goo blog サービス終了のお知らせ 

 漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

黄昏のエア (17/32) 恋愛妄想小説執筆拒否

2009年09月06日 11時14分44秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、ここでアラベラさんに言っている、

「 君自身が書けばいい。 」

― と、いうのを、
パリの在住英国人の親睦会で、ヒュームさんから言われちゃってるんですが、
覚えていらっしゃる方いますか?
…実は、作者もさっき思い出したくらいなんですがね ― 。

 今話10ページと11ページの間では、
漫画では省略されていますが、アラベラさんはユージン様から、

「 もう、こんなお姉さんの恋愛妄想を元にした小説なんて書きたくない! 」

― と、いう叫びを叩きつけられ、アラベラさんは衝撃を受けたのでした。

 アラベラさんの原案で、ユージン様が実際に執筆した小説が
どのような内容かを大雑把に言うと、

 「 めぐり逢う魂 」 は、何度も言うように、ほとんど 「冬のソナタ 」 だし、

 「 マレストン・ホール 」 は、 「 小公女セーラ 」 + ジェイン・オースティンさんの
「 マンスフィールドパーク 」 みたいだし、

 「 家庭教師 」 は、 「 ヌーヴェル・エロイーズ 」 + 「 高校教師 ( 旧 ) 」 + 「 魔女の条件 」
みたいな話なのでした。

 その中で、 「 家庭教師 」 が、ユージン様の作品の中では、
初の殺人シーン ― ( しかも主人公男女共謀の ) ― も出て来るという、
突出して過激な内容で、
アラベラさんの生い立ちと願望が色濃く反映されていたのでした。

 同じ頃に発売されていた、 「 トリストラム・シャンディ 」 第5・6巻の
売り上げが不振の一方で、 「 家庭教師 」 は賛否両論・新境地開拓との話題で売れていました。
それでも、ユージン様は大変不本意で不満足なのでした。


 今話の最後で、 「 ハリソンさんとシャンディ氏との関係のさらに何パーセント 」
― かが明らかに…?!

 来週は、アラベラさんがハリソンさんの言葉にピキーン!
となって、帰宅してしまいます。

〈 次回の更新は9月12・13日の予定 〉

黄昏のエア (16/32) 姫読者&令嬢読者達の反感

2009年09月05日 13時30分31秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 アラベラさんの言っている事は本当で、
18世紀後半の英国では識字率が上がり、読書市場が拡大し、
特に女性読者が大変増加し、
本を読むだけでは満足できずに、自分も文章を書いて世間に発表しようとする女性も、
相乗効果で増加するという事になって行きます。

 当時の女性作家の人達は、
J.J. ルソーさんの 「 ヌーヴェル・エロイーズ 」 を読んでいたり、
リチャードソンさんやフィールディングさんの小説を読んでいて、
彼らの女性の描き方に納得のいかない所もあったのかもしれません。
それで、 「 わたし達はこう描くわ! 」
― と、意気込んでいたのかも ― 。

 ところが反対に、ジェイン・オースティンさんを総大将として、
いにしえの女性作家達には、慎みの観点からも、男性同士の描写が上手くできないという問題がありまして、
特に、「 トリストラム・シャンディ 」 にも顕著にあるような、
男性の ** ・ ** ・ ***** の世界については難易を極めるのでしょうし、
受け手と想定される、お姫様&お嬢様読者の方でも、

「 わたし達は、そんなの読みたくありませぬ! 」

― と、凄まじい抵抗となってしまうのでしょう。


 ちなみに、「 英国読者公論 」 での 「 トリストラム・シャンディ評 」 の方はと言いますと、

「 数十年前の人物の話なら、何とかまだ、
『 あららー、昔の人は大らかだったんですね~。 』
とあきれ半分にガマンもできるが、
今時、こんな親世代の悪を引きずって、知識の撒き散らし&下品なほのめかしをしている人物がいたら、
今時の世間からは蔑まれて当然ではないか! 」

 …との、キツキツ・バッテン・パーンチ! だったのでした。

 今日の続きは明日。

黄昏のエア (15/32) 影の作者

2009年08月30日 10時23分57秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 アラベラさん、 「 夏休みの読書感想文が書けないよ~っ! 」 
と泣きついて来る子供に、

「 この本読んでこう書けば? 」 ― とか、

そんなモンは、ハナっから省略して、

「 もうっ!私が下書きするからそれを清書して学校に持って行きなさいっ! 」

― って感じのお母さんみたいですな!

 …何なんでしょうか、独身時代の自己表現に悔いが残っている才女様達が、
子や孫までも通して無限に欲求不満を晴らそうとしたり、
独身時代内でも、自分より立場が弱かったり、
性格がソフトな人間に対して、余計なお世話のプロデュースをしたがったりするのは ― 。

 才女様達の子供達に意外と問題児が多いのを見る昨今、

「 女性に学問はいらない。 」

― と、いうのは、決して男尊女卑の差別だけでは無く、
実は他の意味もあるのでは ― と、作者には思えて来るのでした。


 「 影の作者 」 ― この言葉をよく覚えていて下さい。

ハリソンさん、1762年4月現在では、全くの無自覚ですが、
いずれ無関係では無くなり、
人生最大の脅威となって襲って来るのですから。


 次回はアラベラさんが、
自分のプロデュースした作品に向けられた批判への不満を爆発させます。


〈 次回の更新は9月5・6日の予定 〉
 



黄昏のエア (14/32) シンパシー

2009年08月29日 15時22分45秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、ヤバい展開になりそうなのを阻止すべく、
話題を変えてしまいました。
そしたら、こっちでもまたヤバい展開になって行ってしまうのでした。
( ハリソンさん、そういった事は第5話でもやっているし、
これからもする事でしょう…。 )

 病気が治ったアラベラさんが、シンプソン家から帰宅する時に、
ダンナのヘンリーさんはコルチェスターの領地にいたので、
代わりにユージン様がお礼の挨拶と迎えに来たのでした。

 ユージン様、英国文壇の重鎮、サミュエル・ジョンソンさん ( 1709-84 )
とその取り巻き連中の事を、雑誌のインタヴューで、

「 いい年こいてお山の大将と美しくないがゆえに彼のお気に入りの寵臣達 」 とか、
「 大将様は、後世でトリストラム・シャンディよりも大変人と絶賛される事でしょう。 」

…とか言って挑発してしまった事もあったようです。

 世間では、ライバルと思われているユージン様とシャンディ氏なのですが、
ちょっと前の 「 長澤会 VS. 沢尻会 」 の如しで、
読者やマスコミ関係者が勝手にライバルだと煽っているだけなのかもしれません、

 当人同士はどちらも文壇から ( そして多分血縁者から ) 孤立してしまっているし、
作品についても、酷評する人からはメチャクソ激々にされているので、
案外シャンディ氏の方も、ユージン様に内心では
拍手喝采を贈っているのかもしれません ― 特にジョンソンさんから、

「 英語になってないと言ってやりたいね。 」 Σ( ○ 。○ ; )

なんて言われていた事を知ってしまってからは! ― 。


 あの~、ローレンス・スターン研究者&愛好家で、
もしこれをご覧になっている方々~っ、
「 友人を楽しませるために、切り立った丘の斜面を転がり落ちて喜ぶ。 」
なんて事をスターン氏がしたなんて証言資料はどこかにありますか~っ?!

〈今日の続きは明日。〉

 

 

黄昏のエア (13/32) スケッチブックを見せろって!

2009年08月25日 18時42分05秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 一見、逸脱系 * * トークなだけのようですが、これ、実は立派に伏線なのでした。

 え~、この物語中で、何回か作者はクイズを出すつもりなのですが、
完結記念サンクス・スペシャル ( いったい何年後?! )
― に、全問正解者の中から、抽選で豪華プレゼント ( ? ) があるかもよ?!

…正解を知りたかったら、生きていなせぇ! 


  1問目は、第10話 「 波乱の親睦会 」 の4ページ目、
新しいパリ駐在大使を迎えての親睦会場で、ウォルポールさんとヒュームさんが、
どこにいるか?

  そして、2問目は、↑のスケッチブックに描いてある食べ物は何?

 まあ、今ではワシらもフツーに食べていますな。
ダイエットのために食べている人もいるし、
弁当に持って行けるようなプラケースも最近できましたっけな。
それから皮は昔、コントのすっ転びシーンに使われてましたな。

 …それから、作者、若い頃に、寺山修司さんのとある本で読んだのですが、
これの木のかすかなつぶやきを聞くと必ず死ぬんだそうです。
うへ~っ、おとろてぃや~。 


 尼将軍様に聞く所によると、女子先輩と他部署のオニータンは、
ちゃんと自分達でアブナイ話をしている事に気が付いて、
「 こいつら何の話してんだって、周りは思うぜ! 」
― って言っていたのだそうです。

 次回からは、ハリソンさんとアラベラさんが、
ユージン様の評判話からケンカになって行ってしまいます。

〈 次回の更新は、8月29・30日の予定 〉

黄昏のエア (12/32) 何の話をしてるんだか…

2009年08月24日 20時19分41秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 …んでもって、3年以上前に描いた、元々の原稿分につながるのですが、
絵柄が多少違う事についても目をつぶっちゃって下さい。

 ハリソンさんとアラベラさんは、パステルである食べ物の絵を描いています。

 二人で 「 それ 」 を連発しているのですが、
英語の “ it ” にも、日本語の 「 それ 」 にも、
ここで決して言語化させてはイケナイ、
あるアブナイ連想をさせる効果があるというのを、何かで読んだ記憶があります。
でも、ハリソンさんたらねー、ぶっちゃけ次の15話 「 トリシャン・コード 」 内では、
心の叫びとはいえ、そのまんまズバリで言っちゃってますけどね~!!

 この物語開始以来初の際どい会話なのですが、
( まあ、 「 キチャナイ会話 」 の方についても、無かったと言うつもりは毛頭無いが…。 )
ハリソンさんは、

「 自分達が際どい話をしているように、端からは見えてしまう可能性がある。 」

― と、いう自覚が次ページまで
起こって来ないし、アラベラさんはその後も起こらなかったようです ― 。


 このエピソード、実は、尼将軍様が職場で若い頃に、
実際に遭遇した会話を元ネタにしています。
聞く所では、これとほぼ同じ会話を、彼女のいた部署の女子先輩と他部署のオニータンが、
至近距離で話していたのだそうです。

 今日の続きは、
今週の土曜日より明日の方がつながりが良くなりそうなので明日にします。
 


黄昏のエア (11/32) 被害を受ける者は第三者、それも…

2009年08月23日 14時49分59秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 アラベラさんとヘンリーさん、一見夫婦円満のようですが、
アラベラさんは、DSS ( 家庭内ストックホルム・シンドローム ) で、
年が離れた、オヤジの風格を持つ男性の扱いに対しては、
両親と同居していた頃の不快な出来事を決して繰り返さないようにと、
大変な注意を払い、自己抑制しているだけなのでした。

 一方ヘンリーさんは、不幸な死を遂げた2人の妻への扱いに対する後悔もあり、
シドニー姉弟を、妻達の復讐の呪詛で全滅したのかもしれない、
子供達の代わりのようにも思っている事もあり、
アラベラさんの事は、たとえ形だけだったとしても、
全く不自然無く自分を夫として立ててくれているし、
家の事はそれなりにやってくれていているので、
若くて美人で聡明な自慢の嫁だと思っているのでした。

 …そういう訳で、お互い協調し合って、
今の所は上手く行っているのでしたが…。

 By the way, ヘンリーさんの読んでいる雑誌と思われる
読み物なんですが、

“ Who's the Gardener ? ”
「 庭師はどなたですか? 」

― つ~、庭の手入れの良い事へのほめ言葉がタイトルになっています。

 
 ―― んでもって、アラベラさんは、
シンプソン家へと、 「 英国版妖怪ぬらりひょん 」 かもしれん人に会いに行くのでしたが…。

 今日の続きは明日。
やっと加筆分が、夏と共に終了!
今後しばらくは、通常更新に戻れそうなモヨウ。

 

黄昏のエア (10/32) あの妖怪に会いたい?

2009年08月15日 21時00分16秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 話が飛躍しているようなのですが、ユージン様、

「 お姉さんは、僕がいいトコ取りばかりしているような事言ってますけど、
そうでもないですよ。 」

― ってな事を言いたくて、ウィンザー宮殿での、つまり…、

「 ちゃんとした男の人達は、女子供向けの小説書いてる自分の事などいくら人気があっても軽視していた。 」

という事を話したのでした。

 実家が経営しているアクセサリー店の顧客の某紳士様が、
自分が叙爵される式典へと、ウケ狙いでユージン様を随行して行ったのでしたが、
狙いがみごと外れてしまったという話です。

 育宮殿下 = ヨーク公爵 ( 国王の弟君 ) の事です。
日本の皇室風の呼び方ですが、何の事はナイ、セリフの文字数に
制約があっての省略なのでした。
省略といえば、コマの省略もあって、1コマめから2コマ目までの間で、
すでにユージン様は、地べたに椰子の苗を置いてしまっていたのでした。

 もし、ハリソンさんが、本当にトリストラム・シャンディ氏で、
この行事に参加できていれば、いろいろな可能性が開けて来る出会いが
あったのかもしれない事でしょうに。残念でしたね~。
( ちなみに、ユージン様のセリフにもある、ピット総理またはチャタム伯爵への献辞は、
「 トリストラム・シャンディ 」 第1巻8章と第2版以降の1章の前と、最終巻の頭にあるようです。 )

 でも、明らかにアラベラさんとは、キモメン扱いされて出会う事すらできないかも。
シクシク…。

 まあ、ハリソンさん、何度も言っていますが、バツイチ・ヘタレの干物男で、
人付き合いも苦手と自分から言っているくらいなので、
元祖ネイボッブ ( インド成金 ) で、親子2代の総理大臣を輩出した、
ガッツ・ピット一族に加われたのかは甚だ疑問なのですが…。


 …確かに、日本では 「 トリストラム・シャンディ 」 の事は、
「 妖怪鵺 ( ぬえ ) みたいな小説 」 と言われているみたいですが、
アラベラさんの妖怪のイメージの出所は、彼女が見たある漫画からのようです。
その漫画については、第15話 「 トリシャン・コード 」 に出て来る事でしょう。

 あと、1ページ分、出来上がり次第となります。




 

 




黄昏のエア (9/32) 姉と弟

2009年08月12日 22時21分32秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 ヘンリーさん、南国系植物の栽培マニアなのでした。
お庭には、椰子の一種やら、夾竹桃やら、レモングラスらしき草やらが
植えてあるのでした。
そして、温室には芭蕉やら、ジャスミンやら、蘭科の草花やらが
集められているのでした。

 ちなみに、椰子の木はロバート・バートンさん ( 1577 - 1640 ) の本にも
書いてあったような夫婦 ( めおと ) 椰子です。

 ヘンリーさん、お金持ちですが、宮殿のような豪邸は持たずに、
動植物の珍種集めの方へとお金をかけてしまっているようです。

 ユージン様はヘンリーさんの趣味をとても尊重し、
ヘンリーさんも育てた苗をユージン様にあげたり、
飼育・栽培の苦労や薀蓄を語ったりして、お互い頻繁に交流していました。

 他にも、小公子セドリックさんがドリンコートお爺様伯爵の厳しい心を
解きほぐして行ったような事を、ユージン様もお義兄さんへとしたお陰で、
ヘンリーさんはシドニー姉弟を、妻とその弟というよりは、
あれだけ2人の妻から大勢得ながらも、全滅してしまった実子達の代わりにと
愛しているのでした。


 アラベラさん、前話でハリソンさんに話していた事が本当だとすると、
本ページのセリフって、スコブル嫌味っぽ~いってな感じ。
でも、ユージン様の方でもお姉さんに不満有りげ…。

 引き続き更新は出来次第。
次ページでは、アラベラさんはトリストラム・シャンディ氏を * * ・ * * とまで呼び、
ユージン様は彼と * * * になりたいとまで言い、姉弟ユニットで意見の対立が明るみに!
 


黄昏のエア (8/32) 選挙の時の人気者

2009年08月02日 15時48分51秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


  東印 ( 東インド会社 ) の株は、
1766年に人気沸騰になるまでは安定株だったようですが、
1757年以降から、同会社を通じてインドを英国が植民地化する事が進み、
増収が期待されたため、今の日本にもそんな人達がいますが、
状況を先読みして、あれこれ動き回りたがる人達がいたって事でしょうかね?

 取締役については、現メンバーの誰かが死亡するか、
2,000£以下の持株になって資格を失うかしないと、
メンバーの入れ替わりはなかったようで、
しかも、ポスト争奪戦の競争率はかなり高かったとの事でした。

 ヘンリーさん、筆頭株主なのですが、10,000ポンド以上の株主は、
アラベラさんのセリフの通りで、4票の投票権を持っていたそうです。
それから1784年までは、株主総会の力が強かったようなので、
アラベラさんへの働きかけは、いざ取締役就任後に、
会議がスムーズに進むようにとのご機嫌取りの意味もあったのかもしれません。

 ところで、ヘンリーさん、死亡した2人の妻が、
もし、本ページのアラベラさんのようなセリフを言ったのなら、
機嫌を悪くして、良くて睨みつけた後で黙殺するか、
悪くなると怒鳴りつけて、女性差別&見下し丸出しの態度を取っていたのかもしれません。

 2人目の奥さんが亡くなる時と、その後にある不気味な出来事が相次いだ事と、
結婚当初、DSS ( 家庭内ストックホルム・シンドローム ) だったアラベラさんを哀れに
思った事で、ヘンリーさんにも変化が出て来たといった所でしょうかね。


 作者担当の心理療法士の先生は、
家庭内ストックホルム・シンドロームの提唱者、岩槻謙司さんの事を作者が話していた時に、
「 バンドやったり、超常現象に興味持ったりしてるみたいですよね~。 」
なんてトンチンカンな受け答えで話が噛み合いませんでしたが、
大槻ケンヂさんと勘違いしている事が分って、二人で大爆笑でした~っ!!

 次回更新も出来次第です。
次回からは、アラベラさんと弟ユージン様のチクチクな心理戦と、
二人がそれぞれトリストラム・シャンディ氏をどう思っているかが描かれる予定。


黄昏のエア (7/32) 半月ぶりの再会

2009年07月26日 15時23分18秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 昨日は予定通りにアップができませんでした。

 こんな時に限って、複雑な床の模様とか、点描があったりして。
しかも、尼将軍様ときたら、「 加筆せよ。 」 とか言っておいて、
自分は、「 夏だ~!祭りだ~!! 」
とか言って、こっちは放ったらかしで、
花火大会や盆踊りや、リフレクソロジーとやらに行って、
癒されまくってんですからね~っ!

 作者&他メンバーも、夏休み前の本職の仕事量増大で、
残業続き地獄、全く人手が無かったんですわな~。

 こんな調子で来年から大丈夫なんだろか?
今年分までは描き貯めがあるから何とかなるけど。
今回の試み ( アップする週にする分を描く ) で、
先行きが不安になって来ましたわい。

 …なんてボヤキはここまでです。ごめんなさい。

 アラベラさん、当時の英国にはほとんどいなかった狐犬、
ポメラニアン君&召使さん達とキャンベル家のロンドン邸でお留守番していました。

 年の離れたダンナのヘンリーさんは、用事があるごとに、
ロンドンとコルチェスターにある領地を行ったり来たりしています。

 ヘンリーさん、今でこそいろいろあって人間丸くなり、
「 トリシャン・カノ紳version. 」 ( ← カテゴリー参照 ) のトゥビー叔父さんにちょっと似た雰囲気の、
「 いいお父さん夫 」 のキャラに辿り着いたのですが、
昔は、も~他人には冷酷無比の上に、死んだ2人の妻にとっては、
ウルストンクラフト女史 ( 1759-1797 ) が怒りに震えそうなくらいの、
ほとんど虐待夫だったのでした。


 上記の理由で、次ページも出来上がり次第アップとさせて下さい。
後の加筆ページもお盆休みに取り返せたらいいなと思いますが ― 。






黄昏のエア (6/32) 夫は敵にあらず

2009年07月19日 17時24分42秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 まいけるっちのセリフの中の 「 東印 」 とは、
東インド会社の事です。
毎年4月の第2木曜日に行われていたようで、
取締役になるためには2000£以上の株を所有している必要がありました。

 票を投ずる側も、持株によって投票できる票数が違い、
筆頭株主のキャンベル氏は、最高数の投票権を持っていました。

 ハリソンさんとアラベラさんには、実は文芸趣味以外にも共通点があって、
実父に対して、 「 知識 」 をキーワードにした恨みを持っています。

 ハリソンさんは、彼の父親が学歴コンプレックスから、
逆に知識の絶対性を信じ込んだ挙句、
幼年期から大学入学前のハリソンさんへとその思想を厳しく押し付け、
わざわざハリソンさんが人から嫌われたり、
苛められるようになる種を仕込んだのを、未だに許せないでいるのでした。


 次ページからは、
アラベラさんと、彼女の理想の父親像が投影されたキャンベル氏との、
仲睦まじい再会。

〈 次回の更新は7月25・26日の予定 〉




黄昏のエア (5/32) 恋だけでは全てが上手く収まらない

2009年07月18日 18時51分50秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 タイトルが何か、徳川家康さんが直江兼続さんへと、
千利休さんの茶室の中で言ったセリフみたい。
家康さんは、「 愛だけで世の中全てが上手く収まりますかな? 」
みたいな事言ってたような気がするけど。

 ハリソンさんが単純&脳天気な恋ばかりしまくった挙句、
「 恋の兜教 」 とやらを18世紀後半の全欧米&Theirs 植民地に広めて行ったとしたら、
全然カンドーの涙も説得力も無いわな~!!
コントにならなるんでしょうけど。

 ついでに、まいけるっちのセリフ、
「 勝手にしろ。 」 なんて一旦言っときながら、
「 そうは行けないんだな。 」 って落とすなんて、
いったいどっちなんだよ? ― って感じですよね~?!


 いよいよアラベラさんの旦那の影が ― 。

今日の続きは明日。

黄昏のエア (4/32) 恋神礼賛

2009年07月12日 10時03分12秒 | 第14話/黄昏のエア
Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、ヘルメットに 「 恋の前立て 」 付けて、
「 恋という字は、10画ですよっ! 」 と、大喜びですが、
アラベラさんが、ハリソンさん ( &もちろん旦那さんの ) の知らない所で、
「 どこかの誰か 」 とデヴォンシャー公爵夫人+お紅茶総理伯爵みたいな仲になっていたとしたら、
どうすんでしょうか?


 …ちなみに尼将軍様、生・沢村一樹セクスィー武将さんを見た事があるそうです。

 アップする分をその週中に描くのはキツイぜ!
これが終わったら、来週以降の分の原稿下描きをせにゃならぬ。

〈 次回の更新は18・19日の予定 〉

黄昏のエア (3/32) 堅物 Versus 遊び人 

2009年07月11日 20時55分57秒 | 第14話/黄昏のエア

Copyright © 2009 gmprogect All rights reserved.

* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 少なくとも1762~65年のハリソンさんを見る限りでは、
ハリソンさんが昔からの遊び人で、女ったらしに見えるのかもしれないのですが、
ハリソンさん、28歳で最初の結婚をするまでは、
女性には自分から近付いたりはしなかったのでした。

 …というのも、両親がハリソンさんの定義では、奇人変人変態カテゴリー内なので、
その血を受け継ぐ自分は、まともな結婚など決してできないだろうし、
それどころか異性に相手にされる権利すら有しないと、
真剣に苦悩していたからなのでした。

 反対にまいけるっちと来たら、
30歳でベリンダさんと年貢の納め時になるまでは、
「 恋する機械 」 なんて呼ばれていて、
友人達が彼らの姉妹達や従姉妹達の貞操の危機を警戒していました。


 ウォルポールさんの時もそうでしたが、
ハリソンさんの方が、たいていの人よりも、背がずっと高いのでした。
まいけるっち、もしかしたら160センチ前後くらいかも…。
尼将軍様と同じくらいかよ!

今日の続きは明日。