机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

九九式艦上爆撃機

2009-05-30 20:13:00 | 楽描き
明治維新後、日本は諸外国と肩を並べる為に海軍力を高めていく。

日露戦争で勝利した日本は大艦巨砲主義を貫く。
空母赤城は最初は戦艦として造られたが、世界軍縮会議で空母に変造するやむなきに至った。

今日のF1やスキーのジャンプの国際ルール変更に似ていなくもないか。
日本は海軍という三角形の巨大な組織をつくる。巨大戦艦大和が象徴する様に。これを契機に日本は愚行に走る。見栄をはるための無駄な組織。一発の砲弾を撃つ為に一体どれだけの年功序列が必要なのか。国民の血税を何だと思っているのか。昭和の大恐慌と言いながらこれだけの軍備力と技術力、戦争をする必要性が果たしてあったのか。
今日の政治やお役所仕事に似ていなくもないか。
軍艦が大砲を撃ち合う伝統を重んじ太平洋を将棋盤がごときに例え人の命を勝手に動かした。

大和は王将か。巨砲はなんの役にも立たず不沈戦艦とやらは南の海に沈む。

今日、お役所が国民の血税でカラオケセットやマッサージチェア、果ては不要な高級車を買うのと似ていなくもないか。

ミッドウェイ海戦を境に日本は負け戦に転じる。
空母赤城はアメリカの急降下爆撃機の放った数発の爆弾であえなく沈む。その他沢山の空母も沈んだ。けっして海賊映画の様に大砲を撃ち合ったわけではない。二人乗りの爆装航空機が巨大組織を粉砕した。

九九式艦上爆撃機は悲運な航空機である。勿論九九式だけが悲運ではないあの当時のすべての人がすべての物が悲運だったのだ。

九九式艦上爆撃機は急降下爆撃機である。軍艦の盲点である真上から直角に近い角度で突っ込み爆弾を落とすのである。勿論対空砲火を浴びながら命がけの行動である。巨大戦艦が王将なら航空戦力は歩なのか。人の命はそれ以下か。

戦局が悪化してくると九九式艦上爆撃機も多くの若者と共に花と散った。
これほどにひどい当時の政策は今日の政治にもあるのではないか。少しずつあの頃に戻っていくのではないのか。ずさんだろう、年金問題ひとつにしても。

もう少しで完成の九九式艦上爆撃機です。