映画「ALWAYS 三丁目の夕日」がヒットし、最近公開された続編も話題を集めている。
原作はビッグコミックに連載されている西岸良平のマンガである。
最初の映画が封切られた時、「『三丁目の夕日』って、原作のほんとうのタイトルは『夕焼けの詩』っていうんだよ」なんていう中年サラリーマンまるだしのどうでもいい豆知識をつぶやきながらも、映画館に足を運ばなかったへそまがりは、どこのどいつだ~い、と、「にしおかすみこ」に問われれば、「私だよっ」と正直に告白する覚悟はある。
さて、それはそれとして、頻繁に流される「ALWAYS 続・三丁目の夕日」のTVCMを見ていて、私は国家的陰謀に気がついてしまった。
この映画をきっかけに、「昭和30年代の風景」が大はやりである。書店には、映画の原作ばかりではなく、グラフィカルに当時の風景を映し出したムック本がいくつも平積みされている。
オジサン・オバサンは懐かしがり、若者は自分の知らない時代への一時のタイムスリップを楽しんでいる。
レトロなものが魅力的に描写されていて、映画を見ていない私もこのムードは悪くない、などと思いながら、映画を宣伝するTVCMを見ていたときだ。
「まてよ、これはもしかして大衆を扇動する目的があるんじゃないか」との考えが頭に浮かんだ。
どんな目的が?
映画の動員数を上げようなどという誰にも分かる目的のことではない。
政府による「200年住宅」普及のための地ならしをしようという目的がひそんでいると見た(注)。
200年住宅に関連する以前のエントリで、私は以下のような指摘をした。
「200年住宅を現実化するためには、耐震強度や省エネ構造、スケルトンインフィルといった物理的要件を満たし、税制や住宅ローンなど経済的要件での後押しをするだけではだめ。古いものへの価値観、例えば築100年の家を『すばらしい』『カッコイイ』と思える価値観・文化を社会的に醸成するべきである。そして、たぶん、それに一番時間がかかる」
そう、上記でいうところの「時間がかかる」部分の対策についても、政府はひそかに着手していたのだ。
「三丁目の夕日」では特に住宅がクローズアップされているわけではないが、昔のもの、古いものの良さを観客の深層心理に植え込んでいる。こうしたことの積み重ねによって次第に「古いもの=ぼろいもの」「古いもの=かっこ悪いもの」という価値観を「古いもの=味のあるもの」「古いもの=かっこ良いもの」へと変化させていくという戦略。
あの時代の住宅の質は高かったとはいえないが、今の段階では、とりあえず「古いものもいいものだ」という価値観を醸成する方向に向かせさえすればいい。
日経新聞の今日の記事によると、政府は2008年度の税制改正で、200年住宅の普及のために固定資産税を4分の1にするという支援策をまとめた(↓)。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20071128AT3S2702027112007.html
こうした税制面での整備と同時に、価値観の醸成策もすでに取り組んでいたとすると、前回揶揄した自分を反省し、「福田、なかなかやるなあ」と素直にシャッポを脱いでしまおう(←昭和30年代の表現をあえて入れてみた)。
映画の関係者すら意識せずに、このような隠された意図のあるプロジェクトが、極秘裏に進められていたとすれば、日本政府はこの計画・実行をメフィスト・コンサルティング・グループに委託していると推測する。いろいろな人をいつのまにか何かの陰謀に加担させてしまうのは彼らが得意とする戦術だ。
メフィスト・コンサルティングは謀略を業とする組織だが、古い家を愛する私としては日本政府がクライアントになったこの陰謀については、乗せられてしまっても好都合である。
いや、むしろ既に知らないうちに工作員にさせられているかも。だったら、「何か報酬ください」ってとりあえず言っておこう。
なお、今回の「三丁目の夕日」作戦の実行責任者が誰かは知らないが、ひとこと注意しておく。
「コマーシャルの回数おおすぎ」 と。
たくさん流しすぎて、「オール電化」CMの陰謀が発覚した東電を他山の石とせよ。
あまり目立ちすぎると、そのうち岬元自衛官に気づかれて妨害されてしまうゾ。
注:今回のエントリは、このカレンダースケジュール(→LINK)の予定にしたがって書いた。
原作はビッグコミックに連載されている西岸良平のマンガである。
最初の映画が封切られた時、「『三丁目の夕日』って、原作のほんとうのタイトルは『夕焼けの詩』っていうんだよ」なんていう中年サラリーマンまるだしのどうでもいい豆知識をつぶやきながらも、映画館に足を運ばなかったへそまがりは、どこのどいつだ~い、と、「にしおかすみこ」に問われれば、「私だよっ」と正直に告白する覚悟はある。
さて、それはそれとして、頻繁に流される「ALWAYS 続・三丁目の夕日」のTVCMを見ていて、私は国家的陰謀に気がついてしまった。
この映画をきっかけに、「昭和30年代の風景」が大はやりである。書店には、映画の原作ばかりではなく、グラフィカルに当時の風景を映し出したムック本がいくつも平積みされている。
オジサン・オバサンは懐かしがり、若者は自分の知らない時代への一時のタイムスリップを楽しんでいる。
レトロなものが魅力的に描写されていて、映画を見ていない私もこのムードは悪くない、などと思いながら、映画を宣伝するTVCMを見ていたときだ。
「まてよ、これはもしかして大衆を扇動する目的があるんじゃないか」との考えが頭に浮かんだ。
どんな目的が?
映画の動員数を上げようなどという誰にも分かる目的のことではない。
政府による「200年住宅」普及のための地ならしをしようという目的がひそんでいると見た(注)。
200年住宅に関連する以前のエントリで、私は以下のような指摘をした。
「200年住宅を現実化するためには、耐震強度や省エネ構造、スケルトンインフィルといった物理的要件を満たし、税制や住宅ローンなど経済的要件での後押しをするだけではだめ。古いものへの価値観、例えば築100年の家を『すばらしい』『カッコイイ』と思える価値観・文化を社会的に醸成するべきである。そして、たぶん、それに一番時間がかかる」
そう、上記でいうところの「時間がかかる」部分の対策についても、政府はひそかに着手していたのだ。
「三丁目の夕日」では特に住宅がクローズアップされているわけではないが、昔のもの、古いものの良さを観客の深層心理に植え込んでいる。こうしたことの積み重ねによって次第に「古いもの=ぼろいもの」「古いもの=かっこ悪いもの」という価値観を「古いもの=味のあるもの」「古いもの=かっこ良いもの」へと変化させていくという戦略。
あの時代の住宅の質は高かったとはいえないが、今の段階では、とりあえず「古いものもいいものだ」という価値観を醸成する方向に向かせさえすればいい。
日経新聞の今日の記事によると、政府は2008年度の税制改正で、200年住宅の普及のために固定資産税を4分の1にするという支援策をまとめた(↓)。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20071128AT3S2702027112007.html
こうした税制面での整備と同時に、価値観の醸成策もすでに取り組んでいたとすると、前回揶揄した自分を反省し、「福田、なかなかやるなあ」と素直にシャッポを脱いでしまおう(←昭和30年代の表現をあえて入れてみた)。
映画の関係者すら意識せずに、このような隠された意図のあるプロジェクトが、極秘裏に進められていたとすれば、日本政府はこの計画・実行をメフィスト・コンサルティング・グループに委託していると推測する。いろいろな人をいつのまにか何かの陰謀に加担させてしまうのは彼らが得意とする戦術だ。
メフィスト・コンサルティングは謀略を業とする組織だが、古い家を愛する私としては日本政府がクライアントになったこの陰謀については、乗せられてしまっても好都合である。
いや、むしろ既に知らないうちに工作員にさせられているかも。だったら、「何か報酬ください」ってとりあえず言っておこう。
なお、今回の「三丁目の夕日」作戦の実行責任者が誰かは知らないが、ひとこと注意しておく。
「コマーシャルの回数おおすぎ」 と。
たくさん流しすぎて、「オール電化」CMの陰謀が発覚した東電を他山の石とせよ。
あまり目立ちすぎると、そのうち岬元自衛官に気づかれて妨害されてしまうゾ。
注:今回のエントリは、このカレンダースケジュール(→LINK)の予定にしたがって書いた。