風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

アシスタント

2011-05-22 11:08:45 | 仕事
  このごろの美容院では、
 トップスタイリスト、スタイリスト、アシスタント、などと、中々に気どった呼び方をする。
 
  これに店長がいて、
 「ご指名は?」
 などということになる。

  今日、その、アシスタントが、風子ばあさんの髪を乾かしながら、
 「私、彼氏いないんですよォ」
  などと言う。

 「ふうん、まだ若いんだから、これからでしょ」
  こうでも言うしかない。

 「でもォ~、友だちにはみんないるんですョオ~」
 「ふうん」
  風子ばあさんは、邪魔されずに週刊誌を読みたい。

  そのうち、
 「あのォ、原発とォ、活断層とォ、違うんですかァ?」
  ときた。
 「違うに決まってるでしょ、話にならん!」

 話にならん! と言われても、彼女は、それが叱られているとは思わない。
 「えっ、ほんとですかァ、嘘ッォ~」
 
 ねえ、ねえ、その「嘘ッオ~」と言う喋り方やめたら、彼氏できるかもよ、
 と言ってやろうかと思ったが、無駄なような気がしてやめた。
  
 彼女は彼女なりに、客を退屈させぬようにと会話を心がけているのかもしれない。
  どちらも、ご苦労さまです。


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