goo blog サービス終了のお知らせ 

ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

「竹島」はどこのもの?

2008年07月15日 | 国際・政治
Takeshima1


 中学の学習指導要領解説書に「竹島」(韓国名「独島」)を「我が国が正当に主張している立場に基づいて、当面する領土問題や経済水域の問題などに着目させたりすることも大切である」という記述がなされたことで、韓国から激しい反発が起きています。

 竹島(たけしま)は、北緯37度15分、東経131度52分の日本海にある島。日本領・隠岐と竹島の距離は両島の一番近いところで約157km、韓国領・鬱陵島と竹島の距離は両島の一番近いところで約87kmである。東島(女島)、西島(男島)と呼ばれるふたつの小島とその周辺の総計37の岩礁からなり、総面積は約0.23km2で、東京の日比谷公園の1.4倍程度の島である。最頂部は西島が海抜168m、東島が海抜98m。周囲は断崖絶壁で通常は人の住むことができる環境ではない。(ウィキペディア)

Takeshima2

 つまり、ごく小さな無人島ですが両国はこの島そのものを欲しがっているのではなく、この島をめぐる海の権利です。
 それは、排他的経済水域(EEZ)といって、この島を領土とすることで沿岸から200キロにおよぶ広範囲を占有できることになります。簡単に説明すると「主権は及ばないが(外国の船でも自由に航行できる)、その水域の地下資源や水産資源などを優先的に利用できる」水域として、それぞれの国が独占できるのです。
 たとえば、日本最南端にあるちっぽけな岩礁の沖ノ鳥島を防波堤で囲って波に削られて沈まないように保護しているのもそのためです。

 したがって両国の主張は、それぞれ自国の欲望の塊みたいで、どうにもウツクシくありません。

 で、実際どうなのかと言うと、学問的には(政治的、感情的にはわかりませんが)あまり日本にとって有利ではない過去の事実があります。
 日本が竹島を島根県に編入したのは1905年のこと。歴史に詳しい人はご存知のように、日本の政府は1904年から武力によって「韓国併合」を順次すすめていて、1910年に日本の朝鮮半島支配を認めさせる「韓国併合条約」を結んでいます。日本がアジア大陸侵略をすすめる第一歩です。これは合意ではなく武力侵略ですから、朝鮮半島の人々が現在でも日本に反感を持っていることのルーツになっています。
 それ以前の竹島が韓国の領土であったかどうかはともかくとして、正式に日本の領土でなかったことは事実です。ですから、欧米や諸外国など客観的な立場から見れば、日本が力ずくで韓国から奪ったと判断されてもしかたのない歴史があるのです。

 そして、日本はポツダム宣言にある以下の項目を受け入れています。
 ポツダム宣言 第8項
 カイロ宣言の条項は、履行されるべく、又日本国の主権は、本州、北海道、九州及び四国並に吾等の決定する諸小島に局限されるべし。

 これは日本が「暴力的に」他国から取り上げた領土は返却しなければならないと言う意味が含まれています。
 韓国はこのことを言っているわけなのです。

 いつだったか、テレビで竹島問題が扱われたとき「そんなに欲しがってるんならあげちゃえばいいじゃない」といっていたコメンテーターがいましたが、まあ、ぼくならそうしますが、国家というものは個人的な判断では解決できない要素が多々あるらしく、簡単にそうはいかないようです。

 日本には現在、大きく三カ所の係争地域が存在します。「北方領土」「尖閣諸島」そしてこの「竹島」です。北方領土は人が住んでいますが、他は無人島です。つまりは、排他的経済水域をめぐる、「欲望の島々」。映画のタイトルみたいですが。

 で、こんな解決方法はどうでしょうね、「仲良く共有する」というのでは。「竹島」は日韓共同開発にして、「尖閣諸島」は中国・台湾・日本の共同開発。「北方領土」は人が住んでいるので、住民に日本とロシアのどちらに帰属したいかを住民投票で決める。つまり、資源ではなく住民優先。

 利権が絡むとやたら話がややこしくなります。そこに、右翼の感情論がからんでくると、もう手が付けられません。
 世界中、もっと仲良くできないものでしょうか。まったくどいつもこいつも。

◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆
◆あなたの原稿を本にします◆
出版のご相談はメールでお気軽に galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。