指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

無縁社会の意味

2010年10月10日 | 政治
近年、生別不明高齢者の問題等から、大都市において「無縁社会」が言われ、世も末だとされている。
だが、これこそ近代の日本で、知識jんたちが求めて来たものである。

英国への留学で夏目漱石がロンドンで感じ、ノイローゼになった英国社会の冷たさ、個人主義の冷徹さ、それが近代の市民社会というものであり、それを耐えるのが自立した個人と言うものである。
丸山真男や大塚久雄らが、いつも嘆いていた「日本はまだ近代化されていない」と言うものは、まさに今実現されている。
だが、その代わりに無縁社会を迎え、この孤独に耐えるのが、近代市民社会というものなのである。