土浦市内の障害のある新成人の門出を祝う「障害児(者)を励ます新年の集い」が十二日、市内のホテルで開かれた。五人の若者の新たなスタートを、家族や関係者ら約百人が祝福した。
市内の障害者団体や市社会福祉協議会、市でつくる実行委が主催。「成人式に出席するのが難しい障害者にも参加してもらい、保護者や家族らと一緒に祝い、交流を深める場にしたい」と三十年余り前から毎年行われている。
今年の参加対象の新成人は知的、精神、身体に障害のある三十五人で、そのうち希望する五人が出席。中川清市長から「ご成人、おめでとう」と声をかけられながら、一人ずつ花束と記念品を受け取った。五人を代表して高野実さん(20)が「祝っていただき、とてもうれしく思っています。ありがとうございました」とお礼を述べた。
高野さんは知的障害があり、現在はつくばみらい市内の就労支援施設で、食料品の箱詰めなどの作業に取り組んでいる。同席した母親の真弓さんは「二十年前にこの子が生まれたとき、この日をにこやかに迎えられるとは夢にも思いませんでした。手探りでしたが、人前であいさつできるようになりました」と目を細めた。
2015年1月13日 東京新聞