机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

デザインの世界

2011-02-11 12:12:00 | デザインの世界
去年はネームも下絵もはかばかしくはなかった。

言うなれば鬱の一年となるであろうか。

そういう己れに喝を入れる一文を記す。

いつも乍、記憶だけで書いているので誤記があるやもしれません。
その辺、ご容赦願いたい。

上田毅八郎画伯

初めて見たのはずーっと昔少年サンデーの口絵であったろうか。

空と波が美しい船舶を主とする海洋画家だ。

一般的にはプラモデルのパッケージアートで有名な方だ。

名前は知らなくても、絵を見た人は沢山いる。

齢九十歳
戦争経験者だ。
輸送船団で砲主を務め幾度かの戦禍をくぐり抜け奇跡的に生還なさった方だ。

戦後、亡くなった同胞の魂に突き動かされるままに絵筆を取る。

戦傷で利き腕がままならず、左腕で箸の上げ下ろしから訓練を始め、あの精密な筆力を完成させる。

だが、この方の凄さは他にもある。

あの戦火が飛び交う船上で軍立厳しい軍隊で、上官の目を盗み寸暇にスケッチをしていた事だ。

夕陽を逆光に停泊する軍艦。
波頭を駆ける大船団。

勿論、手元に残る紙数は限られる。多くは戦場の海に藻屑と化した。

スケッチは心に刻まれた。
「俺はどんな波でも描ける」

なんて美しい言葉なんだろう。

いつでも、どこでも絵を描く事を忘れないない者の魂の言葉だ。