指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

「ジャムスは寒かったからな・・・」

2021年02月20日 | その他
先日の佐藤先生のお話のなかで、中国東北部の地図が配られたが、そこにジャムスがあった。
ハルピンからはるかに先で、東北にある。
ここは、周囲の農作物の集積地だったが、またソ連への防御の拠点だったようだ。

          
「ジャムスは寒かったからな」は、小津安二郎映画で、一番評価の低い作品の『東京暮色』で、主人公山田五十鈴の夫で、五反田で麻雀屋の亭主をやっている  中村伸郎の台詞である。
夫の笠智衆、娘の原節子、有馬稲子を捨てて、若い男と駆け落ちした山田五十鈴は、中国のどこかで中村と知合い、帰国して五反田で麻雀屋をやっているが、もう一度と思っている。
そして、知人の紹介で北海道の室蘭に行く。
まるで地の果てに行くような悲壮な感じで上野から北海道に行く。
そして言う、「一人より二人なら寒くないや」
戦車で、一度人生を失った男女の言葉である。

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