家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

福田新政権の住宅政策に期待?

2007年09月26日 | 家について思ったことなど
新首相となった福田氏は、自民党総裁選の立候補表明演説のとき、「政策としては200年住宅を進めていきたい。資源の無駄遣いをしないことと景観を守る上にも大切なことである」と明言している。
弊ブログで何回か紹介した与党の「200年住宅ビジョン」の推進者(当時の自民党・住宅土地調査会会長)なのであった。

私は与党びいきでもなんでもないが、この住宅政策の方向性は評価している。実現に向けてこの部分だけでも応援はしたい。

この機会に、何回も主張していることをまた書かせてもらう。

「200年住宅を現実化するためには、耐震強度や省エネ構造、スケルトンインフィルといった物理的要件を満たし、税制や住宅ローンなど経済的要件での後押しをするだけではだめ。古いものへの価値観、例えば築100年の家を『すばらしい』『カッコイイ』と思える価値観・文化を社会的に醸成するべきである。そして、たぶん、それに一番時間がかかる」

前回のエントリ「『ビンテージ』をめぐる動きに期待」はまさにそういうことを伝えようとしたものだ。



しかし……


新政権って短命に終わりそう。100年どころか1年先のことで手一杯になりそうなんだよなぁ(笑)。



「ビンテージ」をめぐる動きに期待

2007年09月21日 | 家について思ったことなど
興味深い記事があった。

本日(9/21)付の日本経済新聞一面コラム「春秋」より
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20070920AS1K2000320092007.html
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 「古いからダメ」ではなく、古さが良さにつながるのが「ビンテージ」品。ワインや楽器などの解説に使われる言葉だ。集合住宅にもビンテージ品があるのではないか。そんな問題意識から若手の建築家らがホームページを立ち上げた。
(後略)
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記事中紹介された"ホームページ"は↓
ヴィンテージ・マンション・カタログ
弊blogでも紹介したことがある「東京R不動産」の仕掛けだった。

以前私は、「ビンテージ住宅」というエントリを立てた(2006年2月)。
古い住宅の、古さによってもたらされる価値を評価するようにしたいとするそのエントリの中に、
「『何でも鑑定団』 ではないが、ビンテージ的な価値を鑑定する権威のような人間がいてもいい」
というようなことを書いた。
その時点では自ら「妄想にすぎないアイディア」などと、実現性に関して冷めた見方をしていたものの、実際このような形で動き出していることを素直に喜びたい。

東京R不動産では以前から個別住宅もとりあつかっている。集合住宅もあわせて今のところ市場に出た物件だけがビンテージものとして紹介されるにとどまるが、住人が希望すればビンテージ的価値を鑑定してくれるような仕組みがあるといい。
ビンテージ品としていい鑑定が付くことで、それが市場価格に反映できるようになれば、古い家に住む住人がTVの「何でも鑑定団」よろしく「いっちょう、鑑定してもらおうか」という行動に出てくるかもしれない。築30年も過ぎた家に「資産価値はほぼ無い」とする、現代日本のあまりに乱暴な資産評価(関連エントリ→LINK1 LINK2)に変化をもたらす可能性も出てくる。

住人の売却する意思の有無はともかく、第三者に価値があると認定されただけで古い家の寿命を延ばす効果があると思う。
家の寿命を延ばすのは、ゴミを減らすエコの観点からも、文化を守る観点からも、丁寧な暮らしを促す観点からも大きな意味がある。
我が新居も、数十年後に古い家としての価値が生じるように使っていきたい。

政府・当局にしてみれば、耐震に関する基準が緩い時代の家を早期に建て直させたいという思惑はあるだろうが、将来200年住宅を目指すのであれば、古い家の価値を尊重する風潮を今のうちに醸成し始めておくべきだと思う。それがなければ、いくら頑丈な家を作っても「新しいもの好き」の論理に負けて本来の耐用年数に達するはるか前に乱暴に解体されることだろう。

「春秋」では、紹介されている物件について「不便な立地の物件もあるが、空き待ちは数百人を超すそうだ」とあった。ビンテージの価値が分かる人はちゃんと分かっている。この動きは応援したい。


イキオイでその他古い家に関連するエントリを列挙↓

いい古い家
住めば住むほど得する住宅
古い家の価値
家の寿命
1年あたり坪単価
共感――それぞれの「いい家」
施主が選ぶ建築賞、施主が望む建築賞
長持ちさせることがエコ
築年数検索で思ったこと
古い家の修飾語を検討してみる
「中古」と「Existing」



<余談>
古い家がしっかり評価されるようになると↓のような「お得な話」は残念ながら成り立たなくなる。
http://blog.goo.ne.jp/garaika/e/f016faf4e2d7a2efb70ca940653f6a08
もし将来にわたって古い家を評価する仕組みが出来上がらないのであれば、我が一族はこの「お得さ」をちゃっかり相伝して満足することにする(笑)。いずれにしろ子孫に損はない。


犬走り

2007年09月17日 | 山小屋・ログハウス
 
ここのところ、雨がよく降る。
我が山小屋は雨どいをつけていないが、軒を深くとってあることもあって雨だれが外壁にあたることはまずない。
ただ、雨だれをそのまま地面に落とすと土がえぐれてしまうので、写真のように砂利を敷いた犬走りを設けてある。
これで泥もはねず、軒下で雨宿りもできる。
昔ながらの知恵というのは面白い。

高高高高…住宅

2007年09月11日 | 家について思ったことなど
高気密・高断熱住宅を略して「高高住宅」などと呼ばれている。
で、我が家の古屋のようなのは低気密・低断熱なので「低低住宅」なんて勝手に呼ばれてしまう。
「高」「低」なんて表現されれば素人にはおのずと「高」がいいように思えてくる。このイメージをうまく利用して、「高高住宅」がセールスされているようだ。
しかし、「高高住宅」であるための言葉のうえでの十分条件は「高」が表す気密と断熱の性能が優れているということだけ。
高高住宅とすれば売りやすいといって、C値、Q値を高めるのを目的に窓を小さくしたり、はめごろしにしたりして、低通風、悪眺望になっている、なんていうばかばかしい状況だって目にし、耳にしている。
そうなると、「高高住宅」というだけでは優れた住宅とはいいがたい。
まっとうな「高高住宅」の造り手は、その他の性能も水準以上のレベルになるようにするだろう。しかし一方で、気密と断熱性能以外の性能をあまり重視しない設計・施工者がいて、そういう人たちが造った家も「高高住宅」となってしまうわけで、こういうキーワードでビジネスする弊害を感じる。

新しい概念としての高高をアピールするのはいいとしても、他の基本性能への評価だって大事だ。売り手側が「高」とか「低」とかで差別化するというならば、買い手側は住宅を構成する様々な条件をできるだけ列挙するよう要請したい。
そうなると
「ウチは『高高高住宅』だ」「いや、ウチは『高高高高住宅』だ」、なんて世界になりそう。


余談だが、もし、そんな状況になったら、言ってみたいことがある。
「へへん、ウチの古屋は『高』築年数住宅だゾ」って(笑)。


ちなみにあきらかに低いほうがいいこともある。
例えば「価格」。
(大金持ちを除き)誰しもできるだけ安く建てたい。
それから考えると、価格が低い住宅を「低価格住宅」といわずに「ローコスト住宅」というのも、語感を考えた営業戦略だろう。「低価格」とすると安普請的ニュアンスが感じられるから…。
語感を利用するという面で「高高」のセールス手法とあまり変わらない。

いずれにしろ、住宅の一断面だけをクローズアップしたキーワードに振り回されないように注意したほうがいいということである。素人ほどその部分ばかりに目を奪われ、他の大事なことに気が回らなくなる恐れがある。

台風でえらい目にあった?

2007年09月07日 | 新幹線通勤
昨日は帰宅できず。

台風で新幹線が動かなかった、というわけで、同様の通勤者の方々、ご出張、ご旅行の方々、大変でした。

当日の私の動きはこんな感じ↓

TVやネットで台風情報を見ていて、こりゃあ早めに帰った方がいいと思い、定時を少しすぎたあたりで会社を出た。
同じように新幹線通勤をしている幼馴染(関連エントリ→LINK)と携帯電話で連絡をとると、彼はすでに新幹線に乗車していた。
ただし、東京駅のホームに入線している列車はみな動いていないという。
ビールを買って合流。車内で飲み始める。ちなみに相方はすでに缶ビール2本をあけていた。これが18:20ごろ。
1時間経っても動く気配なし。あきらめて下車する人々多数。
19:45ごろ、当方もあきらめて東京に泊まることを決定。自宅に連絡。
この時点で、缶ビール2本、焼酎の水割り缶2本をあけていた。
「ホテルがなかなか取れない」という情報を得ていたので、東京駅から離脱し、御徒町に移動。相方が昔使ったことのあるカプセルホテルに行く。狙いがあたり、余裕で入室できた。
荷物をカプセルホテルに置き、まず100円ショップに行き下着類を購入。そして「2次会」へ。
典型的サラリーマン向け居酒屋で、もつ焼き、煮込み等々を肴に生ビール1杯、焼酎のお湯割り数杯を飲む。
カプセルホテルへの帰りがけに大雨の中営業しているライブハウスを発見。こういうのは地元じゃなかなかなく、東京ならではの夜遊びなので、そこで「3次会」。カクテル2杯を飲む。
ホテルにつくとほぼ満室になっていた。風呂に入り、風呂上りに缶チューハイで「4次会」。
12:00ごろ、就寝。

本日帰宅し、「いやあ、大変だったよ。新幹線動かなくてさ」と報告。
一番大変だったのは財布と肝臓だったという話はとりあえずしないでおいた。