家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

オール電化「CM」批判

2006年04月27日 | 家について思ったことなど
 オール電化のTVCMにひとこと言いたい。
 特に東京電力のほう。(ちなみに当地方は東京電力と中部電力のCMが流れている)
 ついこの間までのバージョンは、「オール電化にしないと時代に取り残される」というもの。江波杏子扮する義母が鈴木京香扮する嫁にやんわりとオール電化のよさを指摘されるのだが、その後に映し出される義母の脳内イメージは流氷の上に一人で取り残される構図だった。
CMの作り手に攻撃性を感じる。その攻撃性をコミカルな構成でごまかしているところがまたいやらしい。
オール電化の利点もわかるが、ガスの利点もある。なんら合理的な比較もなしに「時代に取り残される」というイメージの植え付けはいただけない。たまに流れるCMならばこんなふうに言及もしないのだが、くどいくらいに流していて、「洗脳でもするつもりか」と思えたので書かせてもらう。

さて、現在のバージョンにも文句を言いたい。
「中華料理の鉄人」陳健一が料理人仲間と鈴木京香の調理を眺めて、IH調理器の火力の強さに驚く、という図。
そこでおかしいのは、炒め物をするのにフライパンをゆすっていること。少し持ち上がっているようにも見える。IH調理器の上でゆすって、火力上どれほどの効果があるのだろうか。
IH調理器の火力の強さは向上しているのは知っている。しかしIHは、基本的に表面に接していなければ熱源が生かされないのではないか。
こんなCMを作ったのも、「IHは火力が弱い」という誤解を解こうという意図であるのだろう。そして、中華料理には向かないと指摘されているのを知って陳健一を登場させたのだろう。
しかし、中華料理の、特に炒め物は中華鍋をあおりながら調理するところに意味がある。IHではさすがにフライパンをあおりながらは作れないので、ゆすっている図を入れ込んだのだと思う。このあたりのCMの作り手の小狡さが気に入らない。
もし、陳健一の調理場で炒め物にIHを使うようになったならば、その映像を流せば効果は絶大なはず。それをやらないということで、おのずと実情が透けて見える。

我が家では以前から使っていた業務用ガスコンロを施主支給しているのだが、先々のことを考えたら、オール電化はともかくIH調理器の利点は理解できるので、将来ガスレンジがいよいよダメになったときには妻と相談しようと思っていた。
しかし、東電のイメージCMによって悪印象は強まるばかりである。えげつないやり方はお客を逃がしかねないと言っておく。

今回のエントリはオール電化への批判ではなく、東電のオール電化のCMへの批判なのでお間違えなきよう。小雪がやっている中部電力のCMはスマートだ。女優としては鈴木京香の方が好きだっただけに残念だ。