フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

虹のフランクフルト

2012-07-14 | ドイツ旅行

朝起きてみると、昨夜からの雨が上がって、フランクフルトの空にうっすらと虹がかかっていた。

今日はいい天気になりそうだ。急ぐことはないので朝食レストランへはゆっくりといく。このホテルの朝食は、残念ながらあまりおいしいとは言えない。どうも、パンとハムの味がいまいちなのだ。

朝食のあとは、マイン川の北岸に沿って大聖堂を目指す。マイン川の両側にはすばらしい歩道が続いている。このころになると空が曇ってきた。

レーマー広場に着くと、丁度結婚式が行われていた。

新郎新婦の二人で白い布をハート型に切り抜いた後、参会者と、乾杯をあげていた。

そこから東に進むと大聖堂だ。神聖ローマ皇帝の戴冠式が行われた大聖堂はゴシック風の建築で高さは95メートル、1415年に建設が始まり、完成したのは1877年だ。
内部は荘厳さに包まれている。

壁のいたるところに、聖書にまつわる彫り物が掲げられている。ステンドグラスが美しい。

丁度パイプオルガンが演奏されていて、教会の中は厳かな響きが満ちていた。

教会を出てレーマー広場のいろん店を覗く。ちょっと覗いては、面白いものを少しずつ買っていく。その後、ツァイルへ続く道を北へ歩く。昼食は、トマトのスープ、大きくてどっしりとしたポテトの丸焼きとサラダを食べる。ポテトがホクホクで美味しい。トマトスープはドロッとしてコクがあった。

食後そのまま行くと、歩行者天国の大通りツァイルについた。土曜日の午後ということもあり、人通りがすごい。

ケーナの演奏をしているグループがいた。

繁華街の中心はハウプトヴファッヘだ。市電通りに戻ると、フランクフルト名物リンゴ酒を飲みながら市内を周遊する「リンゴ酒電車」が走っていた。

私たちも乗ろうと思って、フランクフルト中央駅前で待っていると、今日の運行は終了しましたと駅員さんに教えられた。

そうなるとどうしてもリンゴ酒が味わいたくなった。今夜の夕食はリンゴ酒(アプフェル・ヴァイン)を飲ませてくれるレストランへ行こう。
マイン川の南岸はザクセンハウゼンというところで、北岸の高層建築が見渡せる。

ザクセン・ハウゼンは下町とはいえ落ち着いた雰囲気の町並みだ。そこに、アプフェル・ヴァインで有名な、「アドルフ・ヴァーグナー」という店があるので、そこを訪ねた。


5時過ぎに入ると、既に店内はほぼ満員で、そこらじゅうのテーブルでで盛りあがっている。席はほとんど予約で埋まっていたので、何とかならないか、ウエイター長に言うと、7時までならOKですと席を空けてくれた。

早速アプフェル・ヴァインを飲もう。薄いリンゴの味がした実に軽い飲み物だ。悪く言えば水のようだとも言えるが、口当たりはいい。

料理は、ドイツ風ハンバークステーキ(hacksteak)と

フランクフルター・リップヒェンという豚のあばら肉の塩漬けにマッシュポテトとザワークラウト(キャベツの塩漬けで発酵してすっぱい味がする)を添えたものを注文した。


リンゴ酒はベンベルという専用の大きなピッチャーから注がれる。ベンベルは店の壁の上にぎっしりと飾られていた。

ハンバークステーキに添えられたポテトと玉ねぎの炒め物が、何とも言えないおいしさだった。フランクフルター・リップヒェンは、豚肉そのものの味で食べる淡白な料理で、味はいまひとつだが、ボリュームはすごく、食べ切れなかった。

店を出ると、マイン川の向こうに大聖堂がどっしりと聳え立っていた。今日で、今回のドイツ旅行はほぼ終えることになる。明日は、いよいよフランクフルト空港から日本へ帰国する日だ。

 


フランクフルトへ

2012-07-13 | ドイツ旅行

今朝のザルツブルクは、かなり強い雨が降っている。やはり昨日は、ましなてんきだったのだろう。いよいよ今回のドイツ旅行も終わりが近づいてきた。今日はフランクフルトへ戻らねばならない
旅行かばんに荷物を詰め込むのが厄介だ。旅の先々で思い出の品物を買っている間に大分荷物が膨らんでしまった。それでも、なんとか詰め込むことができた。
朝食はたっぷりと食べておこう。チェックアウトをすると、「ザルツブルク滞在税」というのを支払わねばならなかった。ひとり1.1ユーロ、4日間で8.8ユーロになる。まだ雨が降っているのでタクシーで中央駅まで行こう。ホテルで呼んでもらうとすぐにやってきた。一人目は、運転手の右側に座るのだが、それを忘れて、後ろの座席に座ってしまった。駅までの料金は10ユーロ。
長旅になるので昼食用のサンドイッチを買いに、駅中スーパー「SPAR」に入る。ここのサンドイッチはパンもハムも実においしい。

電光掲示板を見ると、9時2分発ミュンヒェン行きRJ260の乗車ホームは2DFだ。2番線のDからFの間に止まる、ということのようだ。

程なく列車がやってきた。

列車は空いていたので、「予約席」と表示のある4人席に座ろう。「予約席」であってもmay beで、必ず予約されているとは限らないからだ。この席は折りたたみのデスクがあるので、飲み物を置いたり、ノートを使ったりするのが便利だ。

駅を出ると、4日間見慣れたザルザッハ川の鉄橋を渡った。モーツァルト橋を渡った思い出深い川だ。折からの雨で濁流の流れが速い。

懐かしいミュンヒェンには10時50分に到着した。自転車で列車に乗り込んで旅をする人が多い。

ここでフランクフルト行きICE720に乗り換える。23番ホームだ。

この列車は1等車の乗客には飲食物の注文を聞きに来る。昼前になったのでコーヒーとアールグレイの紅茶を注文して、サンドイッチを食べる。

フランクフルトには、14時過ぎに着いた。この駅の勝手はわかっているので歩きやすい。ホテルは駅の南側すぐ近くなので便利だ。チェックインして荷物を部屋に置いて、早速フランクフルトの街を歩こう。前回は、ライン船下りに行ったので、フランクフルトの街中はまったく行かなかったからだ。

まずは、ゲーテハウスに行こう。市電11番に乗ってヴィリー・ブラント・プラーツで降りる。そこから公園を歩くとシラーの像が建っている。

真っ直ぐ行くとタウヌスアンラーゲ駅だが、右へ回ってゲーテ広場に出てきた。

ゲーテハウスはそこからすぐだった。1749年に生まれたゲーテが26歳まで過ごしたところだ。

4階建ての建物を順次見学する。たまたま神戸から来たというご夫婦に出会った。お二人はこれから2週間ほどドイツを旅行するとのことだった。調理室には銅製の鍋が沢山置かれていた。どう使うのか井戸から水を汲み上げる装置もある。

父親の書斎には巨大な本がびっしりと並んでいた。

現在でも正確に時を刻んでいる掛け時が掛かっていた。一通り見て回ったあと、庭に出る。柏葉アジサイが美しく咲いていた。イチジクの実が膨らんできていた。

ゲーテハウスをを出てから、レーマー広場を目指す。あたりは工事中で、かなりうるさい。レーマー広場の手前で中華料理のレストランがあったので、食べたくなって入った。

麻婆茄子を注文すると、どんぶり一杯のご飯がついてきたので驚いてしまった。この麻婆茄子は四川風で実に美味しい。ご飯はいまひとつだが、それでもご飯はご飯だ。付いているご飯のことをウエイトレスに聞くと、no payとのことだ。そんなことを知らなかったので、合わせて焼き飯を頼んだのが失敗で、満腹になってしまった。

レーマー広場へ行くと、木組みの家が並んでいたが、どうも真新しく作られたようだ。ニコライ教会も、「ペンキ塗りたて」のような感じ。これはどいうことなのだろうか。広場の中を縁取って、レストランのテーブルが並んでいる。土産物屋さんも多いが、これといったものがない。ぶらぶら歩いていると午後7時半過ぎになった。今日はこれくらいにしておこう。


ザルツカンマーグートへ

2012-07-12 | ドイツ旅行

朝起きると、ザルツブルクの空は曇っている。天気予報をチェックすると今日は曇り時々雨になっている。向こう1週間も日本の梅雨のような天気が続いていて、今日はまだましのようなのでザルツカンマーグートへ行こう。
ザルツブルク駅発9時15分の150番のバスに乗ってザンクト・ギルゲンへ向かう。

10時過ぎザンクト・ギルゲンに着いた。ザルツカンマーグートの基点の村だ。この村にはモーツァルトの母親の生家があり、駅からはツヴェルファーホルフ山へロープウェーが通っている。

私たちは、そこから湖岸へ向けて歩く。10分ほど歩くと船乗り場に着いた。

船と登山鉄道のチケットを買う。

湖岸から遊覧船に乗る。

やはり湖の上をはしる船の上は風が冷たく乗客はいっせいにジャケット着込んだ。湖の周辺は別荘やホテルが美しい。

程なくザンクト・ヴォルフガングに着いた。

 

ここからは、シャーフベルク山へ登山鉄道が通っていて、船着き場からすぐだった。

 

可愛い登山鉄道は、蒸気機関車が反対向きに連結されている。

先頭車両に乗車しよう。お子様連れや家族連れが多い。

ぐんぐん高度を上げていくと、アルプスの光景が広がってきた。

途中で下りの列車とすれ違うのを待つ。

30分ほどで頂上駅に到着した。

目の前に高く見えている頂上のホテルを目指して登ろう。きつい登りだ。

 吐く息が白く、かなり寒い。登山道には高山植物が美しく咲き誇っていた。

湖や山々の眺めは息を呑むようにすばらしい。

程なくシャーフベルク山頂上に到着。風がものすごく吹いている。頂上の反対側は、垂直の絶壁になっていて、目の眩むような迫力だ。


道の脇に、エーデルワイスによく似た花が咲いていた。

頂上で風景を楽しんだ後、ホテルのレストランに入る。昼時だったのと寒いのとでお客さんで一杯だ。あまり時間がないので簡単にできるソーセージ盛り合せとパスタを注文。まずはビールでザルツカンマーグートに来たことを祝おう。

レストランの窓からの眺めもすばらしい。

もう少しゆっくりしていたかったが、下りの列車は予約制なので、それに間に合うように下山する。

下ってくると、湖が近づいてきた。

ザンクト・ヴォルフガングからは546番のバスでシュトローベルまで行き、そこで150番のバスに乗り換える。バス停で東京から来ている二人連れの女性に出会った。二人はバスを乗り間違えたと困っていた。電光掲示板をよく見ると、二人が行きたい方面のバスが丁度やってくるのが分かったので、それを教える。お二人は、大変喜んでバスの中から大きく手を振ってくれた。


帰りのバスからは遠くシャーフベルク山が見えた。もう一度、来れるだろうか。ザルツブルクに帰ってきたのは午後4時過ぎだった。


雨のザルツブルク

2012-07-11 | ドイツ旅行

今朝のザルツブルクは雨になった。昨夜は遅くなったので、朝食を食べにゆっくりとレストランにいく。それでも私たちが最初だった。



このホテルの朝食は、残念ながらいまひとつだ。ドイツに来てしばらく経つので、パンやハムの味に舌が肥えてきたのかな。






朝食を食べ終えて、しばらく部屋でくつろぐ。程なく雨が止んだので出かけることにしよう。今日は、ザルツァッハ川を渡り、新市街を訪ねることにする。

モーツァルト橋を渡っる。その下は濁流がかなりの勢いで流れていた。



対岸からの旧市街の眺めもすばらしい。


マカート広場にあるモーツァルトが青年時代を送った家を見学する。



こちらは、さまざま資料が置かれていて、それについての説明オーディオ(日本語用)があったので助かる。各資料ごとに、その当時のモーツァルトの曲の一部が聴こえてきて、なかなかいい感じだった。建物の前は現在、工事中で歩くのが大変だ。



その後、サウンドオブミュージックの映画で使われた、ミラベル宮殿を訪ねる。幾何学的にかたちどった模様のグリーンの中に、さまざまな花が植えられている。



このころからまた雨が降り出してきた。たれこむ雨雲のため、公園の景色がやや重くなってしまったが、美しいことには変わりは無い。



ミラベル宮殿の中は、一部開放されている。バロック洋式の大理石の間は、今でも世界中の人が結婚式で使っているという。



昼食は、昨日発見した日本食レストラン「長野」に入る。



昨日の大聖堂の方が言った「ナガノ」と関係がありそうな気がするが、どうだろうか。幕の内弁当と和食弁当を注文した。握り三かんと白ご飯に白身魚の甘酢あんかけがついていた。わさびを利かせた細巻きを食べると、やはり和食が美味しい!



昼食後、ザルツブルク中央駅のインフォメーション行へき、ザルツカンマーグートへの行き方、時刻表などを教えていただいた。
今日はその後も降ったり止んだりの天気になった。夕食は、アラビア人の人が多い、レストランに入って、パエリアを食べる。どうもお米を食べたくなってきたようだ。


要塞、大聖堂、ディナーの夕べ

2012-07-10 | ドイツ旅行

今日は、いい天気になった。ザルツブルク旧市街を堪能しよう。まずはホテルで「ザルツブルクカード」を買う。この券を持っていると交通機関は乗り放題、ミュージーアムもだいたい無料になるというお得なカードだ。
まずは、市内を見下ろすホーエンザルツブルク要塞に登ろう。大聖堂の近くからケーブルがある。もちろん無料だ。




要塞の上は、すばらしい景観が広がっている。



八ヶ岳に似たような山並みだ。



昔の大砲がすえられている。



暑くなってきたので、すばらしい景色を堪能しながら冷たいもので喉を潤そう。




城塞から降りると、ザルツブルク大聖堂に行く。丁度、アマチュアの合唱団が奉納ということであろうか、すばらしい歌声が響いていた。




大聖堂の中は、目を瞠るほどの美しさである。



モーツァルトが洗礼を受けた洗礼盤があった。



出口で、寄付金を集めていた。というより、寄付金を払わねば外に出られないようになっている。受付の人は、「ありがとうございます。ナガノから来られたのですか」と日本語でお礼を言ってくれた。それにしても何故「ナガノ」なのであろうか。大聖堂を出るとロシアから来たメンバーなのであろうか、ベースのバラライカはどしんと響いてく。



中庭の小さな公園でランチのサンドイッチを食べている側に、女の子とお母さんがいたので、記念に折鶴をプレゼントした。



モーツァルト広場を通って、モーツァルトの生家を訪ねる。絶えることのない観光客が歩いているゲトライデ通りに沿って建物があった。27のピアノ協奏曲のほとんどが作曲されたハンマー・クラヴィーアが保存されていた。




今日の夕食は、モーツアルトの演奏を聞きながらのディナーだ。



「ドン・ジョヴァンニ」「フィガロの結婚」「魔笛」に出てくる有名なアリアをたっぷり聴かせてくれる。



オペラが変わると料理や飲み物が運ばれてくるという流れになっていた。




たまたま同席した方たちと親しくなった。一組の方はウェールズから来られたご夫婦。もう一組は、現在ザルツブルクでピアノの集中レッスンを受けているという、ブラジルから来られている3人の方々だ。




記念写真を撮ったり、メールアアドレスを交換しているうちに、私たちが一番最後になってしまった。



レストランを出ると、真っ暗な闇の中に城塞が美しく浮かび上がっていた。