孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

美国とはアメリカのことですか・・フ~ン

2015年05月19日 | 日記
旅行の楽しみの一つは、お土産を買うことである。今回の台湾旅行では、特に何を買ってこようと決めた物は無かったが、ふと立ち寄ったCDショップで、衝動買いしてしまったDVDがある。最初は何を買うでもなく、ただ漠然とどんなDVDが売られているのか眺めていただけだったが、そのタイトルのほとんどが漢字なので、標記の仕方が興味深くて、ついつい長居してしまったのだった。

『蜘蛛人』というタイトルのDVDは、ちょっと考えて、『スパイダーマン』だと分かった。となると、その横の『鋼鉄人』は『アイアンマン』ということになるわけで、さらにその横にある『美国隊長』は、『キャプテンアメリカ』と言うわけだ。なるほど、この列はアメリカンコミックの作品の列だと納得した。

では、バットマンは『蝙蝠人』かと思って探したが見つからなくて、『BATMAN & ROBIN』というタイトルのDVDが一つだけ棚にあった。台湾語は発音とイントネーションが厄介だが、視覚的に意味が理解できるので、実に面白い。因みに駅のプラットホームのことを、「月台』と表記する。

昔からあった月見をするための縁側のような台のことを、その形状から鉄道のプラットホームに転用したそうだが、電車に載ると、ドアごとに必ず貼られているシールに、『小心月台間隙』と印刷されたものがある。「電車とホームの隙間に注意せよ」という意味で、「小心」とは英語で、Be careful with ~ という意味だろう。心を小さくしなさい、とは何とも面白い。細心の注意を払う、などとも言うから、ニュアンスは一発で分かった。

また、『譲座給老弱婦孺』と標記された席が出入口付近にある。ネットで調べると、『孺』という字はジュと読んで、「乳のみ子」のことだとわかった。下に併記された英文を読むまでも無く、要するに「老人や体が不自由なひと、妊婦や子連れの女性に席を譲りなさい、という意味だろう。こういう席は色が少し違っていて、『博愛座』という標記がされている。

私は、少しくらいなら立っている方が好きなので、ドア付近に立っていると、その博愛座に座っていた老女が降り際に私の袖を引っ張り、席が空いたから座れ、と勧めてくれた。冗談じゃない、そこまで老け込んではいないつもりだと強がったが、外見は完全に老人に見られているのかと、ガクンと落ち込んでしまった。

さて、DVDのタイトルだけを眺めていると、店員が入り口のシャッターを閉める準備を始めた。時計をみると、10時近かった。それに急かされた訳でもないが、私はお目当ての『KANO』という台湾の高校野球チームが甲子園大会で決勝まで勝ち進む映画のDVDを手に取り、ついでにその下にあった『永遠的0』も取って店員に渡したのだった。

『永遠的0』は、当然『永遠の0(ゼロ)』のことで、これは映画館で観たが、なかなかいい作品だったので、ついでに買った。これを「衝動的買物」というのだろうか。

迷惑千万、中国人観光客

2015年05月19日 | 日記
家を出発したのが先週の早朝で、帰宅したのが昨夜午前1時を回っていた。台北旅行は、想定外のこともあったが、天気には恵まれ、トラブルも無く実に充実したものだった。言葉で苦労するかと心配したが、まったくコミュニケーションで苦労することはなかった。大衆食堂に入ったときも、料理の名前の漢字から勝手に想像して、3品ほど注文し、跡はどんなものが出てくるかお楽しみ・・・といったもので、それはそれで楽しいものだった。

ガイドブックで盛んに勧める、小龍包とか、マンゴーのカキ氷とか、台湾スイーツなどは、はなからまったく興味が無かったので、食事はそこいらじゅうにあるコンビニのおむすびやサンドイッチ、屋台で売っている肉まんなどで済ませた。ただ、一つだけ、台湾名物のカエルの卵のような黒いツブツブの入った、タピオカミルクティーは、注文してみた。

なぜかと言えば、これは事前に台湾語を俄か勉強したとき、練習していたからである。まず、「Lサイズのミルクティーをひとつ。」と言って、次に砂糖の量、それから、氷の量を多目とか、少な目とか言わなければならないのである。私は、「半糖(バンタン)」「少氷(シャオピン)」と覚えていたので、その通り告げると、何ともスムーズに通じたのだった。

しかし、今回の旅で、一つだけ失望させられたことがあった。それは二日目に故宮博物院に行った時の事だった。夜市で有名な士林という駅まで地下鉄で行き、駅前のバス停で博物院行きのバスに乗り、荒っぽい運転に絶えながら15分ほどで到着する。着いてみて驚いた。博物院の広い玄関ホールは、行列を成した観光客で、文字通り立錐の余地がなかった。

添乗員らしき人が、それぞれの旗を高く持って先頭に立っていたので、いくつもの団体旅行のグループが入場の順番待ちをしているようだった。その数は少なく見積もっても1000人は下らなかったと思う。展示物は広い宮殿のような博物院の3フロアにあるので、恐らく全部で3~4,000人は来場していたと思う。

私は、個人観光客なので、入場券を買って、荷物を預け、展示説明の聞けるヘッドフォンを借りて、個人観光客用のゲートから入場した。入ってすぐの階段横に、看板が立っていた。見ると、『寧静場所  請軽聲細語 PLEASE KEEP YOUR VOICE LOW 』と書かれていた。英語を見るまでも無く、漢字を見ただけでその看板が言わんとすることは、瞬時に理解できた。

玄関ホールのあの喧騒は、中国本土からの団体ツアーの観光客に違いなかった。そう確信して周りを見渡すと、来ている格好が何とも野暮ったく、時代遅れのファッションのようで、やたらと原色を使った服を着ている人が多い。それより何より、話し声がやたらとでかい。五月蝿くて仕方ない。老いも若きも、男も女も、ギャアギャア喚き散らすように話すのは、一体なぜなのかと思う。

館内には、いたるところに撮影禁止という看板を手にした職員たちが、立っている。これも、恐らく中国人たちがルールを無視して写真を撮ることが多かったためであろう。人気の展示物のところは30m以上もの行列が廊下にまで繋がっていた。そうでなくとも、展示物のそこかしこで、中国人の添乗員らしき人が、観光客に大声で展示物の講釈をしていて、人の流れを乱している。

廊下に置かれた休憩用のベンチで休んでいると、子供がぐずりだして、それを父親が、廊下に響き渡る大声で叱りつけ、よせばいいのに母親までそれに輪をかけた大声で、怒鳴り散らした。私は見ていられなくてすぐにその場を離れたが、中国人観光客のマナーの悪さは、予想をはるかに凌ぐものだった。

聞けば、こういう現象は数年前から始っていて、彼らのマナーの悪さを注意した台湾人が、逆上した彼らに袋叩きにあって大怪我をさせられた事件も起きたそうだ。道を歩けば、平気で唾を吐く、痰を吐く。タバコの吸殻は平気で捨てるので、歩道の樹木の下はたちまち吸殻だらけになるそうだ。

この間の旧正月の「爆買いツアー」でも、東京のデパートの洗面所の手洗い場で、子供に小便をさせたり、銀座の路上で子供に立小便をさせていた中国人たちの目撃談を何かで読んだことがあった。まだ中国人の個人旅行は制限されているようだが、これが解禁されると、いわゆるバックパッカー向けの安宿などは、中国人観光客に占領されてしまうことは火を見るより明らかであろう。

そうなったら、台湾でなくとも旅行する気にはまったくならない。実際、中国人団体の数が増えるに連れて、日本人観光客の数は減少しているという。地元の飛行場にも中国の航空会社の便が新設されると、県知事が馬鹿喜びしていたが、土産物業者や旅館関係者の皆さんは、金儲けのことばかり考えず、周りで迷惑だと感じている同胞のことも少しは考慮して欲しいものだ。