家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

高高高高…住宅

2007年09月11日 | 家について思ったことなど
高気密・高断熱住宅を略して「高高住宅」などと呼ばれている。
で、我が家の古屋のようなのは低気密・低断熱なので「低低住宅」なんて勝手に呼ばれてしまう。
「高」「低」なんて表現されれば素人にはおのずと「高」がいいように思えてくる。このイメージをうまく利用して、「高高住宅」がセールスされているようだ。
しかし、「高高住宅」であるための言葉のうえでの十分条件は「高」が表す気密と断熱の性能が優れているということだけ。
高高住宅とすれば売りやすいといって、C値、Q値を高めるのを目的に窓を小さくしたり、はめごろしにしたりして、低通風、悪眺望になっている、なんていうばかばかしい状況だって目にし、耳にしている。
そうなると、「高高住宅」というだけでは優れた住宅とはいいがたい。
まっとうな「高高住宅」の造り手は、その他の性能も水準以上のレベルになるようにするだろう。しかし一方で、気密と断熱性能以外の性能をあまり重視しない設計・施工者がいて、そういう人たちが造った家も「高高住宅」となってしまうわけで、こういうキーワードでビジネスする弊害を感じる。

新しい概念としての高高をアピールするのはいいとしても、他の基本性能への評価だって大事だ。売り手側が「高」とか「低」とかで差別化するというならば、買い手側は住宅を構成する様々な条件をできるだけ列挙するよう要請したい。
そうなると
「ウチは『高高高住宅』だ」「いや、ウチは『高高高高住宅』だ」、なんて世界になりそう。


余談だが、もし、そんな状況になったら、言ってみたいことがある。
「へへん、ウチの古屋は『高』築年数住宅だゾ」って(笑)。


ちなみにあきらかに低いほうがいいこともある。
例えば「価格」。
(大金持ちを除き)誰しもできるだけ安く建てたい。
それから考えると、価格が低い住宅を「低価格住宅」といわずに「ローコスト住宅」というのも、語感を考えた営業戦略だろう。「低価格」とすると安普請的ニュアンスが感じられるから…。
語感を利用するという面で「高高」のセールス手法とあまり変わらない。

いずれにしろ、住宅の一断面だけをクローズアップしたキーワードに振り回されないように注意したほうがいいということである。素人ほどその部分ばかりに目を奪われ、他の大事なことに気が回らなくなる恐れがある。