猫じじいのブログ

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核は地上戦の抑止力になっていない、核共有に反対する

2022-03-03 22:15:10 | ロシアのウクライナ軍事侵攻

元首相の安倍晋三は、ウクライナへの軍事侵攻を機に、核共有(nuclear sharing)を唱えている。橋下徹も同じ主張をしている。維新の会でも議論があり、松井一郎代表が、「ニュークリア・シェアリング(核共有)」の議論を政府に求める提言を、林芳正外相あてに提出した。

首相の岸田文雄ではなく、外相の林芳正あてであることは、後ろで安倍晋三が働きかけていることが明らかだ。

きょうの朝日新聞によれば

《 2日の〔維新の会の〕役員会で確認した当初の提言案には「非核三原則の見直し」も議論すべきだとの文言が盛り込まれていた。しかし、被爆者団体などから批判の声が上がったことを受け、同日夜、幹部が協議し削除した。「核を持たない国は核保有国による侵略のリスクが高い」という文言も削った。》

私は核共有に反対である。

現実の歴史では、核は戦争の抑止力になっていない。戦後77年間、ずっと地上戦があった。ロシアだけでなく、アメリカも戦争をしてきた。これまで、表だって、ロシアとアメリカとが直接戦争することはなかった。私が若いときは、これらの地上戦を代理戦争と呼んでいた。

核はロシアとアメリカとの直接対決を防いだだけである。

しかし、今後、核の使用が起きるかもしれない。核を使わないで、地上戦争を続けることを非効率と考える権力者がつぎつぎと現れる可能性がある。人が死ぬことに鈍感になってる。

安倍晋三は核共有というが、本当に「核共有」なんてありえるのか。爆弾というものは、意識的に爆発させないかぎり、爆発しない。なぜなら、爆弾を安全に保管するために、衝撃ぐらいで自然に爆発しないようになっている。意識的に爆発させることを起爆といっている。核爆弾はターゲットの頭上で爆発させたとき、威力が最大になる。そして、起爆装置は暗号のキーでロックされている。それがなければ、核爆弾を奪って恐喝する人がでてくる。

誰が、暗号のキーを所有しているのか。兵器の「共有」ということは、ありえない。じっさいには、核共有といっても、アメリカの核やロシアの核を他国に実戦配備するだけになる。核の共有はアメリカやロシアが他国への核の持ち込むにすぎない。

岸田文雄が核共有を否定したことを私は支持する。核の持ち込みは、日本がアメリカの核戦争の意思を支持したことになる。核戦争の緊張を高めるだけである。日本が核戦争のターゲットになるだけである。

私は、核がいずれ使われるかもしれないと考える。核をもっているだけでは、張り子の虎である。使いたいと思う権力者があらわれる。なぜなら、核戦争が起きても人類全員が死ぬわけではない。人が、1億人や10億人ぐらい、死んでもかまわないと思う人間が権力者になるかもしれない。じっさい、地上戦で、10万人や100万に死んでもかまわないと思う人間が、日本やアメリカやロシアの指導者になってきた。

幸いなことに、いまのところ、バイデン大統領はまともであるが、政治指導者みんながまともなわけではない。

核爆弾はアメリカもロシアも約6000発保有している。そのうち、実戦配備されているのは、それぞれ2000発はない。実戦配備されているとは、いつでも敵地に発射できる核弾道ミサイルをいう。核戦争が突発しても、発射されるのは合計で4000発弱しかない。そして、その半数は途中で撃ち落とされるだろう。

そんなわけで、自分は死ぬことがないと思う権力者があらわれる可能性がある。

政治指導者は人が死ぬことに痛みを感じる人であらねばならない。核があれば地上戦を防げるなどいう人はウソつきである。



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