●略奪品「金払わない」と宣言 落札の中国人会見(共同通信 2009/03/02/13:14)
【北京2日共同】第2次アヘン戦争で英仏連合軍が1860年に中国から略奪、フランスの服飾デザイナー、故イブ・サンローラン氏の遺産としてパリで2月25日に競売にかけられたウサギとネズミのブロンズ像を落札したのは中国人だったことが2日、分かった。
ロイター通信によると、落札者を名乗る中国人は2日、記者会見し「落札した金を支払うことはできない」とし、支払いを拒否する姿勢を示した。
新華社電によると、海外に流出した文化財を取り戻すキャンペーンを行っている中国の民間組織「海外流出文化財救出基金」が、中国人がブロンズ像を落札した事実を明らかにした。落札した中国人についての詳細は不明だが、同基金と連携しているとみられる。支払いを拒否した後の対応については不明。
2つのブロンズ像は競売会社クリスティーズにより競売にかけられ、2点で計3140万ユーロ(約39億円、手数料込み)で落札された。
中国外務省は「中国に所有権があるのは疑いの余地がない」と競売の中止や返還を求めていたが、それ以前に競売にかけられたサル、ウシなどのブロンズ像は中国系企業が落札で中国に買い戻したことがある。
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●支払い拒否の中国人「責任を果たした」 競売出品者「保有し続ける」(MSN産経ニュース 2009/03/02/23:26)
【北京=野口東秀】第2次アヘン戦争のさなか、中国清朝の離宮「円明園」から英仏連合軍に略奪され、このほどパリで競売にかけられたウサギとネズミのブロンズ像の落札者が中国人だったことが2日、明らかになった。国営新華社通信が伝えた。落札した民間組織顧問は「金を払うつもりはない。中国人としての責任を果たしただけだ」と話しており、像の引き渡しをめぐって新たな問題が起きる可能性が高い。
新華社によると、落札したのは流出文化財を取り戻す活動をしている民間組織「海外流出文化財救出基金」の顧問を名乗る蔡銘超氏。
像をめぐっては、中国外務省が「中国に所有権があるのは間違いない」と返還を要求。在仏中国人弁護士らによる競売差し止め請求をパリ大審裁判所(地裁)が棄却したことから、中国国内ではインターネットなどで仏製品不買を呼びかけるなどの過激な主張が飛び交う一方、蔡氏の行為は愛国心と団結心を鼓舞する事例と受け止められている。
ブロンズ像は、先ごろ亡くなったフランスの服飾デザイナー、イブ・サンローラン氏の遺産として競売にかけられ、3140万ユーロ(約39億円、手数料込み)で落札された。ロイター通信によると、サンローラン氏のパートナーで、競売出品者となったピエール・ベルジェ氏は、代金が支払われなければ、ブロンズ像を自宅で保有し続ける意向を表明した。
●<中仏>「盗難文化財」の競売に反論声明、「金儲けの道具ではない」―中国(Record China 2009/02/25/23:41)
2009年2月24日、中国国家文物局は、清朝末期に北京の円明園から英仏連合軍に略奪された動物像をめぐり、競売中止の申し立てが棄却されたことを受け、「国際社会の協力を仰ぎたい」とする声明を発表した。人民日報が伝えた。
国家文物局は声明で「中国人民の正当な要求が尊重されることを願う。中国政府は断固として競売の反対を表明する」と改めてその立場を強調。「違法に流出した中国の文物を他人の金儲けの道具にしてはならない」と強く反発した。また、パリの裁判所が棄却の理由を「法的に問題ない」としたことは、95年に採択された盗難文化財の返還に関する国際条約「ユニドロワ条約」に反すると指摘。所有者のピエール・ベルジェ氏が「ダライ・ラマ14世をチベットに戻すこと」と政治的な条件をつけたり、高額での買い取りを要求したりしたことを非難した。(後略)