机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

遥かな町へ

2013-06-30 15:15:00 | 映画の味方
「遥かな町へ」

漫画家、谷口ジロー氏の名作だ。

この作品を原作とする仏映画を観た。

残念ながら原作は未読だ。
主人公が過去の少年時代にタイムスリップする話だが、それが本筋ではない。

内容は普遍的な人情話だ。
タイムスリップは、あるいは主人公の妄想か心の葛藤とも受け取れた。

原作が未読なのには理由がある。

氏の作品にはもうひとつ似たような作品がある。

こちらは、主人公が交通事故を起こし、加害者の自分と被害者の少年の魂が入れ替わる話だ。

題名は「晴れゆく空」。
金銭的な理由でこれだけ購入した。

敬愛する作家であるが、全ての作品を所有している訳ではない。

私的には後の物の方が傑作だと信じて買った。

映画を観た感想でも、そう思う。

いずれ原作を読む事を約束する。


誰にでも「遥かな町へ」は、ある。

さすがに、タイムスリップの経験はないが、子供の頃から予知能力があるようだ。

この町へ行くかもしれない。

この家に住むかもしれない。

この地へ引っ越しするかもしれない。

この人と密接な関係になるかもしれない。

枚挙にいとまがない。

そう心に思う時、不思議な感慨にとらわれる。

そして、何年後かに現実になる。


この町の街へは、以前は時々訪れていた。

今はこの町の北に住んでいるから容易だ。

三十年前は、さすがに昔の佇まいを残していたが、十年前に最後に訪れた時は一変していた。

それでも通りには、昔の面影があり、気持ちは少年時代に思いは巡る。

実は、この町の街で生まれて少年時代に少しの間住んでいた。もう五十年前の話しだ。

この町の街に、何十年後かに縁があるかもしれない。
十年前にそう思った訳だ。
そして最近、この町の街を歩いている。


この町の街に二度訪れた理由は知人なら承知の話しだ。

この場での詳細は差し控える。

そしてそれはどういう結果に、終わるのかは、分からないけれど、今は二度も訪れている事で予見は的中しているとしたい。

正直、この町の街での思い出は辛い事が多かった。

母と妹の三人暮らしで、寂しい思いもした。

縁ある事を望むも望まないのも半々だ。

五十年以上経っても、心にこびりついている。

通りの向こうから子供達のはしゃぐ声が聞こえた。

勿論、錯覚だ。

妹の呼ぶ声もした。

もしかしたらタイムスリップしたのかもしれない。

写真は一度目の訪問の時の駅。

昔の面影はなく、道に迷う失態をした。

子供の頃、この辺は遊び場だった。

また妹の呼ぶ声が聞こえた。


「お兄ちゃん」




この街にはやはり来たくない、という気持ちを相手は読み取ったのかもしれない。








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