功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/鬼脚』

2007-11-04 23:59:07 | 元彪(ユン・ピョウ)
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/鬼脚」
原題:黄飛鴻之鬼脚七/鬼脚七之無影脚
英題:Kick Boxer
製作:1993年

▼かつて私は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱』という作品に大きな衝撃を受けました。『天地大乱』を見たことで功夫映画に心酔し、のちに数多くの作品と出会う切欠ともなり、そしてこのブログを開設することにもなった遠因にもなったのです。今もこうして功夫映画迷である私の原点は、『天地大乱』だといっても過言ではありません。
しかし、『天地大乱』を見た当時の私はすぐに功夫映画にハマったわけではなく、あくまでワイヤーアクション活劇である『ワンチャイ』シリーズしか目に入りませんでした。本作はその『ワンチャイ』というタイトルに釣られて見た亜流作品で、本家のようにワイヤーでピュンピュン飛び回るような作品ではなかったため、ずいぶんとガッカリした思い出があります(苦笑
実際、作品自体も中途半端に『ワンチャイ』シリーズを意識していて、あまり質の良いものとは言えません。しかし主演は七小福のユンピョウですから、単なる凡作になっていないのもまた事実。同じ京劇学校の同窓生である、元華(ユン・ワー)がラスボスに扮している点もポイントです。

■鬼脚七(ユンピョウ)は黄飛鴻に弟子入りをしようと寶芝林に訪れるが、悪友である太保(タイ・ポー)のせいで大麻密輸の片棒を担がされてしまう。一時は役人の任世官に捕まり、証拠不十分で釈放された後も町人からは色眼鏡で見られる始末。ふてくされるユンピョウだったが、そんな彼に任世官が救いの手を伸ばした。
実は太保のバックには大悪党・元華が潜んでおり、任世官はユンピョウに「元華の手下になるふりをして内部を探ってくれ」と依頼。正義のためにユンピョウはこれを快諾し、寶芝林から破門されてもなお敵に接近しようとした。そして任世官は仲間を引き連れて元華のアジトに突入するが、奮戦むなしく殺されてしまう。
元彪の元に残されたのは任世官の形見である鉄の靴だけ…ユンピョウは元華を倒して任世官の仇を討つべく、再びアジトへ乗り込む!

▲ストーリーはお約束な展開が続き、最後まであまりパッとしないままダラダラと続いてしまいますが、高度なアクションシーンでギリギリ佳作として成立している作品です。
まず本作で意外なのは、本家『ワンチャイ』シリーズで何度も悪役に扮してきた任世官が善役であるという点でしょう。『天地黎明』では移りゆく時の流れに翻弄される拳士を演じ、続く『外伝/アイアンモンキー』では甄子丹(ドニー・イェン)を相手に壮絶な立ち回りを演じた彼が、本作では正義の役人を演じるのだから驚きです(笑
そしてもう1人、羅鋭(アレクサンダー・ルー)のニンジャ映画で名を馳せた台湾のテコンドー使い・常山の参戦も要注目です。本作ではユンピョウVS常山の足技合戦、任世官VS元華の悪役俳優対決というドリームマッチが2つも実現しており、これらの戦いが実現しただけでも本作には意義があったと思います。
でも、他の作品で何度も闘っているユンピョウVS元華がラストバトルというのは、さすがに食傷気味だったかなぁ…。

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