ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

手話通訳の課題を指摘 福岡の聴覚障害者団体 「誤解与えやすい」

2009年06月02日 00時35分50秒 | 障害者の自立
 福岡県聴覚障害者協会(田口博人理事長)と同県手話通訳士会(土谷和子会長)は1日、聴覚障害者が裁判員に選任された場合に十分な情報が伝わるような配慮を求める要望書を、福岡地裁に提出した。動作で言葉を表現する手話通訳は、裁判員となった聴覚障害者に対し、法廷で固定したイメージを持たせてしまう可能性もあり、なお課題が多いという。

 土谷会長によると、例えば「放火」を手話で訳す際、実際にはその方法が不明の場合も、通訳者によっては、マッチをするしぐさで表現したり、ライターで点火するしぐさをしたりする。こうした表現によって誤解を与える懸念があるほか、日常は使わない用語も多く、法廷で正確に通訳するためには研修や事前打ち合わせが不可欠という。

 要望書では▽手話通訳や要約筆記など、本人が望むコミュニケーション手段を選べるようにする▽交代要員も合わせ、裁判員1人に通訳者3人を派遣する▽審理の前に裁判官、裁判員、手話通訳者との事前打ち合わせの場を設定▽手話通訳の研修の実施‐など7項目を挙げている。

 福岡地裁総務課は「障害者の参加に支障が生じないようできる限りの配慮を行う」としている。

自分らしく輝いて 障害者自立の先駆け、新門登さん逝く

2009年06月02日 00時31分21秒 | 障害者の自立
 幼少期から筋ジストロフィーを患いながらも地域で自立した生活を実践し、障害者の自立を目指した県自立生活センターイルカ理事長の新門登さん=享年(49)、宜野湾市=が31日、同市我如古の沖縄病院でがんのため亡くなった。同日夜、宜野湾市真栄原の自宅で通夜が執り行われ、家族や多くの関係者が集まり、故人をしのんだ。新門さんは他の障害者に先駆けて自身が自立した生活を送るだけでなく、多くの障害者の自立を支援し「障害者も自分らしい生き方ができる社会」を目指し続けた。遺族や参列者は「新門さんがやり残したことを『やれ』と言われている気がする」と新門さんが描いた社会の実現に向け、活動を継続していく。新門さんの“魂”は生き続ける。
 告別式は1日午後4時から5時、浦添市伊奈武瀬1丁目7番1号のいなんせ会館で執り行われる。
 新門さんは36歳まで病院生活をしていたが障害者の自立を求めて筋ジス患者で初めて、病院を出て地域で生活した。新門さんの障害があっても外で自由に生活したいとの思いにも「自殺行為だ」と反対意見が大半を占めた。だが「外で死ねる事ができれば本望だ」と新門さんは自分の意思を通し、生活を始めた。
 生活にはリスクも伴った。介護士が限られた時間しか来られず、全く動けない苦痛の中でも「病院に戻りたいと言ったことはなかった」と最期をみとり自身も脊髄小脳変性症を患う妻の直美さん(50)は振り返る。入院中も痛みが残る中、筋肉に影響が出る痛み止めを極力使用せず、親しんでいた絵画を展示できるギャラリーを開くことや障害者が自立して生活するグループホームへのヘルパー派遣に意欲を燃やしていた。
 直美さんは「自分が登の生きざまを本にまとめ、生きることに関心のない若者にこんな人がいたということを伝えたい。わたしに『やれ』と言っている気がする」と話す。
 新門さんと共に「障害のある人もない人もいのち輝く条例づくりの会」共同代表を務めた弁護士の岡島実さん(44)に病床の新門さんは「障害者が高度医療を受けられる保障を条例の中に盛り込んでほしい」と懇願した。それが最後の会話になった。岡島さんは「新門さんがやってきたことをみんなで話し合い、受け継いで条例の中に生かしていきたい」と話し、新門さんの思いを尊重した条例制定を目指す。イルカ副代表の長位鈴子さん(46)=宜野湾市=は「信じられない。大きな存在の人が亡くなってしまった」と言葉を失った。「みんなが苦しくなったり悩みを抱えたときに『新門さんだったらこうする』と考えるだろう」と話し、長位さんは新門さんの遺志を継承するつもりだ。

富山大・発達障害の学生支援 SNSで相談活性化 /富山

2009年06月02日 00時30分34秒 | 障害者の自立
◇先進性で北陸の拠点に
 対人関係がうまく築けず、学習などに困難をきたす発達障害の大学生の支援に、富山大が取り組んでいる。学内向け「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」(SNS)と対面相談を組み合わせた先進的な態勢で、全国的にも注目されている。今年1月には北陸地方で初めて、障害学生の就学支援について他大学からの相談にも応じる「障害学生修学支援ネットワーク」の拠点校にも指定された。同大の取り組みを紹介する。【蒔田備憲】

 富山大が、支援の拠点となる「トータルコミュニケーション支援室」を立ち上げたのは08年。それまでの学生相談は面接が一般的だったが、コミュニケーションが不得意な学生の場合、うまく悩みや思いを伝えられないケースも少なくない。そこで同大は学内SNS(PSNS)を活用する支援を考案した。

 同大のPSNSは、学生と教職員が対象で、参加すると一人一人の「ページ」を持ち、日記や写真を公開できる。友人や親しくなった人は「マイフレンド」に登録でき、ある分野に関心を持つ人たちが集う「コミュニティ」を立ち上げたり、加わったりもできる。

 24時間いつでも書き込めることや、閲覧者を制限できる安心感があること、また発達障害の学生は対面コミュニケーションが不得意でも、文章での表現なら可能なケースが多いことから、PSNSが支援に有効と考えたのだ。

 同室の吉永崇史特命准教授は、PSNS活用の効果について「コミュニケーションの『質』と『量』が高まった。学生が具体的な心配事を伝えてくれるようになり、どんな悩みを持っているか把握できるようになった」と話す。

 入学直後に保健管理センターに相談を寄せてきた女子学生の場合、「人の顔が見て話せない」「人と仲良くできない」と訴えていた。医師の診断はないものの、発達障害の一つである自閉症の症状に近く、面談してもなかなか会話が弾まなかった。

 そこで吉永准教授らはPSNSの利用を提案。女子学生が趣味の旅行の話を書き込んだ際は「印象に残ったのはどこ?」などと、コメントを必ず数回は添えるようにした。すると積極的に感情や意見を記述するように。今は、就職や授業の相談を積極的に寄せるようにもなった。

 現在、同室が把握する学生は約20人。吉永准教授は「PSNSと面談を調和させることで、障害のある、なしにかかわらず、充実した学生支援ができる。目指すのは、そういったユニバーサルデザインの相談態勢」と話す。

 日本学生支援機構の調査では、07年5月時点で、全国の大学、短大、高等専門学校に在籍する発達障害の学生は、98校で178人。ただこの数字は、医師の診断を受け、各校が把握している分で、同機構は「実数はもっと多い」とみる。

 履修計画、卒業論文、就職……。大学などは、高校までと違い、自ら考え、選択を迫られる場面が増える。しかし多くの大学では、発達障害者への十分な配慮ができているとは言えない。

 「発達障害者支援法」(05年施行)は「大学及び高等専門学校は、発達障害者の障害の状態に応じ、適切な教育上の配慮をする」と規定している。文部科学省高等教育局は「発達障害の学生支援は施策の大きな柱」としているが、現在は「ノウハウを蓄積しているところ。まだ始まったばかり」という状態だ。

 発達障害教育に詳しい同大の水内豊和准教授は「米国の大学には、障害学生の窓口になる『ディスアビリティーセンター』が備わっている。日本でも『障害センター』のような全学的組織を全国的に整備すべきだ」と主張している。

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 ■ことば

 ◇SNS
 国内最大手「mixi」(ミクシィ)などに代表されるインターネット上のサービス。プロフィルや日記などを公開でき、共通の話題を持つ会員同士で交流することもできる。誰でも閲覧・投稿できる掲示板と違い、利用者からの紹介がないと登録できないことが多い。富山大のPSNSは、学内関係者のみが利用できる。


障害者講師育て派遣 札幌市内の社協 「学校、団体で現状語って」

2009年06月02日 00時28分28秒 | 障害者の自立
 札幌市中央区社会福祉協議会(吉中新太郎会長)は6月から、地元の障害者を講師として育成し、学校や団体に紹介する事業を始める。障害者が自分たちの置かれている現状などについて直接語ることで、地域全体に障害者への理解を深めてもらうのが狙いだ。

 障害者の社会参加を進めるのも目的の一つ。道障害者保健福祉課によると、講師育成や紹介事業は「全道的にも珍しい」という。

 研修は6、7月に計4回実施。ラジオアナウンサーの喜瀬ひろしさんや、すでに学校などで講演する障害者らが指導する。

 講習を受けた受講者は、8月に予定されている小中高校の教師の講習会で「講師デビュー」する。その後は同社協に講師として登録し、依頼に応じて小学校で福祉の基礎知識を話したり、民生委員の研修で障害者が日常困っていることなどについて講演したりする。

 対象は中央区内に住むか勤務先が中央区内にある障害者。受講は無料だが、6月9、23日、7月2、16日に中央区内で行われる講習(いずれも午後6時から8時)すべてに参加できることが条件。定員15人、申し込みは6月5日まで。問い合わせは同社協(電)011・281・6113へ。

選挙:北海道・千歳市議選 全盲の落野さん当選

2009年06月02日 00時27分21秒 | 障害者の自立
 任期満了に伴う千歳市議選(定数25)が31日投開票され、無所属新人で全盲の落野(おちの)章一さん(61)=しんきゅうマッサージ治療院経営=が初当選した。北海道視力障害者福祉連合会(札幌市)は「全盲の市町村議員の誕生は、道内では初めてではないか」と話している。(25面に確定得票数)

 千歳市で生まれた落野さんは、9歳で失明した。

 73年から治療院を開業。98年にはケアマネジャーの資格を、道内では初めて点字受験で取得した。市議選立候補は「障害をもつ当事者だからこそ、つかみ取れるニーズがあるはず」と思ったことがきっかけだ。

 計29人が出馬した選挙戦。落野さんも選挙カーに乗ったり街頭演説会を経験した。

 ケアマネジャーの経験から、認知症や独居高齢者の支援充実を訴えて支持を広げた。「市民からの拍手や声援に勇気付けられた。高齢者や障害者の問題を先頭に立って動かしていきたい」と意気込んでいる