『 ヘボのアルバム 』

“ヘボ”ちゃんをこよなく愛する蜂狂さんとのコミュウニケーションの場です・・・

     『 “シダ(軍)”、初冬交尾のメリットを考える!!! 』

2008-11-26 09:31:17 | Weblog
             


スッキリしない愚図ついた天気が続く・・・
一昨日は、早々と雪になった。 松本平から見る北アルプス連峰は、毎日、鉛色の雲の覆われ、視界が起たない。 察するに山は大雪なんだろう?

さて、サテアンでは、ついこの間まで轟音と共に交尾ラッシュだった。一時は、サテアンに入ると交尾蜂が天井から降って来る!!!   大袈裟の話ではない!!! 現実だからこのように表現したい。    


先にも何回となく触れて来たが、y(わい)の“ヘボ”ちゃんに対する興味は、巣を巨大巣にする事でもなく、食する事でもない。 出来るだけ多くの時間“ヘボ”ちゃんに接し、観察し、習性を知る事にある・・・そして、彼女等の行動を画像に収める事にある。
ジックリ観察は、実に、多くの情報を提供してくれる!!!   

今日は、こうした習性の中で、“シダクロスズメバチ(軍)”に限って、何故?晩秋~初冬の時期を選んで最も大切な子孫繁栄の交尾活動をするのか?を考えて見る事にした。    

 
多くの狩り蜂やスズメバチは、晩夏から初秋に掛けて交尾期を迎えている!!!
“キイロホオナガスズメバチ”を例に取ろう。 コイツは、9月初めには、小枝に掛けた新聞紙状の小型の巣から僅かばかりの交尾蜂を産出させ、スタコラと次世代を残している・・・ 小型の巣だから産出量も大した事は無い?
コイツ等に比べ、“シダ(軍)”となると、丸2~2.5カ月も遅い次世代産出の交尾期を常としている。2~2.5/12ヶ月、この落差は実に大きい!!! 彼等の生涯の1/5期間に当たる!!!
どうしてこのような落差が生じたのだろうか?、何時も、興味津々、理解に苦しんでいる所である。
非常に攻撃的な、“キイロホオナガスズメバチ”にも幾多の興味はあるが、コイツはさて置いて、“軍”の方にスポットを当てて見よう!!!

“軍”の観察に関しては、時間を掛けているだけあって、少々、ウルサイ? ウルサイと言うより、若干の自信がある?
“軍”のコロニーは、他の狩り蜂やスズメバチと違い、ワーカーの数が爆発的に多い!!! “仮面ライダー”や“アカンバチ”も多い方ではあるが、“軍”に較べれば大した事は無い? 大人と赤子位の差がある?
“軍”の働き蜂をツブサに分析すると、姉蜂の働き具合に依る所が大きいかも知れないが、晩秋に至る働き蜂は、体が1~2回り大きく、羽音も低音のブブ・・・ブと言う周波数を落とした聞心地のいい響きに代わる!!!
これは何を意味するか??? 
詰る所、遠距離飛行を可能にする飛翔力の強さを意味している・・・コロニーの拡大に伴い、餌場不足はイガメない? 好むと好まざるとに拘わらず、遠距離飛行をしなければ超巨大化しているコロニーの子供達:雄や新女王、それに晩秋の戦力働き蜂の食糧を賄えない!!!
晩秋の働き蜂は、長い年月を掛け、このように進化してきた。

所で、晩秋~初冬の交尾活動とどう関連付けられるのだろう?
ツラツラ思うに、“軍”は、敢えて、多くの狩り蜂やスズメバチが活動期を終えた時期を選んで、餌の独り占め?という戦略を採って来たのだろうと思われる? 詰り、餌量は激減するものの、独り占め?の餌の確保により、より多くの時期世代の交尾蜂を産出出来る訳である。寒さに対するリスクは大きいものの、大世帯の餌確保と言う面から長い年月を掛け最も大事な子孫産出時期を遅らせて来たのだろう?
山の飼育場のコロニーを観察していると、どの働き蜂も奴デカイ青虫や黒い大きな虫を引き摺り込んでいる。松や唐松の甘い汁、それにアブラムシの甘露も多いのでは?と観察している・・・
これ等の豊富な餌は、雄蜂や新女王蜂の栄養源となり、巨大巣へと展開される・・・ そうして、爆破知的に増えた蜂群により、小春日和の日、大々的な交尾活動が展開される!!!
また、食物連鎖の上位に位する大型スズメバチ、ハチクマや獣からの被害も少なくなっている筈である。

晩秋~初冬の交尾活動に大きなメリットもある。
交尾、即、冬眠と言うエネルギー消費の面からみて極めて効率的なライフサイクルが描けるので、これは、寒波に対するリスクの裏腹メリットとして子孫繁栄の面から見れば途轍もなく大きな利点だろう?

要約すると、
豊富な給餌に伴う働き蜂の体の大型化→飛翔力アップ→餌採集の向上→超巨大巣→大量の交尾蜂産出→天敵の減少?→交尾、即、冬眠 と、言うパターンを選択して来たのだろうと思われる?
ツラツラ思うに、こうした戦略は、思わぬ寒波に対する策には弱いものの、実に、当を得た戦略に思えてならない!!!
yの思い過ごしであろか?    
それにしても、“シダ(軍)”は、優れた戦略を選択したが故に、巨大コロニー実現と言うメリットを十二分に生かし切っているようだ。。。
此処に望外な魅力を覚えてしまう!!!