若い仲間と、海辺に牡蠣を食べに行った。
砂浜の小屋で、コンロの炭火に生牡蠣をのせて焼く。
十名を超す仲間の中で、風子が一番年長である。
年をとって嬉しいことのひとつに、みんなが大事にしてくれることがある。
風子さん、これ焼けましたよ、と殻まで剥いてくれる。
「ありがとう」
ビールはいかがですか。
「ありがとう」
握り飯もありますよ。
「ありがとう」
うちわエビはどうですか?
「え? 食べたことないなあ」 と言ったら、
冥土の土産に食べてみませんか?……ときた。
冥土の土産ねえ……。
そうまで言われる年になったかと思ったら、大事にされても、喜んでばかりはいられない。
砂浜の小屋で、コンロの炭火に生牡蠣をのせて焼く。
十名を超す仲間の中で、風子が一番年長である。
年をとって嬉しいことのひとつに、みんなが大事にしてくれることがある。
風子さん、これ焼けましたよ、と殻まで剥いてくれる。
「ありがとう」
ビールはいかがですか。
「ありがとう」
握り飯もありますよ。
「ありがとう」
うちわエビはどうですか?
「え? 食べたことないなあ」 と言ったら、
冥土の土産に食べてみませんか?……ときた。
冥土の土産ねえ……。
そうまで言われる年になったかと思ったら、大事にされても、喜んでばかりはいられない。