猫じじいのブログ

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信教の自由を盾に統一教会との関係を居直る自民党議員

2022-08-03 22:53:25 | 宗教

自民党議員が「統一教会」との関係を問われると、やたらと「信教の自由」を盾に、関係をもっていけないという確定判例がない限り、悪くない、と居直るケースが、いま、多く見られる。あまりにもそれがひどいので、ここでは、「信教の自由」について私の考えを述べる。

日本国憲法 第20条 「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
○2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
○3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

憲法では、明らかに「信教の自由」は国家権力との関係において規定されている。自民党は政権与党であるから、政治上の権力を行使できる立場にあり、特定の宗教団体との関係には自己抑制が求められる。居直るより、「信教」とは何か、「宗教」とは何かについてまじめに考えるべきである。宗教団体を、利用できる組織という考えはやめてほしい。

「信教の自由」とは「信仰の自由」「宗教的行為の自由」「宗教上の結社の自由」のことをいう。

信仰の自由:個人が自分の心の中で、特定の宗教的信仰をもち、あるいは、いかなる信仰ももたない自由をいう。

宗教的行為の自由:礼拝・祈祷その他の宗教上の儀式や式典を行い、それに参加する自由、また、それに全く参加しない自由である。

宗教上の結社の自由:宗教団体を組織する権利。ここに信者を勧誘する権利が含まれていると思う。

「信教の自由」とは、たくさんある「自由」の1つだし、宗教団体もたくさんある。したがって、他のひとの自由を侵害する「信教の自由」は許されない。別の言葉で言えば、ひとに迷惑をかける「信教の自由」は許されない。

心のなかで思うだけなら、「信仰の自由」は人の勝手で済む。しかし、それでも、思っていることを人は口にしてしまうので、家族の中に亀裂を生む。また、生活態度が変わるので、まわりは心配になる。

「宗教的行為の自由」は、宗教団体と関係なく、個人的行為でひとに迷惑をかけないなら「奇行」で済む。

宗教団体が介入してくると、個人の勝手で済まなくなる。家族からみると、洗脳されたのではないか、マインドコントロールされたのか、心配になる。

「洗脳」や「マインドコントロール」は学習によって本人の元々の意思と異なる行為をとるようになることをいう。「洗脳」は団体の「暴力」によって学習をさせることをいい、「マインドコントロール」は不安や同調圧力によって学習させることをいう。この「暴力や不安や同調圧力による学習」とは、犬やサルに芸を仕込むの同じである。宗教に限らず学校教育や矯正施設でも起きることである。

宗教団体は、税金で優遇されているが、収入支出の透明性が求められる。また、団体から抜ける自由が保障されていないといけない。現状では、宗教団体の法的規制がゆるい。

フランスでは、反セクト法で、カルト団体の10の特徴を規定し、解散、活動停止、事業所停止などの処置ができる。

1.精神の不安定化 (洗脳、マインドコントロール)
2.法外な金銭的要求 (多額の寄付金要求)
3.住み慣れた生活環境からの隔離 (監禁、出家など)
4.肉体的保全の損傷 (暴力:精神的暴力も含む)
5.子供の囲い込み (子供の洗脳教育)
6.反社会的な言説
7.公秩序の攪乱
8.裁判沙汰の多さ
9.従来の経済回路からの逸脱
10.公権力への浸透の試み.

1番、3番、4番、5番は「暴力や不安や同調圧力による学習」を行うことをカルト行為とみなしている。2番、8番、10番も迷惑行為で、統一教会で顕著に見られた行為である。信者といえども、宗教団体が何でもやっていいわけではない。信者の人権、自由を脅かしてはいけない。

したがって、統一教会はフランスの「反セクト法」の観点からみてカルトである。統一教会が政府与党の自民党に浸透したということは問題であり、反省して改めるべきである。

それを居直るとは、「統一教会」だけでなく、他のいろいろな怪しげな宗教団体とも関係をもっているからでないかと、私は疑っている。神道関係が怪しい。

信仰をもつことはいまだに良いことのように考える人もいるが、「信仰」は「懐疑」と逆の態度で、人間の理性の放棄を招く。人間は弱く、不安に取りつかれるが、信仰によって、不安から逃れるという態度では、カルト団体に騙されやすくなる。

「先祖の霊」とか「神さま」とか「原罪」とかいうものは、存在しない。私の高校から大学院まで同級生の女の子は、神様の声が聞こえるプロテスタントだったが、離婚して自殺をした。私は彼女を守ってやれかったことを悔やむ。

信者と指導者とに分かれる宗教団体、教祖さまが取り仕切る宗教団体は、組織が民主主義的でなく、個人の人権、自由が抑圧されるから、関係を持たないほうが無難だと思う。



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