いまも13万人以上が避難生活を送る東日本大震災。明日は我が身と考える方も多いのではないでしょうか。
難病のお子さんを抱える大阪府東大阪市の男性(36)は、今回のような震災が起きたとき、どのようにすればいいのかを家族で話し合いました。「娘は避難時には何もできない。しかも、ちょっとしたことで泣き叫ぶため、避難所になじむのはとうてい無理。結論は出ない。避難場所で、災害弱者への適切な誘導を行政に期待するしかない」とつづります。
茨城県北西部にある大子町の主婦は、足に障害があります。1995年の阪神大震災の時、夫と約束を交わしたそうです。もし災害が起きたときに車で逃げることができなかったら、自分を残して2人の子どもを連れて逃げてほしいと――。夫とは口論になり、ようやく納得してもらったとか。夫婦愛の深さがしのばれます。今、お子さんは独立し、状況は変わりましたが、余震が続く中、「足手まといの私のことは置いて逃げてほしいと思っています。決して恨んだりはしないと誓って言えます」と胸の内を明かします。
東京都八王子市の主婦、竹田藤子さんは、Q&Aに掲載された「福祉避難所が被災地などに約40か所」という記事への感想を送ってくれました。
福祉避難所は、被災した高齢者、障害者、妊婦が避難生活を送る避難所で、災害時に、福祉施設や一般の避難所の一角に設置されます。仙台市は事前に多くの福祉施設と福祉避難所設置の協定を結んでいたため、スムーズに開設することができました。竹田さんは、自分の住む地域ではどうだろう、と、八王子市役所の担当課に聞いたところ、「障害者のための特別支援学校など約50か所の施設と、福祉避難所設置の協定を結んでいる」との答えでした。知的障害のお子さんを持つ竹田さんもこれには一役買っていて、特別支援学校のPTA会長をしていた時に、福祉避難所の整備を市議に働きかけたそうです。
「今では、学校に、毛布や水、食料などの備蓄もあるという。あの頃はこんな大震災が起こるなど考えもしなかったが、PTAとして運動してよかったと思う。障害のある子どもの親が少しでも安心してくれたらうれしい」と締めくくります。
◇
ご意見を募集しています。テーマは、「震災と高齢者、障害者」「専業主婦と年金」「わが子のシューカツ(就職活動)」です。
住所、氏名(紙面では匿名も可)、年齢、職業、電話番号を明記のうえ、メール、ファクス、郵便で、下の社会保障部のあて先にお送り下さい。掲載文には薄謝をお贈りします。
◇
情報はこちら。〒104・8243読売新聞東京本社・社会保障部(ファクス03・3217・9957、Eメールansin@yomiuri.com)
(2011年5月6日 読売新聞)
難病のお子さんを抱える大阪府東大阪市の男性(36)は、今回のような震災が起きたとき、どのようにすればいいのかを家族で話し合いました。「娘は避難時には何もできない。しかも、ちょっとしたことで泣き叫ぶため、避難所になじむのはとうてい無理。結論は出ない。避難場所で、災害弱者への適切な誘導を行政に期待するしかない」とつづります。
茨城県北西部にある大子町の主婦は、足に障害があります。1995年の阪神大震災の時、夫と約束を交わしたそうです。もし災害が起きたときに車で逃げることができなかったら、自分を残して2人の子どもを連れて逃げてほしいと――。夫とは口論になり、ようやく納得してもらったとか。夫婦愛の深さがしのばれます。今、お子さんは独立し、状況は変わりましたが、余震が続く中、「足手まといの私のことは置いて逃げてほしいと思っています。決して恨んだりはしないと誓って言えます」と胸の内を明かします。
東京都八王子市の主婦、竹田藤子さんは、Q&Aに掲載された「福祉避難所が被災地などに約40か所」という記事への感想を送ってくれました。
福祉避難所は、被災した高齢者、障害者、妊婦が避難生活を送る避難所で、災害時に、福祉施設や一般の避難所の一角に設置されます。仙台市は事前に多くの福祉施設と福祉避難所設置の協定を結んでいたため、スムーズに開設することができました。竹田さんは、自分の住む地域ではどうだろう、と、八王子市役所の担当課に聞いたところ、「障害者のための特別支援学校など約50か所の施設と、福祉避難所設置の協定を結んでいる」との答えでした。知的障害のお子さんを持つ竹田さんもこれには一役買っていて、特別支援学校のPTA会長をしていた時に、福祉避難所の整備を市議に働きかけたそうです。
「今では、学校に、毛布や水、食料などの備蓄もあるという。あの頃はこんな大震災が起こるなど考えもしなかったが、PTAとして運動してよかったと思う。障害のある子どもの親が少しでも安心してくれたらうれしい」と締めくくります。
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ご意見を募集しています。テーマは、「震災と高齢者、障害者」「専業主婦と年金」「わが子のシューカツ(就職活動)」です。
住所、氏名(紙面では匿名も可)、年齢、職業、電話番号を明記のうえ、メール、ファクス、郵便で、下の社会保障部のあて先にお送り下さい。掲載文には薄謝をお贈りします。
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(2011年5月6日 読売新聞)


