかったからであろう。
日ごろ、日本や日本人のことを悪口で罵るだけの、隣国の観光客たちは、実は日本を後にして自国に戻ると、たちまち日本がすばらしい国だったと、その違いを再認識し、日本ファンになってしまうらしい。電車に乗るときに整然と列を作って待つ日本人を見て、その光景を「美しかった」と表現する隣国の観光客が多いそうだ。
以前、テレビで新幹線の車内清掃をする女性たちをレポートしている外国のテレビスタッフたちを伝えていた。確かに整然と、短時間でテキパキと清掃する姿は、我々が見ても驚く光景だが、外国の人の目にはその何十倍もの感動が味わえるのだろう。
朝から、ユネスコの世界遺産の話題で盛り上がっているようだが、ユネスコのお墨付きなど無くても、日本中にネタはいくらでも転がっている。