家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

施主予備軍のオープンハウス活用

2005年05月27日 | 家について思ったことなど
 先日、朝妻さんプロデュースの家の見学会にいって思いついた。

施主予備軍は、住宅展示場をはじめ多分いろいろな家を見て回ることだろう。そのとき大抵は一人ないし自分の家族と一緒に見るのではないだろうか。
 それにとどまらず、住宅に興味を持つ人々で申し合わせてある家の見学会に行き、その家について語り合ったらどうだろうか。
自分では気づかない視点に気づかせてもらえるかもしれないし、複数の人と具体的な「家」を対象に語り合っているうちに、「自分の家」の姿を整理するのにおおいに役立つのではないか。

 先日の見学会では、私はblog仲間のm-louisさんとOffSpaceさんと現場で落ち合い、そのままオフ会とあいなり、意見交換ができた。
そのようにメンバーがこぞって同じ時間に一緒にいくのもいいし、別の時間、別の日でもいい。
とにかく行けば、その家について語れる。

ただ、気をつけなければならないことがある。
オープンな場で具体的な個人の家について語りあうと、そのつもりはないのに施主や建築家の気分を害してしまう恐れがある。プライバシーの問題も出てきそう。
見学会に行ったあと、blogで家の感想を述べれば、トラックバックやコメントで意見交換することが出来るが、その場合はよほど気を使う必要がある。
忌憚なく意見を交換するには、メンバー限定のコミュニティの方がよさそうだ。

あるいは、取りまとめ役などがいるのがいいかもしれない(建築プロデューサーがいれば適任か。ねっ朝妻さん)。見学者の意見を寄せてもらい、メンバーを限定してそれを公開したり、参加者の身元をはっきりした上で意見交換会を開いたりする。
そういう意見交換は施主予備軍にとって役に立つし、何より「面白い」のではないだろうか。
先日の会合は施主予備軍ではなかったのがちょっぴり残念だった(笑)。



関連エントリ「施主予備軍のblog活用

見学会にて

2005年05月22日 | 家について思ったことなど
21日、業界唯一完全独立系建築プロデューサーの朝妻さんプロデュースによる家のオープンハウスにお邪魔した。
いや、名称はオープンハウスではない、「特別見学会」だった。
オープンハウスはいかにも和製英語っぽいが、ほんとうのところはどうなんだろう。
いずれ、業界の人に聞いてみようと思いつつ、今回、朝妻さんに聞き忘れた。

余談はさておき…
見学させてもらった家は、変形土地ならではの工夫に富んだ建築だった。

詳細については私が解説するまでもないのでひとつだけ。
面白かったのは、西側がほぼ全面ガラス張りだったこと。

堅苦しいビルダーだったら、その言葉を聞いただけで関係者に大目玉をくらわせたいという衝動にかられるかもしれない。とてつもなく暑い住宅が想起されるからだ。

だけど、百聞は一見にしかず。あれなら西側ガラス張りもアリ、と言えると思う。
光の透過性のある断熱材をうまく使って、採光しつつ、断熱している。

それは、ガラスではない壁を作ったほうがもっと断熱性能は高いだろう。しかし、採光を犠牲にしてまでの高断熱は望まないとの選択肢だってあっていいと思うのだ。この場合、変形土地という事情もあったし…。
最初から断熱方法が決まっているビルダーと建てたならばこうはいかないだろうと思った。
建築家と組んだことで、そういう制限のないところから「家」を考えることができたのだろう。
家づくりの出発点の大事さと、建築家と建てる利点を感じることができた見学会だった。

やまぼうし

2005年05月16日 | やまぼうし
ウチの中庭はかつてあった木で構成されているが、玄関脇の植え込みはまったく新しく作り込んだ。
足元に低木の「つつじ」、その中に1本だけ、高木の「やまぼうし」を植えてある。

私は、設計図書に「やまぼうし」と書き込まれているのを見た段階では「やまぼうし」がどんな木か知らなかったほどの園芸オンチである。
「やまぼうし」は「山帽子」なのか「山法師」なのか、とか、ひらがなだとなんとなく童話的な響きがあるなぁなんて考えながら、のんきに構え、建築家まかせにしてしまった。
家の外観は建築家の腕の見せ所のひとつであり、当然、変な植栽にはしないはず、と推定できた。むしろ、そういうところまで含めたコーディネイトこそ、建築家の強みでもあるだろう。

落葉樹なので竣工時点では葉もなく地味だったが、最近になって若葉が出てきたら、一気に存在感が増してきた。これでよかったと思う。

「やまぼうし」は最近流行っているのか、このblogをのぞきに来てくれるノアノアさんちにもfinziさんちにも導入してあるようだ。

スーパー親爺の普請道楽

2005年05月14日 | 山小屋・ログハウス
父に助っ人を頼まれ、山に行く。
山小屋の脇に物置小屋をつくるためだ。

今回は柱と梁を組む、ようするに上棟をするのだ。

山小屋はポストアンドビーム(P&B)のログハウスだったが、今回もP&BといえばP&B。
ただ、なんと丸太は曲がった木。山の知人からタダでゆずってもらったものだ。樹種もいまひとつよくわからない。
父は大胆にもそれを使って小屋を建てようと考えた。

今、父のやっていることはまさに「普請道楽」だ。
自然石を基礎に使った立柱方式。「どの時代の人間だ」と問いかけたくなる建物。
取り壊した前の家の建具と、どこからか調達してきた旧家の蔵の扉も使う。
物置のクセして大きさは素人が庭先に建てるキットのログハウスより2回りほどでかい。
今年70歳になる人間のやることか。

無事に上棟したが、私は多分、あす筋肉痛だろう。

奇妙な共通

2005年05月14日 | 家について思ったことなど
 施主家族の暮らし方は、家づくりの上で深く検討しなければならない重要な項目である。暮らしやすい家を作りたいなら、施主はしっかり設計者に暮らし方を伝えるべきだし、設計者は施主から暮らし方をしっかり聞き出さなければならない。
 極端な話、施主の暮らし方を軽んじた住宅というものは、何もその施主が建てなくともよい。
 建売住宅と、一部の芸術家的建築家の建てる家は交わる部分がまったくないくらい対極にある建築のようであるが、その一点で奇妙に共通していることに気づいた。

田舎の駅

2005年05月09日 | 新幹線通勤
新幹線通勤で普通の通勤より怖いこと。それは乗り過ごし。
折り返しのダイヤが無い時間だと悲惨だ。最悪、乗り越した分の往復の運賃と、宿泊費用がかかることになる。
これより幾分ましな状況が、新幹線の折り返しがないものの、在来線で折り返せる場合だ。
以前、初夏のこの季節にそれをやったことがある。
新幹線内で寝込んでしまい、起きたときは下車駅から2つ先の駅に向かっている最中だった。
在来線で折り返せるということがわかってほっとしたものの、「深夜の小旅行」をしなければならないことにぐったり。眠気と戦いながら在来線に乗ることになった。

睡魔に負けそうになった時、電車の音に負けない音が混じってきて睡魔に打ち勝つことができた。その音はカエルの大合唱。
駅に停車しドアがあいた段階ではっきりとわかった。夜でしかも見慣れた土地でもないので、どういう場所にいるのかわからなかったが、その駅は田んぼの真ん中にあったのだ。
田舎を走る在来線にはそんな場所があるのだ。

 「谷中M類栖」のエントリ、「騒音って慣れるもの?」でカエルの大合唱を聞かされて、この事件を思い出したのだった。

カテゴリ追加

2005年05月09日 | このblogについて
 このblogにひとつカテゴリを追加することにした。
 それは「新幹線通勤」とする。
 この3月から単身赴任生活に別れを告げて新幹線通勤を始めたためだ。
とはいっても実は新幹線通勤はこれで2回目。4年間の単身赴任生活の前、7年間新幹線通勤をしていた。その筋では結構ベテランなのである。
 今後、折にふれ、この変わった通勤形態について語ってみたいと思う。

 この際、ついでにこのblogのカテゴリについて解説しておく。
このblogについて
 文字通りこのblogについての説明。このエントリのようなのはこのカテゴリに分類する。
我が家のスペシャルな事情
 このblogは基本的には家づくりがテーマ。家づくりに関わる我が家の独特な背景・事情についてのエントリを格納。
我が家のスペシャルな仕様
 我が家(住宅)のちょっと変わっている部分を紹介するのを目的とする。上のカテゴリと合せ「スペシャル」としているのは家づくりというものの固有性を意識している。
建築現場記録
 家づくりの過程を紹介。竣工した今、これからは更新頻度が落ちそう
家について思ったことなど
 家づくりにあたって、いろいろな情報を集め、いろいろな本を読んだ。情報をそのまま鵜呑みにしないで自分なりに考えたことを書いている。
レザークラフト
 自分の趣味のカテゴリ。唐突感があるが、「家」と同様、「スペシャル」さを意識したモノづくりを紹介。
新幹線通勤
 前段のとおり。これも「スペシャルな」通勤でもある。

(追記)
さらに「山小屋・ログハウス」カテゴリを追加した。下のエントリ参照。
http://blog.goo.ne.jp/garaika/e/6de90fa9d336bee5d78c3d18f9b99661


「看板出すほど落ちぶれちゃあいねえ」

2005年05月05日 | 家について思ったことなど
 職人の言葉には、はっとさせられるものが多いが、自分的にうならされたのは表題のコレ。
 
 腕が良ければ、何にもしなくとも客が寄ってきて仕事に空きがない。看板を出さなきゃあ客が来ないような腕じゃない、との主張。すごい自負。
 「営業」の存在をはなから拒絶したようないさぎよさ。職人(ないし職人気質の工務店)にしろ、設計事務所にしろ、この域に到達したら何も怖くないだろう。
 
 さすがに現代の職人からこの言葉はなかなか出てこないだろうが、腕一本で仕事をするプロの多くは最終的にそうなりたいと思っているのではないだろうか。
 そのせいか、宣伝は控えめだし、総じて宣伝手法もうまくない。

 施主側としては、その情報量の少なさが障害となる。だけど、口コミでしか知られないような隠れた飲食店を探すことに喜びを見出すことができる人間ならば、「家」を対象にそれをできなくはないと思う。別に積極的に宣伝している中から選ばなければならないということはないはずだ。
 さいわいにして最近は、隠れた名店を紹介してくれるグルメがいるように、建築家のガイドをしてくれる機関もある。私も結果的にそういう機関の力を借りている。ここにちょくちょく顔を出してくれる建築プロデューサーの朝妻さんもきっと名ガイドだと思う。

 「看板のない店」「小さな看板の店」。それが名店だったならば、めぐり合えたことに感謝できるだろう。
もちろん名店を探すのは努力も必要だし、運もある。「はずれ」のリスクは否定しないが、そもそも宣伝が下手で腕もなければ店はもたない。それなりの年数にわたって事業を続けているのならば、なんらかの「強み」があるのはまちがいなく、その「強み」と自分の重要視する部分が合うかどうかを吟味すれば「はずれ」は回避できるだろう。

革モノづくり

2005年05月04日 | レザークラフト
レザークラフトを始めたのは、欲しいモノが市販品に無かったことがきっかけ。
自作のきっかけとしては珍しくは無いが、私の場合、欲しいデザインのモノがなかったというより、欲しい機能が備わっていなかったという面が強い。
機能といっても大げさなものばかりでもなく、ある物を収納するのにぴったりのサイズのポケットがない、なんてことも含む。
自分は大小問わずそういうヘンなコダワリが好きである。
そのせいか、込み入った要件のあることが製作の動機となることが多い。人から頼まれて作るのも、変わった注文があるほど燃える。

<今までに作った、ちょっと変わったモノ>
・ポストイットとペンホルダーの付いた携帯電話ケース
・メモはさみ機能つき財布
・バナナの皮を剥くようにファスナーで開閉し、開くと筆立てとなる筆入れ
・八角形の楽器「コンサーティナ」のケース
・背広の内ポケットに入れているときも手触りだけで裏表が分かる両面定期入れ
・和服を着たときも様になる男物の革のセカンドバッグと江戸時代の紙入れ風財布
・ベルトに装着し、小銭を出し入れするのが完全に片手だけでできる小銭入れ
・銃身に据付可能なエアライフルの弾丸ケース

「開くと筆立てになる筆入れ」と「男物の紙入れ風財布」は市販品にもコンセプトが同じモノが出てきたのを確認しているが、作ったのは私が先(笑)。


ワークショップ稼動――妻のバッグ作り

2005年05月02日 | レザークラフト
 家の中がぼちぼち落ち着いてきたこともあって、このGWからレザークラフトの作品づくりに取りかかっている。ワークショップの本格稼動第一号作品となる(はず)。
 作るのは妻のバッグである。
妻のために作った初代のバッグはもう10年選手で、いかんせんガタがきている。新しく作ることは2年くらい前から約束していた。それが単身赴任や家づくりのため、のびのびになっていた。
 
 オーダーメイドによる革製品作りの工程は、簡単にいうと以下の通り。

   クライアント(たいていは自分だったり)の要望調査
    ↓
   アイディア、デザインのスケッチ
    ↓
   デザイン確定
    ↓
   型紙おこし
    ↓
   裁断
    ↓
   染色
    ↓
   縫製
    ↓
   仕上げ

  同じオーダーでの「モノづくり」ということもあるが、注文住宅の建築工程と似ている。
 バッグ作りは現在「型紙おこし」の最中で、建築でいえば「実施設計」段階とでも言えそう。

 ちなみに、住宅設計の世界から革製品づくりの世界に「移籍」した方もいる(LINK)。
 その変遷はなんとなく理解できる。

<住宅と革製品の共通点>
「立体であること」
「日常使うものであること」
「素材にもよるが、使い込むほど味が出てくること」

ツツジ

2005年05月01日 | その他
毎年GWごろ、我が家のツツジは満開となる。
一年のうち、もっとも庭が華やかになる時期だ。

今年は、庭が「お化粧直し」し、初々しくなったので、いつもより華やかな感じがする。