『キオビクロスズメバチ』の事を諏訪地方では『キイジス』等と呼んでいた。これは、子供の頃、親父さんから教わった呼び方である・・・
地域によっては違う呼び方をしているかも知れない? yは、敢えて、親父師匠の呼び方を踏襲している。
『キイジス』に惚れ込んでいる蜂狂さんは多く、一度は飼って見たいという御仁、これまた、多い・・・ yもこの仲間だった。
これまで何回飼育トライしたであろうか? yの家は、標高650m地点の住宅地にある。そこそこの樹木はあるのだが、コイツ等が生息している1300~1500m地点に比べると、夏、クソ暑くなる・・・
で、毎年、チャレンジしてきたが、最初の内、移植時、実に見事の通いをしてくれる・・・
が、盆過ぎになると・・・??? 一頃の通いが見られない!!!
その内に段々か細くなり、 ウウ~~~ん? そして チ~~~ン!!!
女王蜂が死滅するのである!!!
過去、10月まで残った年が2回だけあったが、先ず、99パーセント駄目と考えた方がいい・・・ その上、仮に上手くいっても『軍』程のコロニーにはならない!!! 従って、信州の多くの食いを専門とする蜂狂は、これを飼わない!!!
だが、yは、敢えて、この飼育に拘ってきた。 生態調査と交尾蜂を画像に収めたいたいが為だった。
里山でも標高1100m地点の山中で飼うと晩秋まで持ち越す事が確認出来ている・・・これは、もう、5年も続いている・・・
この実績を元に企んだ計画が、Kanai師匠との連携プレーだった。偶々、似たようななポリシーで“ヘボ”ちゃんの生態研究をしていたので、付き合いは1年にも満たなかったが、意気投合!!!
これが一連の飼育条件の把握、交尾蜂捕獲作戦、越冬女王蜂等へと結びついている・・・
多分、この越冬女王蜂は、捕獲地へバラ撒かれる事になるだろうが、営巣確率等調査すべき事項が山積している。
『キイジス』の生態については、今まで、飛び飛び、縷々書いてきたが、
①.生息域は、1300m以上の山岳地帯である事
②.習性(性格、飛び方等)は、『軍』と、略、同じ。気性はキツイ。
③.蜂のサイズは、『軍』より1~2回り大きく、コロニーは、『軍ピン』程度・・・
④.早生種で8/末~9/初には雄蜂に続いて女王蜂が剥け出す。して、10月には交尾期を迎える
⑤.閉鎖空間に於ける餌取りは、獰猛で死したばかりの仲間を積極的に漁る!!!
面白い事に、『軍』と隣飼いすると、コイツの方が『軍』のコロニーへ紛れ込む比率が高い!!! 好奇心、旺盛という事か? して、同化する事が、毎年、確認されている・・・ 体の色で簡単に区分け出来ると言う訳だ・・・
こんな貴婦人が、今、yとKanaiさんの所で昏々と眠り続けている・・・
冬眠姿は、『軍』となんら変わらない!!!
この貴婦人を、昨日、外に連れ出し、モデルさんになって貰った。昨日の写真と併せて御覧下され・・・