ひまわり博士のウンチク

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余りにも露骨「経団連・御手洗ビジョン」

2006年12月12日 | 国際・政治
 昨日の朝日新聞夕刊の記事を見てびっくりしました。
 露骨と言うか、はたまた図々しいと言うか……。
 
 「日本経団連(御手洗富士夫会長)が来年1月1日に発表する将来構想『希望の国、日本』(御手洗ビジョン)の原案が11日判明した」で始まる記事は、「原案の主な内容」として以下のように紹介しています。

・イノベーション(技術革新)の推進
法人税実効税率10%引き下げ
11年度までに消費税率2%引き上げ
10年代初頭までに憲法改正
・業績などに応じた人事・報酬制度の精微
・愛国心に根ざす公聴心の涵養
政治寄付を拡大するための法改正
・東アジア全域での経済連携協定促進
・15年度をめどに道州制を導入

 この九つ全部がとんでもないことなのですが、中でも非常に解りやすい部分を見てみることにしましょう。
 「法人税実効税率10%引き下げ」「消費税率2%引き上げ」とはどういうことかと言うと、会社が払う税金を安くしろ、その分国民から巻き上げればいい、ということです。
 そして、「政治寄付を拡大」とは、それで企業が儲かったら、安倍さん分けてあげるからね、ということになります。

 どうですか、すごいでしょう。簡単に言うと、「政治家や資本家が儲けるためになら、国民は飢えてもかまわない」という考えなのです。
 まったくほんとうに越後屋とお代官様の世界です。

 これだけではありません、「業績などに応じた人事・報酬制度」とは、会社に儲けをもたらさない社員はどんどんクビにしろということ。
 「憲法改正」はもちろん9条を改訂して戦争ができるようにすること。(戦争ができれば日本の軍需産業が儲かるからです)
 「愛国心に根ざす公聴心の涵養」とはうがった見方をすれば愛国心とはお上のいうことに逆らわないことだ、と言っているようなもの。
 「東アジア全域での経済連携協定促進」とは、中国や韓国、フィリピンなの、東アジアの国々を経済侵略しようという腹なのです。
 「道州制」についてはマスコミがあまり報道しないのでしらない人もいるかもしれませんが、都道府県を廃止して、日本をもっと大きく州単位で分けるということです。それによって、国民の声は行政に届きにくくなり、中央の政治家の意のままになりやすい状態が作られます。
 つまり、市町村合併に反対したり、住基ネット反対するような自治体が出てこられなくするのが目的です。

 この「経団連・御手洗ビジョン」は、経団連が安倍内閣といっそう仲良くするのが目的で、安倍晋三が喜ぶようなことを並べてあるのです。いってみれば、これこそが安倍内閣がやりたいことなのです。
 すなわち、安倍晋三の言う「美しい国」とはこういう国のことです。お金持ちは一層お金持ちになり、貧しい人は益々貧しくなるのが、安倍晋三にとっての美しい国です。

 まあ、お安倍晋三の言うことはいつも「言語明瞭意味不明」(竹下登以来ですが)で、何を言わんとしているのかよく解りませんが、経団連がヒジョーにわかりやすく解説してくれたともとれますね。
 みなさんはこれでも自民党に1票を投じますか? もしそうなら、わざわざ自分を不幸にする自虐趣味のマゾヒストです。


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