机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

眼の壁

2020-03-07 06:41:00 | 映画の味方
 映画好きで知られる手塚治虫先生。
年間三百本以上は映画を観たというエピソードは有名な話しだ。

 ただ、どんな映画を観たとか、こういう映画が好きだとかいう記述にはふれた記憶がない。アニメが好きだ。西部劇は嫌いだというのは何かで読んだ事がある。

 それはともかく書かれた作品から、どういう映画の影響を受けたのかを読み砕くしかないと思う。

 手前が思うに、この映画の影響は大きいのではないかと思う。
その映画とは「眼の壁」である。
この映画からは手塚作品の香りがする。多分にこの映画の影響が個々の手塚作品に反映されている。

 ひとつは主人公の佐田啓二のキャラクターである。
この佐田啓二似のキャラクターが手塚作品には多数登場する。
顔の雰囲気はもちろんの事、背格好そして何よりは髪型である。
 
 髪型は当時流行のリーゼントである。
きめてはそのリーゼントから垂れ下がった前髪である。じつに色っぽい。
初期の作品から後期まで、とくに青年誌に登場する青年は佐田啓二そのものである。

 おそらくは手塚先生は数々の佐田啓二の映画作品を観て、イメージして青年像を作り上げたに違いない。

 「眼の壁」を観て、そう思った。

 
   眼の壁

 監 督 大庭秀雄
 脚 本 高岩肇
 製 作 小松秀雄
 出演者 佐田啓二
     鳳八千代

     松竹・1958年