机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

水・空気・手塚治虫

2021-05-25 02:08:00 | 本の読味
 コロナ禍で外出を控えていたが、こらえきれず近隣の古本屋へ赴いた。今年に入って初めてである。

 本当はもうこれ以上、本は増やしたくないのだ。
部屋中、本で溢れていて冬場はストーブも置けない有様である。
だからか今冬は描く絵の枚数が極端に減った。それなのに七冊も買ってきてしまった。

 その中の一冊、手塚治虫著「エンゼルの丘」。これはこれは、子供の頃に見た事がある作品だ。見た事があるという事は一気通貫で読んだ記憶がないという事だ。

 実は本を増やさないために自分の中にルールを作った。どんなに欲しい本でも百円以外の本は買わない。文庫本「エンゼルの丘」は幸か不幸か百円であった。

 この作品は小学生の低学年頃に少女雑誌に連載されていた。どういう経路でこの作品に触れていたのか、今では記憶にないが確かに憶えているのだ。

 当時は手塚治虫という名前をそれほど強く認知をしていなかった。幼少の頃も含めて作者の名前など気にはしていなかったのである。高学年になり鉄腕アトムがテレビアニメとして放映される頃には意識してきた。

 今日のように情報が簡単に入手できるようになると、手塚作品が色々と紹介されている。そういうのを眺めていると、けっこう自分は幼少の頃から手塚作品に触れていることに気付いたりする。
 
 ああ、これも読んだ事がある。見た記憶がある。随分と多くの作品に取り囲まれて生きていたのだと感嘆する。また、これほど多くの作品を描かれていたのかと驚嘆する。作者の名前など気にしていなかった事が恨まれる。

 娯楽が絵本や漫画雑誌しか無かった時代に、かくも空気を吸うように接していた手塚作品であるが、全部を網羅しているわけではない。せめて死ぬまでに一冊でも多く読んでみたいものである。

 水と空気に比喩するのは、あまりにも失礼な話しだが、それほどまでにに自身の身体に浸透していた手塚作品。重ねて言うが、むかしも今も貧乏であるが、生きてこれたのは手塚作品のお陰なのかと思う。
 

 

 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿