ことしの1月21日、菅直人(かんなおと)が、橋下徹のことを「弁舌は歯切れが良く」 「ヒットラーを思い起こす」とツイッターに書いてネットを騒がした。私は、立憲民主党が日本維新の会に近づくのを牽制するために、菅直人がわざとこう発言して、さわぎを起こしたのだと思っている。
日本維新の会は極右の政党である。岸田政権を右から揺さぶるための安倍晋三の別動部隊を思わせるほど、過激な右翼である。
2月17日の朝日新聞の記事『元首相の介入 石川県知事選』に、つぎのように記されている。
<2月8日、日本維新の会が馳氏の推薦を打ち出した。安倍氏は決定の直後、周辺にこう語ったという。「私が維新に頼んだけどね。情勢調査も良くなってきた」。>
昨年の衆院選での日本維新の会の公約をひろってみよう。
<世界平和に責任が果たせる国に向け、防衛費のGDP1%枠を撤廃し、テロやサイバー・宇宙空間への防衛体制を強化する>
<解雇ルールを明確化するなど規制改革で労働市場の流動化・活性化も促す>
<廃炉技術の伝承と使用済み核燃料の有毒性低減のため、小型高速炉など次世代の原子炉の研究開発を強化・継続>
日本維新の会は、軍備増強、雇用者の権限強化、原発推進を唱えていたのである。
さらに、今年、2月24日にロシア軍のウクライナ侵攻が始まると、日本の維新の会は「核共有」を唱えた。「核共有」とは、アメリカがヨーロッパに核を配備するときの体裁を繕った用語で、核爆弾をNATO加盟国に配備し、使用にあたってはアメリカの許可を要するのに、自国の爆撃機を使って核攻撃しないといけないものである。この「核共有」は軍事評論家からはすごく不評であった。
きのう5月18日に、日本維新の会は自衛隊を憲法に明記することを、夏の参院選の党公約にすると発表した。具体的には、憲法第9条につぎを加える。
<前述の範囲内で、法律の定めるところにより、行政各部の一として、自衛のための実力組織としての自衛隊を保持する。>
これは、2018年に安倍晋三が提案したものだ。自衛隊は、憲法9条の解釈にもとづき、すでに法律で規定され、存在する。わざわざ、憲法に「自衛隊」を書き加えると、軍国主義へのターニングポイントになる危険がある。じっさい、自民党の一部と維新の会は「自衛」のために相手国へのミサイル攻撃の軍備をもつことを主張している。
きょうの朝日新聞のインタビュー記事「委縮するメディア」で放送ディレクターの斉加尚代がつぎのように証言する。
<10年前に大阪維新の会ができて以降、政治主導の(道徳重視の)教育改革が進みました。>
<12年大阪府立高校の卒業式で」教職員が国歌斉唱をしているか口元をチェックされた>
大阪の人は、どうして、こんな日本維新の会に票をいれるのだろう。もちろん一部であろうが、大阪では選挙に勝っている。
日本維新の会の思想は90年前のナチスに類似している。菅直人ではないが、自由というもの、個人というものをだいじにする人は、日本維新の会の危険性をもっともっと指摘すべきである。
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