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福島菊次郎「講演会&写真展」

2010年08月14日 | アート・文化
Fukushima4
福島菊次郎「孤児たちの島」より。
 
 ちょっと遠かったが、最終公演会ということで府中まで足を延ばした。
 『遺言 Part3』と題した講演会は、500席のホールをほぼ満席にして行われた。
 福島菊次郎さんは1921年の生まれで今年89歳になる。
 広島市の原爆被災者の困窮生活を10年におよび取材した作品『ピカドン ある原爆被災者の記録』が、日本写真評論家賞特別賞を受賞(1960年)たのをきっかけに、42歳でプロカメラマンになった。
 以後、自衛隊や兵器産業、また三里塚闘争などを激しい視線で、特定の人々にとっては辛辣な作品を、多数世に送りだしている。
 
 以前、フォトジャーナリストの土井敏邦さんが言っていたが、「多くのメディアは物事の上半身しか報道しない。物事の下半身には固有名詞で生活する人々が存在する。それを知らせるのがフォトジャーナリストの役割だ」ということの意味が、福島さんの写真を見ると実によくわかる。
 福島さんの写真は、全体から見せて、そして事象の奥へ奥へと入り込んでいき、究極的に個人の生き様に行き当たる。
 
Fukushima3
 
 「私は軍国少年でした。毎朝新聞の1面を見てから学校に行きました。新聞の1面には前日の日本軍の戦果が書かれていて、それを知って学校に行かないと仲間はずれだったんです」
 特攻隊「最初の頃は、飛行機もパイロットも優秀で良かったんです。成功率が16%ですか。でも、特攻というのは飛行機もパイロットも二度と使えないでしょう。だからどんどん質が落ちて成功率も下がる」 
 敗戦「終戦じゃありません、敗戦です。終戦というと、ただ終わらせたということで、勝ったのか負けたのかわからなくしています。敗戦といえば負けたんですから、そこに戦争責任というものが出てきます。天皇の戦争責任を追求されたくないものだから、終戦なんて曖昧な表現を使うんです。私は終戦なんて言う人とは口きかないようにしています」
 
Fukushima2
 
 憲法改正「自民党が法案を提出した国民投票法が今年の6月に発効しました。しかし、自民党の崩壊で混迷しています。国民の中には、憲法改定は反対だが、自衛隊は必要だという人がいますが、これは矛盾しているということに気付いて欲しいです。私は自衛隊の存続にも反対です」
 韓国併合100年「菅総理の声明が話題になっていますが、言葉だけじゃ何にもなりません。実行を伴うことが必要なんです。5億ドルの支援をすると言ったって、そのうち2億ドルは借款で、3億ドルは日本企業が韓国にダムを造る費用です。結局それは日本の企業に返ってくるお金なんですね。支援じゃありません」
 日本海海戦「日露戦争で東郷平八郎の連合艦隊がロシアのバルチック艦隊に勝ったと言って喜んでいましたが、バルチック艦隊は日本海に来るまでに、喜望峰からインド洋をへて、何ヵ月もかかってるんです。途中で英国の艦隊などに補給がたたれているし、もう戦意喪失してるわけですよ。勝って当たり前なんです」
 
 
 お年なので、喋り口は古今亭志ん生みたいだけれども、内容は激烈だった。展示会場で版にサインをする姿は、普通のおじいちゃんだった。
 
 リンク=「世界187の顔」~「福島菊次郎の仕事」

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