居酒屋のお姉ちゃんが、
「私って、まだ太宰府に行ってないんです」 という。
私って……ねえ、と思うが、
「ふうん、太宰府くらい行ってごらんよ、梅もいい頃でしょ」
「え? 梅があるんですか」 ときた。
「もういいから、早く串焼き持っといで」 と言った。
焼き鳥の皿を届けにきて、来週は、新潟へ行くんですという。
直行便がなくて、アタミで乗り換えですと言うから、ほう、珍しいところで乗り換えるんだなあと思ったら、
たまたま通りかかった店長が、いや、伊丹空港ですと言葉を添えた。
まったく、今どきの若いもんは……と思いかけたが、ま、仕方ない。
相手は、はたち、そこそこで、こちらは70半ばである。
70年も生きてきたのだから、こちらに多少の記憶の蓄積があるのは当たり前である。
そのかわり、たったいま聞いたことはすぐに忘れるではないか。
若者の知っているバーコードとQRコードの違いもわからない。
だから、これで、オアイコなのである。
はい、もう一杯、ビール持ってきて!
ハーフアンドハーフ!
酒は楽しく飲むべし。
「私って、まだ太宰府に行ってないんです」 という。
私って……ねえ、と思うが、
「ふうん、太宰府くらい行ってごらんよ、梅もいい頃でしょ」
「え? 梅があるんですか」 ときた。
「もういいから、早く串焼き持っといで」 と言った。
焼き鳥の皿を届けにきて、来週は、新潟へ行くんですという。
直行便がなくて、アタミで乗り換えですと言うから、ほう、珍しいところで乗り換えるんだなあと思ったら、
たまたま通りかかった店長が、いや、伊丹空港ですと言葉を添えた。
まったく、今どきの若いもんは……と思いかけたが、ま、仕方ない。
相手は、はたち、そこそこで、こちらは70半ばである。
70年も生きてきたのだから、こちらに多少の記憶の蓄積があるのは当たり前である。
そのかわり、たったいま聞いたことはすぐに忘れるではないか。
若者の知っているバーコードとQRコードの違いもわからない。
だから、これで、オアイコなのである。
はい、もう一杯、ビール持ってきて!
ハーフアンドハーフ!
酒は楽しく飲むべし。