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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

重症障害者に福岡県8介護施設指定 ショートステイ広がらず 「経験不足」受け入れ消極的

2015年01月09日 01時06分24秒 | 障害者の自立

 酸素吸入やたんの吸引などの医療行為が必要な重症心身障害者の短期入所(ショートステイ)の新たな受け入れ先として、福岡県が九州で初めて、県内の介護老人保健8施設を指定した。これまで医療機関が担ってきたが、入所希望が増え、受け皿不足が全国的な課題となっていた。家族の負担軽減につながり、同様の取り組みの広がりが期待されるが、経験不足などを理由に受け入れに消極的な施設も多く、足踏み状態だ。 

 福岡県はこれまで、在宅の重症心身障害者で、家族が入院や外出などで介助できない場合、一時的に障害者を預かる短期入所を18カ所の病院で受け入れてきた。しかし、近くに住んでいなければ送迎に時間がかかるなど利便性が悪かった。また、家族の高齢化に伴い体力的、精神的な負担が大きくなっており、休息が必要なことからも短期入所の利用は増えている。

 福岡県によると、県内で在宅の重症心身障害者は約1800人。アンケートの結果、回答した約4割が既に短期入所を利用していたが、3割強が使ったことがなく「今後利用したい」と答えた。受け入れ病院の一つ、同県久山町の「久山療育園重症児者医療療育センター」では、短期入所や日帰り利用がこの5年ほどの間、毎年600件前後と高水準で推移している。昨年度は満床などのため47件について断り、受け入れに限界があるという。

 このため県は、常勤の医師・看護師がいる介護老人保健施設に、空きベッドが出た場合に受け入れてもらえるよう要請。医療的なケアが欠かせない障害者には専門的な知識と対処が必要なことから、希望する施設に対し、久山療育園のスタッフが実習を交えて指導し、昨年10月以降に8施設が指定された。施設側には高齢者が利用するより報酬単価が高い利点があるという。

 短期入所の受け入れ施設拡大は全国的な課題となっているが、福岡県のように介護老人保健施設を指定しているのは兵庫、山口両県やさいたま市などにとどまる。

 高齢者のケアと違いがあるため、適切に対処できるか施設側が不安で受け入れに消極的だという。宮崎県の担当者も「施設側に協力を求めているが、人員不足など態勢の問題や経験がないなどを理由に手を挙げてもらえない」と話す。

 久山療育園の宮崎信義センター長は「短期入所先の充実は障害者の在宅生活を可能にする上で鍵になる。介護老人保健施設が受け入れを広げることで、障害者の生活の支えになってほしい」と話している。

  ◇負担軽減へ家族に期待と不安

 重症心身障害者を介助する家族側にも、対応に不慣れな介護老人保健施設に預けることへの不安があり、短期入所の利用が進まない側面もある。

 福岡県福津市に住む石井千鶴子さんは、脳性まひで常時介助が必要な長男信康さん(25)と2人暮らしをしている。最近受けた定期検診で、信康さんは筋肉の萎縮や体の変形が進み、嘔吐(おうと)を起こしやすくなっているとも言われた。

 体重約40キロの信康さんを着替えや入浴の際に一人で抱え上げなければならない。近くに住む母親(79)の介護もあるため、千鶴子さんは月2回1週間ずつ、信康さんを車で30分前後の場所にある医療機関に短期入所で預けている。他にも希望者が多く「希望通りに受け入れてもらえることは少ない」。

 そんな中、自宅から5分の介護老人保健施設が昨年12月に短期入所施設に指定された。信康さんは初めて行く場所に緊張し、人見知りもある。千鶴子さんには不安もある。それでも、新たな受け入れ先に期待を寄せる。「短期入所先がなければ家族も本人も困る。施設側と意思疎通を図り、体験利用を重ねながら理解を広げ、お互いの壁を乗り越えたい」と話した。

毎日新聞 2015年01月07日 西部朝刊


発達障害の「診断」による思わぬ副作用とは?

2015年01月09日 00時59分07秒 | 障害者の自立

 前回のコラム(http://www.okinawatimes.co.jp/cross/index.php?id=188)では、発達障害の診断が、1)「子どものとらえ方の変化」→「対応の試行錯誤」→「新たなる発見」→「新たなる対応」という循環をつくり出すということ、2)内科の病気とちがって、問題への「対応・対処」は生活をともにしている人たち自らの試行錯誤が大切になるということ-を書きました。学校現場での発達障害の子どもたちへの対応は、本来「診断」がなくても模索されることが望ましいのではないかという、「教育の医療化」への批判についても触れました。

  発達障害の「診断」に伴ってしばしば起きることのひとつが「自責の苦悩からの解放」です。様々なマイナス行動をしてしまう我が子を目の当たりにして、親は自らの子育てをめぐる自責の念に苦しんでいることが少なくありません。他の子と同じことができないだけならまだしも、他の子に危害を加えたり、クラスの授業を邪魔したりするような行動のために学校に呼び出されることで、親としての自己評価が低下してしまうわけです。本来なら自分の一番の子育てのサポーターになるはずの、実家の両親や同じくらいの子どもを持つ兄弟からも、「あんたもう少し〇〇〇したほうがいいんじゃない」という月並みなアドバイスに遭遇して、責められているような感情に苛まれる人も少なくありません。子どもの問題行動・不適応行動は、親にとっては即自分の問題として考えてしまうものなのです。

  発達障害という診断とともに、「子育ての問題ではなく、神経発達の問題」という説明(ストーリー)が提供されます。子どもの問題の原因が、「親である私の問題」から、「(神経発達という)私ではどうにもならない問題」へと変化するわけです。そして自分(の子育て)を責める感情から、徐々に解放されていくわけです。既に成人した発達障害者当事者の場合は、自分の診断を告げられることで、これまでの人生の様々な失敗や行き詰まりを、「発達障害が理由だったのか・・・」と振り返るようです。

  発達障害児を持つ親にしても、成人の発達障害者にしても、自らを「ダメだ」と思う思考・感情から解放されることになるわけです。このように人生の困りの原因を自分の外の「何か」に対して求めていくような認識のありかたを、「外在化」と言ったりします。自責の念(自分を責める認識)から解放されることで、うまくいかないことの原因をクヨクヨ考えるのではなく、解決にエネルギーを注ぐことにより、人生が建設的に向かうことは多いようです。しかし、精神科医の香山リカ先生のように、発達障害をめぐるこのような「解放・免責」に反対する意見を持つ人もいます。一方、発達障害に関して多くの研究や実践を行ってきた精神科医の田中康雄先生は、支援を前提としない診断は注意すべきだとも言っています(「診断は戦略的であるべき」と言っています)。

  私は「診断」や「心理検査」の共有をする(=説明する)際には、同席する家族・学校の方々と、どういういきさつで受診や相談することになったのかという話から始めるようにしています。多くの場合家庭や学校での問題行動を共有することになります。そうすることで、日常のどういう「困った行動」が「○○障害」=「診断」に相当するのかについて共通認識を持つことが第一段階だと思っています。そういう「困っていること(行動・やりとり)」に対して、とりあえずどういう「対応」が可能で、それを誰がどんなふうに「試してみて」、どのくらいの期間「観察して」、どの時期に結果を「確認する」か話し合うようにします。診断や検査結果だけを告げられるだけで、一番大切な「一緒に考える」という部分の支援をしなければ、生活をともにする人たちにとっては「診断への戸惑い」というもうひとつの困りごとが出てくる可能性もあるようです。

  そのように考えると、「診断」が「支援の切符」の機能を果たしているとも考えられます。単に特別支援教育や福祉サービスなどへの「切符」という意味もありますが、周りの人たちの対応の工夫・配慮という意味も含めてです。前回のコラムのツトム君のように、診断を機に先生や保護者が「困った子ども」という見方から「支援が必要とされる子ども」へと変化することについて指摘しました。その見方・視点は、学校あるいは関係者全体で共有され、「支援」や「配慮」という共通目標のもと動いていけるための「チームワーク」がつくられていくわけです。周りのみんなで共通理解・工夫を始めることで、子どもと日常生活で接する大人(=親や先生)の支援につながり、結果として子どもの支援にもつながるということだと思います。支援に必要なチームワークづくりが円滑になるため、子ども達とかかわりの多い(学校)現場では、「診断」を求めたり、あるいは「あの子はLD(学習障害)っぽいからみんなで対応に工夫していきましょう」といったような「プチ診断的」なやりとりで、「共通理解」を進めていくということになるのだと思います。

  しかし本当に「診断」はいいことだけなのでしょうか? 実はとても変な話だと思うのですが、「診断」って信じるか・信じないか(納得するか・しないか)っていうような部分があるように私には思えるのです。あまり信じすぎて、「診断」を万能化(これで大丈夫感を持つこと)してしまうと、思ってもみない展開になったりすると思うのです。

  例えば、あるお母さんが問題行動著しい息子を連れ、医療機関に何度か受診しました。お医者さんに「発達障害」の診断を説明され、自らの子育ての責任論・原因論からわずかながら解放され、今後の取り組みに希望を持って自宅に戻って行きます。さっそくお父さんである夫にそのことを話すのですが、お父さんの「自分の子どもを障害者にするつもりか? それでも母親か!」という言葉に出くわす例は少なくありません。学校現場の例だと、職員会議で特別支援教育コーディネーターの先生が、ある生徒の発達障害について説明し教職員からの支援・対応についての理解を求めるわけです。すると、教職員の中から「最近の医者は誰でも診断つける」「これじゃ、成績悪いのは全部病気になる」などと異論が出たりして、先ほど指摘した「支援のためのチームづくり」とはほど遠い状況になってしまうことがあるのです。この時、コーディネーターの先生(最初の例ではお母さん)の「診断」に対する「信心」が強ければ強いほど、それを受けつけない同僚(父親)への失望や時には怒りも強くなり、結局チームとしてあるべき集団(教職員・家族)が分裂状態に陥ってしまうことさえあるわけです。

  前回のコラムでも指摘しましたが、「診断」も「検査結果」もこの分野に関しては「仮説」のひとつくらいに考えた方がいいのではないかと思います。信じる(納得する)人もいれば、そうでない人もいる。結局、子どもも大人も「障害(名)」で困っているのではなく、日常の子どもの行動、もっといえばその子どもと周囲とのやりとりの悪循環に困っているはずです。朝ぐずった揚げ句に叫ぶ、給食のおかわりが一番でないと怒って給食のお鍋に唾を吐きかける、前の子の髪を引っ張る・・・など。具体的な日常の行動とやりとりに、本人も周囲も翻弄されているはずです。

  診断は大切な側面もありますが、それにこだわりすぎて支援を行き詰まらせるよりは、困っている行動をどうしようか、何から試していこうか、誰がどんな役割を担って試行錯誤していこうかということへの共通理解の方がより大切なんだろうと思うのです。

 知名孝(ちなたかし).NPO法人ぺあ・さぽーと理事長/沖縄国際大学人間福祉学科准教授。

1962年那覇市生まれ。1986年日本福祉大学社会福祉学部(Ⅰ部)卒業。1990年沖縄県人材育成財団米国長期留学生としてスミス大学ソーシャルワーク研究科(1992年修了)。その後いくつかのアメリカの(児童思春期・成人)の精神保健福祉施設にて勤務。1998年より、いずみ病院(精神科病院)相談室、ファミリーメンタルクリニック(児童思春期心療内科)にて相談業務・地域支援業務を行う。そのかたわら、発達障害児の児童デイサービス・ショートステイを運営するNPO法人ぺあ・さぽーと設立。発達障害児をかかえる保護者のためのペアレント・トレーニング、教育・保育関係者のためのティーチャーズ・トレーニング、成人アスペルガーの会「スカイ」、ひきこもり青年をかかえる親のサポートグループ「つどい」の設立・運営に関わる。

 2015年1月7日    沖縄タイムス


宇部市、障がい者雇用を検討する企業向けの実践セミナーを開催

2015年01月09日 00時10分10秒 | 障害者の自立
安心して雇用できるよう今年も実践セミナーを開催

宇部市では、障がい者雇用を促進し、社会的・経済的自立をサポートする、宇部市障害者就労支援ネットワーク会議/就労支援ワーキングチームの活動の一環として、企業向けのセミナーを定期的に開催している。この企業向けセミナーについて今年の開催が決定し、5日、同市より詳細が発表された。

セミナーは「第8回障害者雇用実践セミナー~安心して雇用ができるために~」と題され、2015年2月4日、10:00~12:00の日程で開催される。場所は、宇部市朝日町にある、宇部市文化会館 2階 研修ホールだ。

参加費は無料、ぜひ気軽に参加を

セミナーには、宇部、山陽小野田、美祢地域で障がい者雇用に関心のある企業・個人であれば、誰でも参加することができる。定員は100名だが、参加費も無料となっている。

当日は、まずブリヂストンチャレンジド株式会社の名古屋分室長を務める栗谷佳孝氏がゲストスピーカーとなり、講演を行う。タイトルは「障害者の雇用の現場から~企業内ジョブコーチとして~」となっており、現場での取り組みについて、実践的な内容を学ぶことができる。

ブリヂストンチャレンジド株式会社は、2004年4月に、ブリヂストンおよびそのグループ企業9社が出資して設立された特例子会社。当時雇用が進んでいなかった知的障がい者に特化して設立された特例子会社で、現在65名の障がい者スタッフがタイヤの積み込み作業やパソコンの入力作業、印刷・清掃などの業務に従事しているという。

障がい者の保護者、地域における支援機関との連携も密に、充実した支援体制を整え、多様性を尊重した、誰もがいきいきと働くことのできる職場環境を目指しているそうだ。

講演の後には、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 山口障害者職業センター、山口高齢・障害者雇用支援センター、西部高等産業技術学校 宇部市障害者就労支援ネットワーク会議「企業部会」といった関係機関からの情報提供も行われる。

参加を希望する場合は、1月30日までに申込用紙に必要事項を記入し、郵送またはFAXで応募すればよい。詳細は案内チラシなどで確認を。

2015年1月8日       障害者雇用インフォメーション