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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

義足で速く走るポイントは「歩幅」

2015年07月05日 01時12分33秒 | 障害者の自立

産総研の保原研究員、400人以上の障害者アスリートの走りを解析

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、障害者スポーツに注目が集まっている。各競技の選手の強化策が検討されるが、義足を使った陸上競技の研究者は意外と少ない。世界の研究をリードする一人が産業技術総合研究所の保原浩明研究員だ。

 研究テーマの一つが、障害者の短距離走で使う義足。その進化は速く、100メートル走では炭素繊維製の義足で1・5秒タイムが縮まった。早ければ20年に400メートル走のパラリンピック選手がオリンピック選手に勝つとの予想もある。

 ただ義足と走り方の研究は世界的にもまだまだ途上だ。手足の長さや筋力に応じて最適な義足を選ぶことは難しい。保原研究員は「選手の感覚で選ばれている」と指摘する。

 競技用義足は人間の脚よりも軽いため、脚の回転数は多くなる。一方で一歩一歩の地面を蹴る力は弱い。つまり健常者と障害者では走り方の戦略を変える必要がある。保原研究員は464人の障害者アスリートの走りをデータ化し、歩幅や回転数の関係を解析した。

 健常者では一歩の歩幅を伸ばすと回転数が落ちる。そのためタイムは歩幅と回転数にはあまり依存しない。一方で障害者は義足が長くても軽いため回転数は落ちにくい。そのため歩幅が顕著にタイムを縮めることを保原研究員は証明した。

 また国・地域別に選手の走り方を解析すると、日本人は脚の回転数と歩幅が米国のトップ選手に劣ることが判明。ただ義足の設計や訓練を直せば、逆転の可能性もある。「選手一人ひとりの走り方を計測し、強化ポイントを見つけたい」と力を込める。

 自身は柔道選手の卵として順天堂大学に進学。周囲のレベルの高さに圧倒された。研究の面白さを知り、大学院から早稲田大学に進んだ。「大学4年生で研究者の道を選ぶと決め、中高生向けの算数ドリルから勉強し直した」と振り返る。挫折と挑戦を繰り返し、タフさを身につけた。

 「産総研で、体育大学出身の研究者は自分くらい」と笑う。産総研で走り方の研究を立ち上げ、今後は義足のモノづくりに挑戦する。タフな挑戦者が障害という壁を壊す。
「選手一人ひとりの走り方を計測し、強化ポイントを見つけたい」と力を込める保原研究員
 
この記事のファシリテーター

こうした研究がアスリートだけでなく、一般の障害者の方々がより快適に生活できるようにするための技術開発などにもつながっていけばいいと思います。

日刊工業新聞2015年07月01日 科学技術・大学面


困窮者支援事業、全国4割超が未実施 制度開始3カ月

2015年07月05日 01時07分35秒 | 障害者の自立

 生活保護を受ける手前の人たちを支える生活困窮者自立支援制度で、全国の市の4割が主要な支援事業を全く実施していないことが厚生労働省のまとめでわかった。制度が始まった4月の相談は、全国65の政令指定市・中核市だけで約7千人にのぼり、受け皿作りが追いついていない。

 厚労省はこの制度を「第2のセーフティーネット」と位置づける。全国の自治体が日常生活のたて直しなど就労準備、一時的な衣食住の提供、家計相談、子どもへの学習支援の四つの支援事業を任意で実施する。

 同省のまとめでは、813市・東京特別区での各事業の実施率(予定含む)は4月時点で就労準備28%、衣食住19%、家計相談23%、学習支援34%。4事業を全て実施するのは4%、44%は全くしていない。

 厚労省は「人口10万人あたり相談月20件」と目安を示し相談の掘り起こしも促すが、自治体が財源の3分の1から半分を負担することなどから支援体制が整わない。朝日新聞が取材したところ、相談窓口での4月の受け付けは20政令指定市で3851人、45中核市で2973人にのぼった。

 この制度で就労支援の要となる「中間的就労」では企業や社会福祉法人などで実習的に働け、受け入れに手を挙げた事業所を自治体が認定。税制優遇もある。だが、65政令指定市・中核市で5月末までの認定は、大阪や名古屋など5市の7事業所にとどまった。

 〈生活困窮者自立支援制度〉 再就職がままならなかったり引きこもったりで生活が苦しい人や、親の収入に頼りいずれ困窮しかねない人などに対し、全国の市が相談窓口を設け、町村部は都道府県が担当して自立を支える。非正規労働の増加など雇用が不安定化し、地域のつながりも弱まる中、従来の「高齢者」「障害者」といった福祉の枠組みから外れる人を対象に想定。そのうち、生活が苦しく福祉事務所を訪れたが収入要件を満たさないなどで生活保護を受けられない人は年間約40万人、引きこもりの人がいる世帯は約26万と厚労省はみている。

2015年7月3日     朝日新聞デジタル


東芝、音や映像から意図を把握して人に伝えるサービス

2015年07月05日 00時55分37秒 | 障害者の自立

 東芝は、音声や映像に含まれる言葉や人物を捉えてその意図や状況を把握し、人にわかりやすく伝えるというクラウドサービスの提供を開始する。サービスの名称は「RECAIUS(リカイアス)」である。

  新サービスは、人がICT(情報通信技術)を意識して利用するのではなく、ICTが人の意図や状況に合わせて適切に動作するための仕組みを提供するという。人が持つ「見る、聴く、話す」能力をICTで補完することで、言語や表現などの言葉の違い、音声・映像・文字といった形態の違いを超えて、多くの人が安心・安全・快適に過ごせる社会の実現を目指すとする。

 新サービスは、同社が培ってきた音声認識、音声合成、顔・人物画像認識、知識処理技術を融合して、これらの能力を最大限引き出せるように、必要な知識を日々進化させることが可能なクラウド上に構成したという。様々な言葉の表現や人の動き・態度から意図や状況を把握して、要約、翻訳、音声対話、音声合成を利用して、人にわかりやすく伝えるとする(図1)。例えば、カメラに写った人に合わせて情報を提示する案内システムや、音声記録をテキスト化して重要な発言だけをチームで共有するなど、幅広い業務や用途で活用できるとしている(図2)。

 ■第1弾を10月から開始

  RECAIUSの第1弾として、2つのサービスの営業活動を2015年7月2日から始めた。サービスは2015年10月から始める。2つのサービスは「RECAIUS 音訳エディタ(DaisyRings=デイジーリングス)」と「RECAIUS 音声書き起こしエディタ」。

  前者のRECAIUS 音訳エディタ(DaisyRings)は、視覚障がいやディスレクシア(識字障がい)により文字を読むことが困難な人のための音訳コンテンツを容易に作成するためのクラウドサービスである。ウェブブラウザ上で、テキストをアップロードして音訳でき、編集結果をDAISY(Digital Accessible Information System)形式のファイルでダウンロードできる。音声合成の読みやアクセントを容易に修正できるという。

  図書館や学校、行政機関での利用のほか、一般企業でも製品マニュアルなどドキュメントの音訳に利用できるとする。同社によれば、平成28年(2016年)4月施行の「障害者差別解消法」では障がい者差別解消のための合理的配慮が、行政機関では義務、一般企業などでも努力義務として求められている。RECAIUS 音訳エディタは、全国の大学や障害者団体などで実証実験を実施し、使い勝手を高めてきたという。

  後者のRECAIUS 音声書き起こしエディタは、講演や会議などの録音データをウェブブラウザ上で人が聴いて書き起こす作業を支援するサービス。アップロードした音声データを再生しながらテキスト入力する際、テキスト未入力の箇所を特定して自動的に音声を再生したり、音声認識によるテキスト入力の候補を提示したり、話者の切り替えを推定したりすることで、音声をチェックしながら書き起こしを効率よく行えるという。このサービスに関しても実証実験を実施し、使い勝手を高めてきたとする。

  東芝は、自治体・図書館向け音訳支援サービス、金融業向け対話サービス、フィールド作業支援など様々なサービスへの適用に向けてRECAIUSを提案していく。今後、次のようなサービスを提供予定という。「RECAIUS 音声ビューア」(音声認識技術により、長期間・長時間の音声データの可視化(テキスト化)機能を提供)、「RECAIUS 音声クリエータ」(多様な感情表現をもつ音声合成機能を提供。日本語以外に米語、中国語、韓国語など11言語に対応する予定)、「RECAIUS音声対話」(用途に応じて構築する対話知識に基づいて、曖昧な問いかけにも応える音声対話機能を提供)、「RECAIUS 同時通訳」(話す先から逐次訳せる同時通訳機能を提供。日英・英日、日中・中日に対応予定)、「RECAIUS 人物ファインダ」(客層や混雑度などの状況把握や登録した人物の検出機能などを提供)などである。

 

図1 RECAIUSの基盤技術

図2 RECAIUSの利用イメージ

[日経テクノロジーオンライン 2015年7月2日掲載]