フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

「きいてけし室内楽コンサートVol.7」を愉しむ

2013-09-29 | フルート

 今日の昼からは、長坂コミュニティホールである「きいてけし室内楽コンサートVol.7」を聴きに行った。「きいてけし」も回を重ねて、7回目を迎える。今回は、多彩な声楽家が集いオペラ・アリアの名曲を聴かせてくれるという意欲的なプログラムだ。

コンサートはオペラ「ドンジョヴァンニ」の序曲から始まった。「きいてけし室内合奏団」の演奏は今回初めて聴いたが、少人数ながら、各パートが揃っていて、なかなかの響きだった。

「ああ神様 父が死んだ」のソプラノ上出朝子さんは力のあるドンナ・アンナだった。田山夢人さんは声量があるのでこれからが期待される。

「フィガロの結婚」から、ソプラノ二重唱「奥様お先にどうぞ」(菊原千草さん、前原加奈さん)は聴きごたえがあった。特に前原さんのスザンナの演技がよかった。

森茂郎さんの「魔笛」のアリア「私は鳥刺し」、よく歌いこまれた歌唱と、パパゲーノの演技がよかった。「スザンナ出ておいで」では、森さん、菊原さん、西尾さんの三重唱。臨場感と面白さがあふれる歌唱だった。

休憩後の「聴いてけし室内合奏団」のベートーヴェン序曲「レオノーレ第3番」は、トランペットの響きがいい、数は少ないがヴァイオリンの力のこもった演奏には見ていても、感動させられる。フルートをタクトに持ち替えた鈴木さんは楽団員の力を引き出したといえる。

大澤歩土さんのビゼー・「カルメン」よりドン・ホセのアリア「花の歌」は、伸びのあるテノールで朗々たる歌唱だった。菊原さんのプッチーニ・「ボエーム」のミミ、「あなたは愛の叫ぶ声に」は透き通った声がミミの悲しい境遇を飾らずに歌い上げた。


大澤さんの、ドニゼッティー「連隊の娘」より「ああ、友よ!なんと素晴らしい日」は、前回、清里の森ホールで聴いた時よりも格段に声の伸びがよく、ハイCも決まり、落ち着いた歌いぶりだった。

前原さんのドニゼッティー「ランメルモールのルチア」から「狂乱の場」は、声はいいが、少し落ちつぎすぎていて「狂乱」という感じがしなかったのが残念だ。まぁ突然に「狂乱」にはなれないということであろう。

最後は、出演者全員でヴェルディ「椿姫」から「乾杯の歌」。なんといっても楽しく、全員で歌い演奏したので、大いに盛り上がった。生演奏のよさが実感できる演奏だった。