遍路の心

鮒の里.四国遍路19番立江寺近く.お接待処.民宿

魚眼で見る遍路...立江川の鮒、光潤より

2009-02-28 08:15:47 | Weblog
  世の中に、絶えて桜のなかりせば、春の心はのどけからまし
                             「在原業平」 
 世の中に全く桜がなかったなら、春の人の心は咲くのを待ちこがれたり、散るのを惜しんだりすることもなく、のどかなものであろうに。
 人間の心というものはやっかいな代物で、心の上に何を乗せるかで、強くもなったり、弱くもなったり、また、情けなくもなり、難しいのである。

 四国遍路道を歩くのは、心の上に相を乗せて、「想い」で歩いてみてはいかがかな。
         
                   立江川の鮒より
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2009-02-26 09:35:12 | Weblog
   啓蟄

 冬ごもりの虫たちがはい出て来る季節とはよくいったものだ。
人間も生物で春の気配を感じると、屋外に出たくなってくるのか四国遍路道にお遍路さんが歩き始めた。今年は例年より暖かくなって来るのが早いような気がする、これも地球温暖化の原因なのかわからないが、桜のつぼみも大きくなってきた。
 世の中、100年に一回の大不況になっているが、誰の責任でもない世界中の欲に目のくらんだ人間が自分で招いたことなのだ。人間が生きていくのに必要なだけの品物を生産しておれば、こんなことは起きてはいなかったはずである。
 火の車、造る大工はなけれども、己が造って己が乗る、
遍路道にいらぬ想いを捨て去っていくのが頭陀行ですよ。貴方のリックが重すぎます。
                    立江川の鮒より
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2009-02-23 13:59:41 | Weblog
   飲む、博打、揚代
 
 昔より男の破滅は、この三つの煩悩で人生を無駄にする。
自民党の大臣さん、末は博士か大臣かを現実に生きていたのに、煩悩を取り払うことが出来なかったらしいですね。
 世間がなんと言おうと、貴方はまだ若い、政治家の50ー60は鼻垂れ小僧ですよ、四国遍路道を歩いて今までの自分を見直してはいかがですか、きっと何か悟れるかも知れませんよ、
 貴方の親父様も、くさばの陰からそう言っていますよ。

                     立江川の鮒より
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2009-02-20 11:45:24 | Weblog
   全空さんと若いお遍路さん
 全空さんが言っていたのに、近頃若いお遍路さんが多くなったように思う、若いお遍路さんと一緒に歩くことが多いので、野宿をする場所とかマーナーを教えたりしながら、色々な遍路道の話とか何故遍路道を歩く気持ちになったのか聞いていると、若い遍路が言うのに自分達は学生時代にあまりにも幸せな生活をしていたように思える、社会に出てみて初めて自分の世の中に対する甘さがわかりました。
 今日の派遣切りとか、契約社員とか様々の問題が出ていますが、自分達もフリーターとか言って自由に仕事を選んでいたこともあります、今の経済不況で会社もリストラをしなければ経営していけない時代に成っているのだから、必ずしも派遣法が悪いとは思いませんと言っていた。
 全空さんが思うに、若い遍路さんも自分のことが良くわかっているのだ、せめて次の仕事に就くまでの間に、なにか自分達の甘さをなくす試練に四国遍路道を歩きに来ましたと言っていた。今風の若い人達もわかっているのだ。
 いつまでもあると思うな、親と会社ですね。
                        立江川の鮒より
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2009-02-14 07:32:25 | Weblog
   全空さんの遍路道の出会い

 四国遍路道、1番霊山寺より10番切幡寺までは初めて歩き遍路に来た人も、簡単に遍路ができるようになっている。ところが遍路道そんなに甘くない、11番藤井寺より焼山寺に登る遍路道は最初の歩き遍路の試練の遍路道である。
 全空さん、いつものように一本杉のお大師さんをめざして歩いていたそうです、ところがやがて一本杉になろうとしているころ前を歩いていた女性のあ遍路さんが倒れてしまった、顔を見るとどう見ても過呼吸だろうなと思って道ばたに腰を下ろし荷物を下ろして様子を見ていたのだが、色々なお遍路さんが立ち止まって心配をしてくれるのだが、気が付く手当をしてみたが、あまり良くならないので、とにかく救急車の連絡をしてもらい焼山寺まで背負って行くことにしたそうです。
 さすがの全空さんでも人間一人の重さは、リックの重さとは比べようもなく、これもお大師さんの思し召しと思い山道を登り始めたそうです、ところが一本杉を過ぎて下り道あたりからあまり重さを感じなく成ってきたそうです。
 不思議なこともあるものだと想いながらも無事焼山寺の駐車場で救急隊の人に引き渡すことが出来たそうです。
 ところがその後が大変でした、自分の荷物を遍路道に取りに帰るときの疲れは普通の苦しさではなかったそうです、お遍路さんを背負って登ったあの力は何だつたのか不思議ですと言っていました。
                    立江川の鮒より
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2009-02-11 09:11:52 | Weblog
    全空さんの遍路道
 前回の話の続きですが、全空さんそのお寺で長い間、檀家さん、また地域の皆さんと色々なお付き合いをしている中で自分も何か同じ悩みを持った人、生きる中で迷っている方の気持ちを聞いてあげることが出来るのではないかと思って四国遍路に来たといっていました。
 初めて遍路道を歩いたときは、自分自身が精一杯でとても、とても人のことを思いやったり、気に留める余裕などありません、足は痛くなるし、肉刺が出来るし、自分の思い上がった心を戒める遍路道であったそうです、その遍路道で地元の方々に色々なお接待、また心遣いをうけて初めて自分がいかに愚かな考えをしていたか思い知らされましたと言っていました。
 やがて、88番大窪寺を結願してふる里に帰ったのですが、自分のふがいなさに改めて気がつき、四国遍路を自分自身が納得いくまで歩いてみる決心をしたそうです、自分は仏に仕える身であるので、2回目の遍路道は修行僧として、托鉢、野宿、洗濯は川の畔でと、人間が生きていく限界の遍路道を体験して遍路道を歩いたそうです。
 現在は48回目の遍路道らしいです、単純計算でも約10年はかかっていると思います、ちなみにこの間のテレビの番組の四元さんには、2回お会いしたそうです。   「様々なお遍路さんの出会いの話は次の投稿で」ーーーー
                    立江川の鮒より
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魚眼で見る遍路...立江川の鮒、光潤より

2009-02-08 08:43:23 | Weblog
     我聞全空さんの話
 鮒の里に一年に2-3回立ち寄るお遍路さんがいる、そのお遍路さんは修行僧のお方です、全空さんはほとんど野宿で遍路参りをしているのですが、19番立江寺に来ると鮒の里に宿をとる、私「立江川の鮒」と囲炉裏をかこんで遍路道の色々な出来事の話しをします。
 全空さんの生い立ちを少し紹介しますと、「あかご」のときにあるお寺の境内に捨てられていたそうです。そのお寺の住職が育ててくれたそうです、お寺でお坊さんになるべく、修行を積んでいたのですが、15才の時に自分のルーツを知りたく、様々な人達に聞いて歩きましたが何の手がかりもわからず、自分自身がわからなくなってしまったそうです。
 15才の子供がそんな苦しい悩みを抱えていることが、いかに惨いことか察するにあまりあることです、全空さん悩みに悩んでやがて自殺という行為に、はまっていってしまったそうです。ある場所で飛び込み自殺をしたのですが、天命というのですか地元の漁師さんに助けられたそうです。15才の子供がそんな経験をすることで自分を取り戻せることになるとは、人間の命、運命、は我々の少しばかりの人生経験などでは計り知れないことであると思います。
 あまり話しが長くなるので、次回の投稿でそれからの全空さんとの話をします。
                 立江川の鮒より
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