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開田地区田んぼの生き物調査2010 (伊勢崎市境上武士・下武士)

2010年07月25日 21時28分42秒 | 「里やま」を考える
今日は伊勢崎市の開田地区で行われた「田んぼの生き物調査」にスタッフとして参加。


ここでは現在土地改良事業が進行中です。土地改良事業というと、これまでは米の生産効率を最優先させ、生き物側からの視点で見ると、田んぼや水路、ため池を“改悪”し、田園地帯の生物多様性を喪失させた“元凶”とイメージでしたが、開田地区では、用水路を昔ながらの土水路にするなど、生き物に配慮した“エコな”土地改良事業が行われています。

土水路

懐かしい感じがしますね。

水路と田んぼの間を魚たちが行き来しやすい状態になっています。


田んぼの中に入っていたタモロコの稚魚

用水がパイプラインで引かれ、排水路との落差が大きい“近代的な”水田では見られない光景です。

地元の子供たちが、土水路で生き物さがし


みんな、とっても楽しそうでした (^^)


ナマズ




ボク、ハイイロゲンゴロウです


コガムシ

ゲンゴロウの仲間に似ていますが、泳ぎは下手 (^^;)

コガムシの幼虫


ヌマガエル



元々、本州中部以西に生息していたカエルですが、1990年代に関東地方でも確認されました。非意図的に持ち込まれた可能性が高いとされています。

この地区で行われている環境配慮型の土地改良事業はすばらしいと思いますが、まだいくつかの問題点もあります。その一つが、稲作が行われていない時期には水路の水がなくなってしまうこと。年間を通じて水路に水が流され、冬期も湛水されている田んぼがあれば、もっともっと色々な生き物が見られるようになるはずです。

1999年に環境との調和を掲げた「食料・農業・農村基本法」が制定されたのを受け、2001年に「土地改良法」が改正され、土地改良事業の原則に「環境との調和への配慮」が加わりました。
過去に行われた“近代的な”土地改良事業によって失われた田園の豊かな自然を回復させるような土地改良事業が行われることを期待しています。

土地改良法第1条第2項
【土地改良事業の施行に当たっては、その事業は、環境との調和に配慮しつつ、国土資源の総合的な開発及び保全に資するとともに国民経済の発展に適合するものでなければならない。】


ところで、多様な生物が生息しているにもかかわらず、絶滅に瀕した種も多い地域を「生物多様性ホットスポット」と呼んでいます。
自然生態系の保全活動などを行っている国際的な自然保護団体「コンサベーション・インターナショナル(CI)」は、世界中で34カ所のホットスポットを選定していますが、日本列島もその中に含まれています。
そして、日本の中でも現在、特に絶滅危惧種が多いのは、いわゆる「里やま(里地・里山)」と呼ばれる身近な場所です。つまり、田園を中心とした「里やま」は、ホットスポット中のホットスポットとも言えるでしょう。
里やまの自然は、人間の農の営みの結果として創り出された半自然です。社会が変化した現代、昔のままの手法で「里やま」を維持することは大変難しい状況にあります。
これから、どうやってホットスポットである「里やま」を保全していくのか? 知恵の使いどころですね。


                                        

おまけ
今日の夕方、虹が見えました

前橋は今日も暑かったですが、最高気温は34.9℃。ギリギリで猛暑日にはならず。連続猛暑日は6日でストップ。


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2 コメント

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Unknown (かおぱん)
2010-07-26 20:50:49
あら!近くにいらっしゃったのですね!
一声かけてくだされば・・(笑)

子供の頃の夏休みは、田んぼが遊び場でした。
なので、このテの生き物ならオッカナクありません。
里やまの自然は、人間の農の営みの結果として創り出された半自然・・
これから、どうなっていくのでしょう・・・。
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かおぱんさんへ (こにタン)
2010-07-26 21:03:45
私は、カエルがおっかなくて、おっかなくて・・・
でもね、最近、田んぼの生き物をよく観察するようになったので、
アマガエルくらいなら、指先でつつけるようになりました(^^;)

人間の暮らしと深い関係のある里やまの自然を保全することは
手つかずの原生の自然を保存することの何倍も難しいんです。
でも、なんとかしなければね!
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