家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

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システム財布を作る

2010年02月28日 | レザークラフト

   

 財布を新調した。
 かれこれ10年も使っている現在使用中の自作財布は一部に「ほつれ」もあり、換え時になっていた。
 痛んできたなと意識するようになって半年以上経っていて、いつ作ってもいいようなものだが、この時期に新調したのには意味がある。
 それはなぜか?
 財布は春に新調するのがよいと聞いていたからである。
 「春財布」すなわち「張る財布」という縁起かつぎらしい。
 たくさんお金が入って十分に張ってくれることを願って3月から使う財布を作った。

 さて、「財布はピストルと似ている」と言ったのは作家の赤瀬川原平である。
 玉を込めて懐に忍ばせておき、いざというときにさっと取り出して打ち出すという使用過程をなぞらえていた。その文章を読んで、「たしかに」と膝をたたいた記憶がある。
 その赤瀬川原平の言葉を思い出し、取り出しやすく、玉(お金)を込めやすく、撃ち(出し)やすい財布を作ろうと思った。

 本体を取り出しやすくするにはスリムな形状にし、厚みや突起物を抑えればいい。その上でお金を入れやすく出しやすくする。
 市販の財布でもそこまでは実現できているものが数多くあるので、あらたな工夫をする必要はないようにも思える。
 しかし、工夫余地はまだ残っている。それはカード類の収納だ。
 財布の中には様々なカードが入っている。それぞれの用途を考えるとあることに気づくだろう。
 そう、オンとオフでは使うカードが異なるのである。
 例えば、会社の近くの食堂のポイントカードはオフには使うことがない。自宅近所のレンタルビデオ屋の会員カードはオンには使わない。
 カード収納ポケットがたっぷりある市販の財布もあるが、カード類すべてを財布の中に入れているのはムダが多い。財布がその分厚くなって取り出しにくくなるだけでなく、目指すカードを探す手間もかかるので、「早撃ち」ができない。
 ということで、このムダを排除する方式を考えた。

 私はかつてシステム手帳を愛用しており、いまでも未練があるくらい(関連エントリ→LINK)なので、リフィルを交換するシステムを財布に導入することにした。

 まず、カード類(サービスチケット含む)を以下の3つに分類する。

 A:オンでもオフでも使うもの
 B:オンでしか使わないもの
 C:オフでしか使わないもの

 財布本体には、紙幣と貨幣とAを収納できるようにする。そして、Bを入れるオン用のリフィルとCを入れるオフ用のリフィルを作って、それぞれを本体から差し替えて使えばいい。
 弾丸カートリッジを取り替えるようなイメージもあり、まさにピストル。「これはいける」とほくそ笑んで作った。これが極私的製品開発の醍醐味である。

 以下、作品を紹介しよう。

<本体部分>
   
 収納するリフィルによって全体の厚みが変化するので本体と「かぶせ」を分離したパーツとし、間を柔らかい皮(シープスキン)でつなぐ形式とした。
 柔らかい革でつないだため、開いて机上に置くとフラットな形になる。
   
 紙幣と貨幣、そして6枚のカードが入るようになっている。
 ピストルをイメージして全体の色調は黒としたが、ステッチとマチのパーツは黄色とした。黄色は金運があがるという風水に乗ってみた。全体を黄色にするほどあからさまなのは上品には思えないので部分的に導入。黒と黄色とすることで寅年に作ったことを象徴するという意味もある。
   
 マチをもっと幅広にしておけば良かったと思えるくらい金運が上昇すれば良いが・・・。
 小銭入れ部分は長めのファスナーを使い、大きく開くようにした。
 

<オン用リフィル>
   
 本体のポケットに差し込んで使用する。オンで使うカードはオフより多いので表裏にカードホルダーを設置。計10枚入る。コーヒーショップのサービスチケットなどを入れるポケットも設置した。

<オフ用リフィル>
   

 差し込んで使うのはオン用と同じ。私の場合、オフで使うカードはあまり多くないので、カードホルダーは片面(写真の裏面)のみで計4枚を収納。
 一方、もう片面(写真の図)にはジョッター(参考エントリ→LINK)とちいさなペン、そしてレシート入れ用の収納を設置した。オフの場合、夕食材料の仕込みなど買い物用途の場面が多いからだ。


 ここからさらに発展させ、
・切符、チケット類を収納する旅行・出張用リフィル
なども構想したが、目先のところその必然性は高くないので2つのリフィルからスタートする。

  「本体のみ」と「全部(2つのリフィル)入り」の比較

 
  全部入りはものすごく一杯お金が入っていそうにみえる(笑)。

   
 ここへきて急に春らしい陽気になってきた。財布の新調日よりである。

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PさんのIDカードホルダー  ジョッターメモ付き

2010年02月06日 | レザークラフト

   
 某所で知り合ったPさん(♀)からのオーダーで作った品が完成した。
 その名は「ジョッター付きIDカードホルダー」。
 昨日、受け渡しが終わったので紹介する。

 Pさんは、私が以前作ったポストイットホルダー付きIDカードホルダー(→LINK)を見て、メモ機能付きのIDカードホルダーを所望した。
 そのため当初はメモ用途としてポストイットを装備することを想定していたのだが、制作にあたっての打ち合わせでジョッターの存在を紹介するや、Pさんはすっかりジョッターが気に入ってしまい、方針転換となった。

 ジョッターとは何か。
 簡単に言うと、コンパクトなメモ用紙がはさまった小さな板のようなものである。「ちょっと書き留める」という意味の英語のjotが語源になっているらしい。メモ面がむき出しになっているので、メモをとることにおいて最速なアクションができるツールだ。

 ジョッターは普通はポケットに入れて持ち歩くが、私はIDカードホルダーと合体してしまうのがいいと以前から考えていた。そのあたりは、ポストイットホルダー付きIDカードホルダーのときと同じ発想である。
 ジョッターの場合は、ポストイットのように覆う形でホールドする必要がないから厚みを抑えることが出来、カードホルダーとの親和性はより高い。
 IDカードホルダーを表側とし、裏側をジョッターとすれば、IDカードホルダーが、ひっくり返すと瞬時にジョッターに変身する。シンプルだけどとても便利な一品となる。
 それをPさんに持ちかけてみたらドンピシャリとはまったという次第。

 Pさんの要望はさらにあった。ペンも名刺も格納したいという。
 自分のポストイットホルダー付きIDカードホルダーもペンホルダーはつけていた。小さなペンを保持し、メモはあるけどペンがないという事態に備えたもの。この希望は想定内。
 名刺入れ部分は新規に考える機能となった。
 実のところ、ジョッターを紹介してみたのは、ジョッターとして使える市販の情報カードに「名刺サイズ」というのがあったためだ。名刺サイズジョッターメモは名刺入れの中に保管することができるので、名刺入れと合体するのはいたって合理的なのだ。

 こうして名刺入れ部分をコアにして、表面をIDカードホルダー、裏面がジョッターという基本構造案ができあがった。
 ただ、Pさんからはさらに追加要望が出てきた。chiezokunさんにプレゼントした極小財布(→LINK)につけた500円玉ホルダーが気に入ったようで、その機能もつけたいという。ふと自販機のジュースを買いたくなったりした場合を想定していた。

 で、打ち合わせを経た用件をまとめると以下のようになる。
 ・横型のIDカードホルダー
 ・IDカードは2枚収納。1枚は表面が見えるように、もう1枚は隠れてしまっても良い。
 ・私のポストイットホルダー付きIDカードホルダーと同じように市販のビニール製のIDカードホルダーを入れ子にする構造を採用する
 ・ジョッター(91×55の名刺サイズ情報カード)をつける
 ・名刺を3枚程度は入れられるように
 ・ペンホルダーをつける。ペンはWalkie pen のBoldタイプ(関連エントリ→LINK
 ・500円玉ホルダー
 ・ストラップは革製でなく布製
 ・色は赤っぽい紫系とか、ピンクがちょっと入った濃い赤とか。

 貧乏性の私は機能がたくさんあるものが好きである。それでいて見た目がすっきりしているのが好み。 これだけ要望がたくさんあれば取り組み甲斐がある。

 通勤時間を有効活用していろいろ考えた。特にコインホルダー部は思案のしどころになった。そうした時間も私にとっては趣味の時間である。
その思考過程を紹介していたらキリがないので、以下完成品をご覧いただき、工夫を読みとってもらえたら幸甚である。

<IDカード表示面>使う本人の目線から見た図
   
 シンプルさは実現できていると思う。いろいろな機能があることは一見しては分からないはず。


<非使用時のジョッター面>使う本人の目線から見た図
   
 表面に乗っているのがコインホルダー。ぶら下がっているので逆さにすればたれさがり、ジョッター面が使えるというわけ。

<使用時のジョッター面>使う本人の目線から見た図
   
右上(ぶら下げたときは左下)上部のペンホルダーからペンを取り出して使う。

 
<コインホルダー>
   
  半円形のステッチという構造になったため、白い糸で縫って「口」に見立て、「目」をあけて顔に見えるようにした。これは単なる装飾にはとどまらない。この穴から、中に500円玉が入っているかどうかを確認できる。また、コインホルダーはむき出しのジョッター面の上に乗っているので、ジョッター面の汚れをある程度防ぎ、かつメモ記入してあった場合は衣服の汚れを防ぐ効果がある。
 ジョッターの押さえの部分が幕のような効果をみせて、人形劇の舞台のような印象になったと思うがどうだろう。

   
 スナップをはずして500円玉を入れる。


<名刺入れ部>
   
 上部(ぶら下げ時)から入れるが、名刺入れ部の脇のステッチをタテの長さの半分ほどに止めているため、出し入れをしやすくしている。
 上部に飛び出したスナップを止めておけば、逆さまにするジョッター使用時にも落下することはない。

<全体図>
   
 ストラップも本体の色にあったテープを購入して作った。



 製作過程で、ストラップ式のカード類ホルダーについての別の面白い構造案が浮かんだ。
 多少厚みが増すが、機能が満載できるし、使う人次第で機能の組み替えができる構造である。どなたからか新たにカードホルダーの製作依頼がきた時に、その構造を持ちかけてみることにする。

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バーナンキFRB議長の家づくり

2010年02月03日 | 家について思ったことなど

 去年12月に流れていたニュースを先日知って、恐縮しつつ話題にする。

 米国のバーナンキFRB議長がタイム誌のインタビューで、自分の住宅ローンを変動金利型から固定金利型に切り替えたことを明らかにしたという。
 FRB議長といえば、日本では日銀総裁にあたる。国の金利政策の最高責任者といっていい存在の発言だから、一般人の住宅ローンの切り替えとは次元が異なる。
 いまごろ変動金利から固定金利に切り替えたということは、金利の低下局面はいよいよ終了する(させる?)と判断したとも読むことができるわけだ。
 金利の決定権を持っているといっていい存在が、こんなことを雑誌のインタビューというような場で明かしていいのだろうかと思った。
 と、このニュースを知ったならそんな読みや感想を持つ人はおそらく大勢いるだろう。

 周回遅れの私がなんでこれを話題にするかというと、3年以上前の2006年6月17日の「日銀総裁の家づくり」というエントリで、日銀総裁と村上ファンドの問題に絡んで、「日銀総裁は取得した資産ばかりでなく、住宅ローンなどの個人負債も情報開示すべきではないのか」という指摘をすでにしていたことを自慢したいからである。
 あの時期、中央銀行総裁の資産の開示に言及していた人はいても、負債の開示に言及していた人はほかに見かけなかった。それが今まさに負債の開示について問題提起される事態が起きたのだ。ちょっとは自慢もしたくなる。

 中央銀行総裁の資産・負債の動向は、ある意味インサイダー情報といっていい。タイムリーに開示されるべきではなかろうか。
 遅れて話題にしてなんだが、世間ではもっと騒いだほうがいいと思う。
 このバーナンキ発言について、日本の大手マスコミが報じていないため、私はすぐに気づかなかった。それもなさけなく思う。報じられなかったのは雑誌ネタを取り上げないという硬直的な新聞社体質も原因になっているかもしれない。
 そうやって一般人の情報取得の軸足は、硬直的なマスメディアから無手勝流のネットへと移っていくのだ。

 それはそうと、家づくりを考える人がタイミングを推し量るのはますます難しい局面になってきた。デフレ・低金利の今は悪くない時期のようには見えるが、景気動向を考えると・・・。
 私はもう建ててしまったので、そういう悩みをしなくていいのが救い。ローンの返し方をどうするか考えるくらいで済む。
 この先、ハイパーインフレがきたりするならば、ローンの前倒し返済はしないでおいたほうが得(固定金利型の場合)なので、今後、バーナンキ議長が住宅ローンを前倒し返済した・していないというような情報開示はぜひタイムリーにお願いしたいところ。
 はてさて白川日銀総裁の個人情報はどうなのだろうか。もし白川総裁が住宅ローンを組んでいたら、そのローンの窓口となっている銀行関係者は、すばらしい情報の第一次取得者となれますぞ。

 
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