風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

女子高生

2011-10-12 16:40:37 | バス
 いつもの停留所からバスに乗ろうとしたら、
 乗車口まで女子高生であふれていた。

  正午をちょっと過ぎた時間である。
   テストでもあったのか下校時間と重なったらしい。

    女三人よれば姦しいのは、
   女子高生ならずとも、ばあさん連中だってかわりない。
   理解はしているつもりである。

    しかし、それにしてもピーチクパーチクすさまじい。
   誰が何を言っているのか、聞こえないほどの騒音である。

   おまけにシルバーシートも当然のごとくに彼女たちが占拠している。

    彼女たちを責めているのではない。
   ひとりひとりは、きっと優しい良い子たちに違いない。

    不思議でならないのは、
   学力よりなにより、制服を着たままシルバーシートを占拠する見苦しさを、
   先生たちはなぜ教えないのか。

    それを教えるのが教育というものではなかったか。
   ましていわんや、女子高である。

    制服を着ているときは学校の看板を背負っているのである。

     黙らんか! いい若いもんが、シルバーシートになんか座るんでない!
  
    そう言って教えてやるのが、本当の親切というものである。
  
    しかし、風子ばあさんも、もう老いた。怒鳴る勇気も元気もないので、
    胸のうちでだけ、カッコ悪いよ、あんた達、と呟く。


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