県立病院敷地内 社会復帰図る
県は、殺人や放火などの重大な事件を起こしながら、精神障害などのため刑事責任を問えない人に対して治療を行い、社会復帰を促す県内初の「指定入院医療機関」を整備する方針を固めた。県立岡本台病院(宇都宮市下岡本町)敷地内の建設に向け、設計委託費など約6000万円を新年度予算案に盛り込む予定。開設は2012年度後半になる見込みだ。
指定入院医療機関は、01年6月の大阪・池田小学校の児童殺傷事件をきっかけに、05年7月に施行された「心神喪失者等医療観察法」に基づく施設。刑事責任が問えないとして不起訴や無罪になった「触法精神障害者」について、検察官からの申し立てを受けて裁判官と精神科医が審判を行い、入院の決定を受けた人は同機関で1年半を目安に治療を受け、裁判所が認めれば退院して社会復帰する。
県が設ける施設は18床で延床面積1920平方メートル。総事業費9億9000万円は、全額を国からの補助金で賄う。厚生労働省の基準に基づき、少なくとも医師3人や看護師28人、臨床心理士ら5人の計36人が配置され、治療にあたる。
同省によると25日現在、指定入院医療機関は全国に18か所449床あるが、同省が目標とする約800床には届いていない。県障害福祉課によると、関東地方では本県以外のすべての都県で、すでに設置しているか、検討が始まっている。
一方、他県では、設置予定地の周辺住民から安全確保など管理体制について不安の声があがり、玄関を二重構造にしたり、高いフェンスを設置したりした事例もある。県は、こうした他県の例を参考に検討を進める方針で、「今後、説明会などで周辺住民の理解を得ていきたい」としている。
県は、殺人や放火などの重大な事件を起こしながら、精神障害などのため刑事責任を問えない人に対して治療を行い、社会復帰を促す県内初の「指定入院医療機関」を整備する方針を固めた。県立岡本台病院(宇都宮市下岡本町)敷地内の建設に向け、設計委託費など約6000万円を新年度予算案に盛り込む予定。開設は2012年度後半になる見込みだ。
指定入院医療機関は、01年6月の大阪・池田小学校の児童殺傷事件をきっかけに、05年7月に施行された「心神喪失者等医療観察法」に基づく施設。刑事責任が問えないとして不起訴や無罪になった「触法精神障害者」について、検察官からの申し立てを受けて裁判官と精神科医が審判を行い、入院の決定を受けた人は同機関で1年半を目安に治療を受け、裁判所が認めれば退院して社会復帰する。
県が設ける施設は18床で延床面積1920平方メートル。総事業費9億9000万円は、全額を国からの補助金で賄う。厚生労働省の基準に基づき、少なくとも医師3人や看護師28人、臨床心理士ら5人の計36人が配置され、治療にあたる。
同省によると25日現在、指定入院医療機関は全国に18か所449床あるが、同省が目標とする約800床には届いていない。県障害福祉課によると、関東地方では本県以外のすべての都県で、すでに設置しているか、検討が始まっている。
一方、他県では、設置予定地の周辺住民から安全確保など管理体制について不安の声があがり、玄関を二重構造にしたり、高いフェンスを設置したりした事例もある。県は、こうした他県の例を参考に検討を進める方針で、「今後、説明会などで周辺住民の理解を得ていきたい」としている。