指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

父が体験した関東大震災

2022年09月02日 | 事件

昨日、9月1日は、99年前の1923年に関東大震災が起きた日である。
この日、私の父は、22歳で大田区の蒲田新宿小学校の教師だった。

このの卒業生には、女優の髙峰秀子がいる。

以前、私は次のように書いた。


父も、「横浜から朝鮮人が攻めてくるぞ・・・」との噂で、町内会の人と共に、様々に武装して多摩川まで行ったそうだ。そして、恐る恐る首を上げて、土手の向こうを見ると、誰もいなかったとのこと。
それは当然で、朝鮮人が反乱を起こすなどなかったからだ。逆に、横浜では「東京から朝鮮人が攻めてくる」と噂されていた。
では、なぜこのようなデマが流布されたのか。当時は、テレビはおろかラジオもなく、新聞も社屋が壊れたのできちんと発行できなかったからだ。その中で、普段何らかの形で「差別と偏見」におかれていた朝鮮人等が、この際に反撃してくるのではないかとの恐怖心があった。一部には、警察や軍隊が、こうしたデマを流布させたという説もある。たしかに、当時は電話も、官公庁、企業、富豪等にしかなかったので、そうした通信をした者は誰かという疑問は当然にある。

さて、以前日本テレビの番組で、徳川夢声も、

「ただいま、隣町で朝鮮人と交戦中・・・」などと町内の人間が本気で言っていたと話していた。
また、演出家の千田是也は、当日千駄が谷付近で、自警団に尋問を受け、彼は本来吃音だったので、「こいつは日本人ではない!」と言われ、教育勅語と歴代天皇を言ってなんとか暴行を逃れた。

この体験を記憶するために、「せんだがやのコリア」として千田是也にしたのは有名である。彼の本名は、伊藤國男で、舞台と映画の美術家の伊藤喜朔、アメリカでも活躍し、日本では戦後テレビ初期でも活躍したダンサーの伊藤道郎との兄弟であり、この伊藤道郎の息子が俳優のジェリー伊藤である。

                                                             

小池百合子都知事は、朝鮮人等への虐殺を否定しているようだが、非常におかしいと思う。
今日でも、日本第一党のように「ヘイト・スピーチ」をしている者もいるのだから、朝鮮人への虐殺はあったと思うのが普通だと思う。

 

つまり、ヘイトスピーチのようなことをする連中がいるのだから、虐殺はあったと思うのだ、非常に残念ながら。

それが、未だ現実である。

工藤美代子の本も読んだことがあるが、彼女の近衛文麿についての本と同じで、歴史的検証には値いしない著作だと私は思う。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。