家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

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極小がま口

2009年06月21日 | レザークラフト


がま口を作った。
普通のがま口ではない。
極小サイズのがま口、である。

 

がま口の定義を、
「口金で開閉する財布」
と考えた時の、限界に近い小ささにしてみたものだ。がま口をもじって「ガマプチ」と命名してみた。

サイズはタテ6cm(突起部含む)、ヨコ4cmにすぎない。手の中にすっぽりと隠れてしまう大きさ。これ以上小さくしたらコインは入らなくなり、がま口のミニチュアにはなるかもしれないが「財布」のカテゴリからはずれてしまう。

 

ガマプチは底辺部分にパイピング(玉縁)を施して厚みを確保し、500円玉が最大5枚、計2500円入るようにしてある。極小の割にはなかなかの収容力になったと思う。
このくらいの金額を持っていればコンビニ等での買い物にはまったく支障はなく、なんなら映画館に入って映画を見るだけでなくポテトとドリンクも買える。これをポケットに放り込んでおくだけで大抵の商業施設にふらりと寄ることができるのだ。
とりあえず、週末恒例の早朝ウオーキングの時にでも使おうと思っている。
下膨れ状の普通のがま口のようなあそび部分を作らなかったため、動き回ってもジャラジャラと音が鳴らないのもポイントである。

本体は「じいちゃんのおけいこバッグ」で使った出所不詳の革の余りを使っている。
革はタダみたいなものなのだが、この作品のキモは口金につかった金具にある。
「こんな小さな口金が」とあなどるなかれ、定価は1200円というしろものだ。
なんとこれはドイツ製なのである。
よくみれば一般の金具より鋼が肉厚でかっちりした作りになっている。ちゃんと見れば1200円は伊達じゃないのがわかる。

 

しかし、いくら品質がよくたって1200円も出す人がいるのかという疑問も出てくるだろう。その疑問は当然だ。
そもそもこのような小さい口金の用途は限られる。一般に市販されている口金でこれとサイズが近いものに印鑑ケース用口金があるが、それは200円以下で買える。1200円の金具を使って印鑑ケースを作ろうと考える人がそうそういるとも思えない。
ネタばらしをしてしまうと、物好きを自認する私とて1200円出して購入したわけではない。昔、某大手手芸店のワゴンセールで破格値でGetしたのだ。
手芸店の仕入れ担当者が需要をよく考えなかったのか、実験的に仕入れたのか知らないが、そのおかげで処分品となり、買う気が起きたというわけ。
モノというものは最終的には収まるところに収まるものなのである。

なお、価格とは別の疑問点は残る。この金具、印鑑ケースに利用はできるものの、ドイツに印鑑文化があるって聞いたことはない。コストを考えたら印鑑ケース用に日本からドイツに製造を発注したものとも思えない。本当は何のためのパーツだったのだろうか。
もしかして、私が使ったように極小がま口用だったのか?
だとすると、世界には意外に極小のがま口が出回っているかもしれない。

以前製作したコインホルダーと比べてみる。

  

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「スムストック」的なやり方では・・・

2009年06月19日 | 家について思ったことなど
住宅は長寿命であるべきという意見には賛成である。だから政府が「200年住宅」なんて大げさなキーワードで優良住宅を普及させようとする試みにも、陰ながら応援するスタンスで発言してきた。
 関連エントリ 福田新政権の住宅政策に期待?

昨年、そうした政府・当局の方針に沿って、ハウスメーカー9社が「優良ストック住宅協議会」なる組織を発足させている。住宅の長寿命化に有効であればいいことだとは思うが、その内容を見て、将来これが長寿命化のためのスタンダードな基準のようなものになっていくのはどうかと思った。

優良ストック住宅協議会は、「スムストック」というブランディングでストック(資産)になる家を推進しようというものだ。
詳しくはHPを見てほしい。
http://sumstock.jp/assessment/index.html

スムストックの査定は、スケルトンとインフィルを分離して考える、というのを特徴としてあげている。構造であるスケルトン(骨組み)と内装や設備であるインフィルは耐用年数が違うというのは納得している。スケルトンの寿命はインフィルより長いというのはおおむねそうであることも理解する。インフィルの劣化によってスケルトンの状態が無視されて取り壊されて寿命が短くなっている例が多いのも事実。だから分離して考えるということは賛成だ。

しかし、劣化という視点でしか物事を考えていないことが気になる。私は成熟・円熟という視点が住宅を長寿命化させるのに有効だと考えているからだ。
経年変化には劣化と成熟の双方のベクトルがある。年を積み重ねて衰えることは当然あるが、年を積み重ねて魅力が増す要素もある。
劣化・衰えという尺度でのみ、住宅を判定するのならば、いくら「優良」のお墨付きをもらっても住宅の長寿命化には大きな効果はないだろう。なぜなら同じ優良住宅どうしを比べたら、築年数の若い住宅のほうが古い住宅より常に高い評価になり、年を積み重ねることによって相対的な劣等感が強まり、家を建て直したいという動機につながっていくからだ。
それでは、築年数の大きさを引け目に感じる現時点の住宅事情と変わらない。
欧州のように、築年数の大きい家に住むことが誇りに思えるようにならない限り、日本の住宅はいつまでたっても全体としては長寿命化できないように思う。
 関連エントリ 築年数検索で思ったこと

うがった見方をするならば、化学系素材を多用しているために価値が増す方向で経年変化しにくいインフィルの作り手にとっては、現実的な長寿命化策ということなのだろう。劣化したインフィル部分を取り替える継続需要も見込めるわけだから。

私は古い建物に住むことに誇りを持てるようになるために、美しく経年変化する素材のことを無視してはいけないと思う。価値を積み重ねて経年変化したインフィルが目の前にあるなら、それを保持していることに誇りが持てる。
経年変化によって高まった価値は計算できないから評価しにくい、という反論はあるだろう。しかし計算はできなくとも、長寿命化に有効に働く要素であることに間違いはないのだ。
私は、将来長寿命化しそうな新築住宅を優遇する前に、実際に長寿命となった既存の長寿命住宅を優遇する制度を導入すべきだと主張しているのである。
 関連エントリ 200年住宅を普及させる実効的な案

新築時にあらかじめ計算はできなくとも、長寿命化したことを結果として実証しているわけで、長寿命化への貢献に報いることはまったくおかしなことではない。長寿命化した家をグルーピングしてみれば、きっと経年変化したインフィルがいい味を出している住宅群もあるはずだ。

新築時にスムストックというブランド付けするのに反対まではしないが、そんなことより、築50年でもまだちゃんと使える住宅かどうかを査定して優良住宅としての称号を与えるほうが住宅の長寿命化に効果があると思う。
そのような称号をもらった住み手は古い家に住むことに誇りが持てるようになるし、作り手の方にもメリットがある。「我が社が50年前に建てた家が優良住宅に認定されました」っていうのは施主予備軍に対して訴求力のあるキャッチコピーになるはずだ。
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