「すべての風呂はローマに通ず」
話題の「テルマエ・ロマエ」を遅ればせながら見て来た。
公開からまもなく2カ月になろうというのに、いまだなかなかの入りである。
楽に見たいと思ったので、映画館としては3流だがすいているはずの吉祥寺オデオンに行く。
カミさんと2人、2000円で見られるのだが、「年令を証明できるものを何かお持ちですか?」と聞いてくる場合と顔を見ただけで判断される場合がある。
これは、わかっても聞くのが礼儀だろう。見ただけで判断されるのはあまりいい気分ではない。
吉祥寺オデオンでは、ちゃんと聞いてくれた。
この映画館は新宿や渋谷あたりのシネコンと違って、典型的な場末の映画館。自動販売機だけで売店はない。だから関連グッズなど売っていないのだ。ロビーも古びて薄汚れている。だからといっても入場料は同じなので、見られればいいという人以外は来館しない。だからたいていすいている。
そんな映画館でも行列ができていたから、そうとうな人気なのだろう。シネコンなら予約なしでは入れなかったかもしれない。
前宣伝を見て、どうしても見たいとは思えず、なかなか足が向かなかった。
長女が勝手にひとりで観にいって、「めっちゃ面白かった」というので、あまり期待せずに観ることにしたのだ。
古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、自分の設計したテルマエ(共同浴場)で排水溝に吸い込まれ、溺れかけて出て来たところが日本の洗湯だった。
「顔が平たい!」
ルシウスは自分たちとは異なる人種に初めて出会い、その「平たい顔族」の共同浴場から多くのヒントを得て自分の国のテルマエに取り入れていった。
ベスビア火山(富士)の壁画、水とお湯が出るカラン、ケロリンと書かれた湯おけ、それにフルーツ牛乳。
ローマ時代にガラスの牛乳瓶をどうやって作ったのかわからないが、脱衣所でそれを売っている。
ルシウスは、21世紀日本の風呂やトイレなどのさまざまな機能におどろくのだが、じつは古代ギリシャ・ローマの科学は電気の有る無しで大きな差があるものの、その他は現代科学に匹敵する、いや、彫刻や建築などは、それ以上の技術があるともいわれる。
テルマエ・ロマエ(ローマの共同浴場)は遺跡が残っていて、原作者のヤマザキマリが、絵画の勉強のためにイタリアに渡ったとき、この遺跡を見てマンガ『テルマエ・ロマエ』のヒントを得たそうである。
平たい顔族の中に漫画家をめざす山越真実(上戸彩=原作者本人がモデル)がいた。ルシウスは日本に現れるとき、なぜかそこに真実がいる。
真実は何度も作品を出版社に持っていくのだが、ストーリーもキャラクターもなってないとボツにされ続け、漫画家を諦めて温泉宿を経営する実家に戻ると、その温泉にルシウスが現れる。
実家の露天風呂を通じて、一族全員が古代ローマにタイムスリップしたとき、古代史を変えてしまうような大事件を引き起こすことになる。
ローマの皇帝ハドリアヌスを演じる市村正親は、いかにも劇団四季と言っていいあの大芝居がぴったりはまっている。北村一輝、宍戸開など濃い顔の男たちに混じって上戸彩がとても可愛い。笹野高史、いか八郎など、典型的な日本人顔の平たい顔族との退避が面白い。
ロケで濃い顔族たちは「おまえが一番濃い」「おまえに言われたくない」などと言い合いをするほど和気あいあいの現場だったと上戸彩。「みんな裸で油断したかっこじゃないですか。変ないざこざなんておきないですよ」と阿部寛。
時空を超えて、すべての風呂はローマに通じている。人間裸になればもめ事などない。風呂に入ればみんな癒されるのだから。
ばかばかしいけど、とっても楽しい映画だった。
二人で2000円なら、安かったかな。
◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆
(PR)【GALLAPからのお知らせ】
自費出版承ります
●自費出版、企画出版、書店流通。
*編集から流通まで、責任持ってすべて引き受けます。
■ご相談は無料です。まずはメールで galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで。
★ライティング & エディトリアル講座 受講生募集中★
●個別コンサルティング承り。当オフィス、またはスカイプ利用でご自宅でも受講できます。
*1ヵ月2回コース~12ヵ月24回コース。(1回60~90分)
●出張講座承り(1日4~5時間)
■ご相談・詳細はメールで galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで。
はじめまして、こんにちは。
こちらは、映画『テルマエ・ロマエ』『ノルウェイの森』のロケ地、伊豆の大滝温泉天城荘でございます。
昨年(2011年)9月の台風被害復旧が捗らず余儀なく休館をいただきながら、再開に備えを進めてまいりました。おかげさまで、大勢の皆さまからの応援とご協力によりこのゴールデンウィークに再開できました。多くの皆さまにまたおもてなしをさせていただけるようになりましたこと本当に感謝でございます。
再スタートによって明確になった新たな課題等もあります。真摯に、今後もコツコツ個性に磨きをかけて、一人でも多くの皆さまの健康と幸福のお役に立ちたいと存じます。
これからも『テルマエ・ロマエ』『ノルウェイの森』ともども伊豆の大滝温泉天城荘、湯の国ニッポン、何卒宜しくお願いします。
皆様の益々のご健勝をお祈り申し上げます。
“湯の国ニッポン♪”ともに頑張ろう日本!
☆ 突然で驚かれましたよね。この思いが届けられればと願っております ♪